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【白猫】麗しの花を求めて Story

最終更新日時 :
1人が閲覧中
最終更新者:にゃん

2014/08/22


目次


Story1 箱入り娘の情熱

Story2 初級:アンナ、泣きそう

Story3 上級:世にも珍しい花

Story4 絶級:アンナ、成長!

最終話 破滅級:真・世にも珍しい花


登場人物


アンナ

ウィリアム



story1



この森の奥に<世にも珍しい花>が咲いているという……

<豪華なドレスを着た少女が、グッ! と強く拳を握る。>

このアンナ、そうと聞いては黙っていられませんことよ!

かわいいお花をゲットするためならたとえ火の中水の中! ですわ!

……それはいーんだけど。なんでアタシたちまで行かなきゃいけないワケ!

え? だって、1人で探すなんて、さみしいじゃありませんの。

それに……この森の奥に進むには、キャトラちゃんの協力が必要不可欠なんですの。

アタシの……? それって、いったい――

たとえ森歩きで疲れても、かわいいかわいいキャトラちゃんを抱き抱きすれば、元気百倍ですわ☆

知るかぁ――――っ!!

イノセントキャトラヒール……!

人を勝手に技名に組み込まないっ!

では、主人公。エスコートをお願いしますわね。

あら、ご存じありませんの? こういう時は、殿方がエスコートするものですわよ。

ア・ン・夕・が・言うなあーっ!!

いざ! かわいいかわいいお花のもとへ~♪

さあ、まいりますわよ!

聞けぇー!!


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story2



…………

<森の魔物たちとの戦いで、アンナの髪やドレスは、

ぐちゃぐちゃの泥だらけになってしまっている……>

えーっと……ア、アンナ?だいじょーぶ?

ふ……ふふ、うふふふふ……アンナ、泣きそう……

この先も、獣道が続くみたいです。もう引き返した方が……

やあーだあーー! やあーーですわあーー!!

<アンナは、だだっこのようにじたばたと地団太を踏む。>

こ、これしきのことで、くじけたりなんかしませんわ!

涙目で拳を握るアンナ。

かわいいお花が待ってますもの!

ちょ、ちょーっと汚れるくらい、へいちゃらですわっ!!

ちょっとっていうか、全身ドロドロだけど。

…………

…………?

そうですわね……やっぱり、アンナ、くじけてしまいそう……だから……

元気の! 補給がッ! 必要! ですわあーーっ!!

ぎにゃーっ!? よ、汚れたまま抱きついてくんなあーっ!!

大事なもののためにがんばれる……アンナさんは、そういう強さを持っているのね。

いいカンジなこと言ってないで、止めてよアイリスぅ~っ!!



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story3



森の奥……なんにもないね……

うん……なんか、そんなオチなんだろーなーって気がしてたけど

<世にも珍しい花>ってフォレストクイーンのことだったのねえ……

残念ねえ、アンナ。ここまで来たのに、無駄足になっちゃって……

…………

<アンナは、うつろな眼差しを宙に向けている……>

ア……アンナ?

アラ、ナンデスカシラ?

サア、ミナサン。オハナヲ サガシニ イキマスワヨ……

いや、だから。さっきのが、<世にも珍しい花>だったんだって。

ソンナコト アリマセンワヨー。ホホホ、イヤデスワー。

サア、モリジュウヲ クマナク サガシマスワヨ!!

だあーっ! 現実逃避するなあー!

って、ちょっと! どこ行くの! もう帰ろうよぉ、アンナぁ~!

オッハナー。オハナサーン。ドーコデースノ~♪


だめだわ、完全に自分を見失っている……

キャトラ! 今こそ、イノセントキャトラヒールよ!

だからそんな技ないし!




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story4



この森の奥に<世にも珍しい花>が咲いているという……

<またしても、アンナが、グッ! と強く拳を握る。>

このアンナ、そうと聞いては黙っていられませんことよ!

……ま~たフォレストクイーンが待ってるってオチじゃないの~?

ふふーん。今回は絶対違いますわ! ちゃーんと調べましたもの。アンナ成長♪

前回は何も調べてなかったのね……

近隣の方のお話によると、なんと!

この森の奥の<珍しい花>は、優美にして艶麗、風雅にして温和……

……? <温和>? 花が?

見た目が愛くるしいだけでなく、優雅に紅茶を滝れてくれるというすばらしいお花らしいんですの!

いやソレ絶対、花じゃないよね!? だまされてるよね!?

まさしく、わたくしのためのお花!

主人公もそう思いますわよね!?

お花が紅茶を滝れてくれる……? 手があるってことかしら……?

それ、フォレストクイーンだよね。

チガイマスワッ! きっと、こう……紅茶のポットに翼が生えて……!

あんたの脳内、どんだけメルヘンなの!?

さあ、みなさん! 今日は森林浴でティータイムですわよー!

森林浴で魔物と戦うのって、本末転倒じゃない……?



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最終話



あった……! ありましたわ!

あれこそまさしく、<世にも珍しい花>……!

<森の奥に、美しい一輪の花が、ひっそりと咲き誇っている。>

ついに……ついに、やりましたわ!

やーん、かぁーわいぃ~♪

<アンナが喜び勇んで花に駆け寄り、そっと手を伸ばした瞬間――

ズボッ、と花が上に抜け、地面から執事が生えてきた。>

ご機嫌うるわしゅうございます、アンナさま。

さて、それではティータイムといたしましょう。

…………。ウィリアム? 執事のあなたがどうしてここに!?

花の下に……埋まってたんですか?

ええ。さようでございます。

屋敷を出て行かれたアンナさまが、世間の荒波にもまれてどれだけ成長なされたか……

それを確かめよ、という旦那さまのご命令でしたが――

こうもあっさり引っかかられるとはまだまだ世間知らずなようですね。

失礼しちゃいますわね! わたくしだって成長してますわ!

それより、ウィリアム! その<紅茶を滝れてくれる花>をおよこしなさい!

いやアンタまだ信じてたのっ!?

失礼ですが、アンナさま。お茶の準備がございますので。

待ちなさいったらー! ブリリアントアンナビぃームっ!!

おっと。アンナさま、その技は<戦神逆鱗>が正式名称です。これはセイクリッド公爵家に代々伝わる由緒正しい――

そんなかわいくない名前、やあーですわ! こらウィリアム、お待ちなさーい!

<逃げながら紅茶の準備を始めるウィリアム、それを追って傘から光線を乱射するアンナ。>

……帰ろっか。

そうね。


さ、お茶が入りましたよ。いかがでしょう、お嬢さま。

いただきますけどっ! その前に、当たりなさいなー!

もぉーーーーっ!!





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