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Brave The LionⅡ Story6

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最終更新者:にゃん

story11-1 知人同士


「……さて、どうしよう。この機会に、自分を見つめ直してみようかなぁ……

いま自分がいる場所は、いつだって運命の場所。そんなことを詠った詩人もいたっけねぇ……

!? ヤバイヤバイヤバイヤバイ!」


 ダニエルの脅威の反射!驚くべき速さで落ち葉の中に滑り込み、身を隠す!

しかし、現れた人物は恐るべき動体視力で、その一部始終を捉えた!


「――ダニエル!?」

「うえぇぇっ!? 見つかったあっ!?」


「あなた、ダニエルじゃない!?」

「え……キミは……セラかい?」

「久しぶり……二年ぶりくらい?」



…………

………



「これで、依頼された討伐対象はぜんぶ――」

「…………」

「どうしてそんなとこにいるの!?あたし、そのへんの魔獣を全部刺し貫いたんだけど!?」

「……かわすの…………大変だった……」

「しばらく辛抱してて、近くの街に連れていくから。」


 ***


「……じゃあ、あなたは自分か何者かわからないわけ?」

「わからないんじゃなくて、たとえばどうなればわかったことになるのかがイメージ出来ないっていうか。

そういうのって、ボクだけでもないと思ってたんだけど。」

「……なんかあなた、見かけによらず面倒臭い性格なのね。」

「う~ん……色んな事、考え中だから仕方ないんじゃないかな?」

「そういうところがよ。名前はなんていうの?」

「とくにないんだ。」

「じゃあ、ダニエルね。」

「ダニエル? どうしてまた?」

「インスピレーション。」

「あぁ……大事だよね、インスピレーション……」


 ***



「びっくりしたわ。まさか、こんなところで再会するなんて……」

「セラ、どうしてここに?」

「こっちのセリフよ。突然姿を消しちゃって。」

「でも、いつまでも働きもせず、お世話になってるわけにもいかないと思って。」

「その点はその通りだけど……銀の諸島からここまで、どうやって来たわけ?」

「本能のおもむくままに、みっこうした……とでも、言いますか……」

「相変わらず、行き当たりばったりな人生送ってるのね。」

「……そうなのかな……?」

「え?」

「――っ!」


突然、ダニエルが頭を抱えてうずくまる。


「……なんだこれ……?」

「どうしたのよダニエル?」

「なんか……本能がさ、言ってるんだ。」

ダグラスと、クロエとー緒に、あそこへ行かなくちゃ……!」

「ダニエル……?」



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story12-2 疲弊する獅子



ここが――あなたのいた研究所なのね。

ああ。

……不健康なところ。長くいたら、絶対に良くないわ。

はは、そうだよなぁ。

ここ滅茶苦茶広いんだけど、道に迷ったりしないわよね?

おいおい、オレの特技を忘れたか?

<ダグラスの左目が輝く。>

……あっちだな。……たぶん。

ミーチャ、あまり自分を酷使しないで?

このくらいへでもねーって。

……なんのソウルを目指しているんですか?

そりゃあ、邪悪なソウルさ。だけどよ……

……あ~、調子悪い。なんだかよ、感じ方がいつもと違うんだよな……

どーゆーふーに?

うまく言えねーが……邪悪なような、な~んか懐かしいような……?

ミーチャ……!こんなところが懐かしいだなんて……!

おっとと、姉ちゃん、やめてくれってそういう感傷は。いまはとにかく、先を急ごうぜ。

無理はしないでね?

だいじょ~ぶだって。姉ちゃんとー緒にいると、底力が湧いてくるんだよ。なんつってな。

ふふ……頼もしいわね……



……とかなんとか言いながら、やっぱり疲れてるのね。ずいぶん急いでるわ。

うん……

――?

……ううん、なんでもないの。私たちもいきましょう?


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story12-3



「セラ、仲間と合流しなくていいの?」

「そのうちするから大丈夫よ。そんなことより……ダニエル、どうしてあなたがここを目指すの?」

「ボクには、手がかりが少ないんだ。」

「手がかり?」

「自分がない。説明しないんじゃない、ないから出来ないんだ。

だから、僅かな衝動でも、大事にしたくなるんだ。

足が向いたところには、なにかあるんじゃないかって……」

「……それって曖昧なことだけど、実は大事なことかもね……」

「……セラはどうしてボクについてくるの?」

「方向が一緒なだけよ。」

「なのにボクを守ってくれている。」

「自分を守るついでにね。」

「……どうしてそうまでしてくれるんだい?」

「あたしは、見たものに、見た通りの感想を抱くから。

だから、弱そうなあなたは守ってあげようと思うし。

一度間違ってるように見えた物は、いつまでも気になってしまうの。」

「よくわからないけど……それは別に、悪くないんじゃない?」

「どうかしらね……

見える物だけが真実じゃない――

頭ではわかるんだけど、どうしても『目』が良すぎて。

それに頼っていることが、逆に何かを曇らせていたのよ……」

「う~ん……誰かにだまされていたって話?」

「そうね。」

「あっ、悪い男にだまされたとか?」

「そうかもね。」

「気を落とさないでよ!セラは美人だしさ、今度はだます側になっちゃえばいいんだよ!」

「ふふ……ありがとう。そうなっちゃおうかな。」

「セラにだまされるんなら、本望だって男、きっとたくさんいるよ!」

「ふふ……ありがと。」



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story12-4 秘密なんかいらない



「<穿つ>!」


湧いて出た魔獣の群れを、セラの<ルーンギムレット>が華麗に翻り、蹴散らした!


「セラは強いなぁ。撃破する順序も効率的だしさ。」

「……あんまりね。嬉しくないの。そこを褒められてもね。」

「あっ……ごめん……」

「ううん、いいの。……あなたに感謝してる、と言ったらおかしいと思う?」

「ええ!? そりゃおかしいよ!?ボクはなんにも<できちまわない>んだぜ!?」

「ふふ、そうね。でも、そんなあなたを見て、あたしは立ち止まれた。

より効率的に、より多く――

兵隊になりきっていたようで、自分の中で育っていた、疑問に気づくことが出来た。」

「疑問?」

「……ええ。とても大きな。存在意義を揺さぶるほどの。」

「それはなんだい?」

「ふふ、心配しないで。これはあたしの人生の問題。ちゃんと自分で力夕をつけます。

――でも、だからといって、後輩に、自分の通った道しか教えられないのも、ちょっとそんなに賢くないけどね。」

「……?」

「可愛い子がいるの。とってもまっすぐな――」


「…………」

「どうしたの……?」

「……呼んでる……」

「え?」

「ヘンだ……! 呼ばれてないようにみせかけて、違う、呼ばれてるんだ、巧妙に隠して……!」

「ダニエル!?」

「感じる……!これは自分の<意志>じゃない……!足が……勝手に向かっていく……!」

「どうしたのよダニエル!?」



「やめてよ……!変な秘密はいらないわ、あなたはあなたでいてよ……!」



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story13-3 忘却の獅子



…………

<ダグラスは脇目も振らず、通路を進んで行く。>

ちょっとちょっと、なにをそんなに焦っているのよ!?

…………

ミーチャ?

ん!? ああ、悪い……少し考え事をしてた。

<振り返ったダグラスは、生気を失ったように青白い顔をしている……!>

ダグラスさん!具合、悪くなってませんか!?

あ? いやいや、大丈夫だ。療気を補給出来ないのは辛ぇが、別に初めてってわけでもねぇ。

しっかし、おかしいよなぁ……こんだけ魔獣がうろついてて、やっぱり療気が全然ねぇんだもんな……

(たしかに……そうだわ……療気の気配が全くしない……けど……)

(なにか、それ以上に、おぞましいなにかが、待ち構えているような……!)

さぁ……てと……まだ何戦かは耐えられる。なんとかそれで終わらせねぇとな……

あまり強がらないで……苦しかったら、素直に言って。ね?

大丈夫さ……オレはなんでも<できちまう>、魔剣士ダグラスなんだからよ……

……ねえ、アタシ思ったんだけど……この研究所、まるでさ……

『ダグラスを弱らせておびき寄せてる』みたいじゃない……?

ああ?偶然だろ?療気だってねえとこにゃねえしよ。自分の意志で進んでるんだし。

……ダグラスさん、なにか……隠していませんか?

……どうしてそう思う?

だって、ダグラスさんはここで実験台にされていたはずなのに――

――初めてきたかのように、手さぐりで進んでいるから……

…………

……ねえんだよ、記憶。

実験の苦しさは覚えてる。だけどよ――

――どうやってここから出たのか――?……まるで記憶にねぇんだ……

……忘れたい過去だから……とかでもなく?

ああ……おかしいだろ?そのへんのこと、アイツに聞けばわかると思ってたんだがよ。

アイツ?

――微かに覚えてるのさ。オレの体を物扱いしてくれた、イカれた研究者のツラは、な……

……つーわけなんだ。悪かったな、ずっと黙ってて。

……気にしないで、ミーチャ。行きましょう。あなたの記憶も、取り返さなくちゃ。

姉ちゃん……ありがとうよ。あんたが側にいてくれるだけで、どれだけ励まされてるかわからねぇ。

そんなこと言って。なにかをおねだりするつもり?

なんだよ、ガキじゃあるまいし……

ふふふ……



(……まだ……なにかが…………おかしい……!)



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story14-1 唯一の獅子



ここは……?

<液体で満たされた怪しげな器具が立ち並んでいる……>

ねぇ……なんだか、キモチワルイのがたくさんあるんだけど………

<様々な魔獣がいる……ガルーダやジャガーから、見たことのないものまで……|

合成魔獣の材料だな……思えばこいつらも、可哀そうなもんだぜ……人間の勝手な研究で、弄ばれるんだからよ……!

――!!ダグラスさん!

どうした……?

――人間も……います……!

なんだって……?

うぇぇぇぇ!アタシはイヤだ!そんなのはイヤだぁ!

……。

主人公!?よくそんなにじっくり見れるわね……

……見なければ、わからないこともあるわ……

<――水の中の人間のようなシルエット……気を強く持ち、観察すると――

――獅子のタテガミのような――緑色の長髪――!

――!?

……おいおい……こりゃあー体、なんの冗談だ……?

こいつはオレだ……!まさか、オレの遺伝子から、こいつらを作ったってのか……!?

ほかになんかねぇのか!

落ち着いて、ミーチャ! ミーチャ!

<ダグラスは左目を光らせ付近にあった書類棚に走る。

何冊もの資料を、まるで炎のように読み散らかすと――


――<獅子複製計画>――

『オリジナルであるミーチャの細胞を基に、ミーチャクローンを複製することに成功……』

『<療気>を喰らう、ソウルを感知するなど、特徴の継承も確認……』

……そんな……!

――へっ……

くくくく……!こりゃ――笑えねえぜ……!

まさかこのオレが、実験された挙句に、コピーまで取られてたとはなぁ

もう何年かすりゃ、世界中の戦地で、オレと同じ顔の魔剣士が戦ってたのかねぇ……?

――いま知れて、よかったぜ……!申し訳ねぇが……この研究所を墓場にする。

<獅子>はー人で十分だ……!





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ノーマル

   Brave The LionⅡ Story1

分岐 Brave The LionⅡ Story2 メア ルート

   Brave The LionⅡ Story3 カティア ルート

   Brave The LionⅡ Story4 メイン ルート

   Brave The LionⅡ Story5 メア ルート

   Brave The LionⅡ Story6 メイン ルート

   Brave The LionⅡ Story7 カティア ルート

   Brave The LionⅡ Story8 メイン ルート

合流 Brave The LionⅡ Story9


ハード

   Brave The LionⅡ Story H-1

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   Brave The LionⅡ Story H-4

   Brave The LionⅡ Story H-5






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