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白猫ミステリーランド! N-Story1

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最終更新者:にゃん

ストーリーまとめ


story1


キャトラ

ジモ島、かあ……

ここにくるのも、久しぶりねえ。


アイリス

うん‥‥‥‥あの時は、

色々あったね、主人公。


キャトラ

でも!!

今回は、気楽に過ごせそうだわ♪

さて、あの二人はどこに……


ミスターマン

…………


キャトラ

ぎにゃー!!

あいかわらず近い!!


ジモート

ヘイヘーイ!!

みんな、よく来てくれたね!!


ミスターマン

……………………


アイリス

お久しぶりです。

ジモートさん、ミスターマンさん。


ジモート

元気にしてたかい、エヴリワン?


キャトラ

チョー元気よ。

……ところで、前にきたときより

だいぶフンイキが変わってるわね。


ジモート

YES!

<ワールド・マッスル・フェス>

の開催に合わせて、色々と改装したのサ!!


キャトラ

そうそう、依頼内容が確か――


アイリス

ポディビル大会の審査員、でしたよね?


ジモート

ザッツライト!

集え筋肉!! 競え筋肉!!

マッチョな男たちが繰り広げる、

燃えるような人間ドラマ!!


ボディビル大会の中でも、

<ワールド・マッスル・フェス>

は世界最高!とにかくアツい!!


ミスターマン

……………………


キャトラ

でも、なんでジモ島なの?


ジモート

大会の主催者が、今年は

変わった場所でやりたい

と提案したらしくてネ。


光栄なことに、

ここ<ジモートランド>が

選ばれたってわけサ!


アイリス

私たちが審査員でいいんでしょうか?


ジモート

イイ!! むしろ、

キミたち以外にはいないよ!


キャトラ

よーするに、

誰の筋肉が一番か選べばいいのよね。


ジモート

報酬は、約束通り

ジモートランドの年間パスと――


キャトラ

一日たべほーだい

のみほーだい券、よね……!


ジモート

イエス!思う存分、

ジモートランドの食を堪能してくれ!


キャトラ

フウ~~~~~!!

キンニクニクニク!!

マッスルスルスル!!


アイリス

お仕事だけど……

楽しくなりそうだね、主人公。


しかし…………
主人公たちは、まだ知るよしもなかった。
人々を明るい笑顔にさせる、
このジモートランドに
<事件>の影が忍び寄っている事を――!

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story2


ジモート

みんな、待たせたね!

まもなく、決勝審査がはじまるよ~!


観客

うおおおおおおっ!!


キャトラ

いやはや、すごい熱気ね……


アイリス

正直、ここまで盛り上がるなんて

思ってなかったわ。


ジモート

チャンピオンになった人には……

この優勝カップが与えられる!!


キャトラ

真ん中にルーンがハメ込まれてるわね。


アイリス

何のルーンなのかしら?


ジモート

……オッケーイ!!

どうやら準備が整ったようだ!!

……それでは!!


決勝まで勝ち進んだ

五人の選ばれしマッスルよ!

いざ入場――


――の前に、ミスターマンの

パフォーマンスだ!


キャトラ

なんでじゃ!!


ミスターマン

(……………………!)


ジモート

さあさあみんな、

五人の英雄を拍手で迎えてくれ~!


観客

うおおおおおっ!



クレバーな男は背中で語る!

背筋は任せろ!

グリス・トラピー!


美しさこそ全て!

胸筋に見惚れろ!

マイケル・ヘクト!


前回大会チャンピオン!

腕の筋肉ならコイツだ!

メイソン・バイセ!


前回大会準優勝!

唯一無二の腹筋!

ガイ・アブド!


誰よりもアツく燃える!

大腿筋を極めた男!

ジョージ・クアド!


ジモート

いざっ!!

決勝審査、スタートだ!!


アイリス

決勝は、自由にポーズを取るんだったよね。


五人のボディビルダーは
舞台上で等間隔に立ち、
各々ポーズを取り始めた。

ジョージ

オラー!!キンのニクをミロ!!


メイソン

俺の上腕二頭筋が一番仕上がってるだろ……!


クリス

私の肉体よ……はばたきなさい!


キャトラ

キレてるよー!!

オッケー、仕上がってる!!

グレートケツプリ!!


アイリス

キャトラ、私たち一応審査員だから……


クリス

僕のトラピズィアス

……誰よりもロジカルだ。


ガイ

熱い……!!これこそボディビルだ!!


ジモート

イイね、みんなイイ筋肉だ!

……一分経過! ここで――!



[暗転]



ジモート

サアサアサアサア!

時間は残り一分!

みんな、盛り上がってるか~い!?


観客

うおおおおおおっ!!


ジモート

ショーーーータイムッ!



キャトラ

……………………

……………………

………………え?


ガイ

な……に……が……

………………ぐはっ。


ジモート

…………


ミスターマン

…………


観客

きゃあああああああっ!!


キャトラ

な、な、な……!


アイリス

体が……ガリガリに……!


ジョージ

う、うそだろ……!!


クリス

ひ、ひい……!


観客

おい、どうなってんた!!


観客

いったい、何が……!?


ジモート

……………………ハッ!!

み、みんな! 落ち着いてくれ!


ミスターマン

(なんてこった……!)

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story


???

みなさん、落ち着いてえええ

えええええええっ!!


混乱のさなか、突如として舞台に
上がった一人の男が、スーツの
懐から手帳のようなものを取り出した。

???

私はこういうものです。


キャトラ

……遠くて全然見えないんだけど。


???

…………

私は、<デカ島>の刑事です。


アイリス

<デカ島>の刑事さん……?


ブンタ (刑事)

ええ。捜査一課四係、

ブンタ巡査部長であります。


ジモート

どうして刑事さんがここに……

いや! それより、一体なにが――


ブンタ (刑事)

それを調べるのか私の仕事です。

――みなさん、その場から

一歩も動かないように。


メイソン

あ、ああ……


ジョージ

…………


ブンタはガリガリになった
ボディビルダーの脈を測った。

ブンタ (刑事)

…………


残念ながら……

亡くなっています。


アイリス

そんな……


観客

ざわざわ……

ざわざわ……


ブンタ (刑事)

……ジモートさん、とおっしゃいましたか?

ここの責任者は、あなたですね?


ジモート

え?


ブンタ (刑事)

これよりただちに園内を

封鎖していただきたい。


ジモート

封鎖だって!?


ミスターマン

……………………


ブンタ (刑事)

詳細はまだわかりませんが……

……事件の可能性もあります。


キャトラ

事件……!


ジモート

オーケイ……

警備員に連絡するヨ……


ジョージ

お、おい……!

大会はどうなる!?


ブンタ (刑事)

もちろん、中止でしょうな。


クリス

だろうね……


メイソン

……チッ……


マイケル

私のふつくしい胸筋が、

嘆いております……


ブンタ (刑事)

ボディビルダーのみなさん、

まずあなた方にお話を伺いたい。


……会場のみなさんにも後で

聴取させていただきます。

しばらく待機していてください。



アイリス

大変なことになっちゃったね……


キャトラ

……にしてもあのガイって人、

どうしてガリガリになっちゃったのかな?

アイリス、なんかあやしいものとか見た?


アイリス

ううん、なにも……

舞台は暗くて何も見えなかったし……


主人公はどう?


主人公

…………。


ジモート

ソーリー……まさか、

こんなことになるなんてネ……


アイリス

ジモートさん……


ジモート

ボクとブラザーは園内のお客さんや

スタッフに事情を説明してくるよ。

……ここを任せてもいいかい?


キャトラ

オッケー。

刑事さんもいるし、大丈夫よ。


ジモート

センキュー……

じゃあ、また後でネ……


ミスターマン

……………………


キャトラ&アイリス

…………

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story


ジモートランドが封鎖されてから
数時間が経過した。

観客

……はい、そうです。

会場が明るくなった時には、

ガリガリになっていました。


ブンタ (刑事)

何か怪しいものや人などは見ませんでしたか?


観客

いえ、なにも……


ブンタ (刑事)

そうですか。

……ありがとうございました。


キャトラ

ようやく、最後のひとが終わったあ~……


ブンタ (刑事)

みなさん、ご協力ありがとうございました。

会場内全ての方への聴取が終了しました。


???

…………ええ、ハイ。


キャトラ

……ねえ、刑事さん。


ブンタ (刑事)

何でしょうか。


キャトラ

その人、だれ?

いつのまにかいたけど……


ブンタ (刑事)

この方は私の上司のクムチ警部補です。

別行動を取っていたので、呼び戻したんです。

……ですよね、クムチさん。



クムチ (刑事)

……………………ええ、ハイ。


アイリス

…………


クムチ (刑事)

………………

………………

……ええ、ハイ。


アイリス

(寡黙な刑事さんね……)


ブンタ (刑事)

さて、我々の見解を申し上げます。

突如ガリガリになってしまった

ボディビルダーのガイさんですが……


観客

ごくり……


ブンタ (刑事)

みなさんの証言や状況から

考えるに、これは――


バンッ!!


勢いよく開かれた、会場の扉。
そこに立っていたのは――


???

依頼を受け、<コーネル探偵社>

より参りました!

事件、どこですか!?


???

俺の筋肉が必要らしいな。

……現場はどこだ?


???&???

…………


???

……なんですか、あなたは。


???

お前こそなんだ。

筋肉台詞の邪魔をするとは。


???

邪魔をしたのはあなたでしょう!?

私の方が先に□を開いてたんですから!


???

扉を開けたのは俺が先だがな。


???

いーえ、同時でしたっ!!


???

いや、違うな。扉を押す

上腕三頭筋のムーヴメント……

俺の方が0.5秒早かった。


???

なっ……!!


キャトラ

ちょっとお!!

なんなのよアンタ達!!


???

……コホン。

失礼しました。


リリー

私、探偵のリリー・コーネルです。


???

コーネル……?……お前まさか、

あのビリー・コーネルの……!?


リリー

はい!! 娘です!!

ドヤァ……


ブンタ (刑事)

ビリー・コーネル……!

あの有名な……!


???

……ふん、なるほど……

依頼した探偵は俺だけじゃなかったわけか。


アイリス

探偵……?依頼……?


???

ジモートさんから連絡が来たのさ。

『奇妙な事件が起きたから

助けて欲しい』ってな。


クロード

自己紹介だ。

俺はクロード・アサノ。

<アサノ・マッスル研究所>の

所長であり――


『全ての謎を筋肉で解く』、

通称<筋肉探偵>だ。


アイリス

筋肉探偵……


ブンタ (刑事)

……!思い出しました。

筋肉に精通した、

変わった探偵がいると……!


リリー

むむ、世の中には

そんな人もいるんですね……

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story


ブンタ (刑事)

しかし……せっかくですが、

お二方の力は借りずともよさそうです。


クロード

どういうことだ?


ブンタ (刑事)

先ほど言いそびれたのは

それなのです、みなさん。


……捜査の結果、今回のケースに

事件性はないと認められました。


クムチ (刑事)

…………ええ、ハイ。


キャトラ

じゃあ、ガリガリになったガイって人は……


ブンタ (刑事)

ええ。病気、もしくは

<事故>で亡くなられたと――


!? クロードさん!?


巨大な図体とは裏腹に、
しなやかな動きで舞台に上がった
クロードが、ガイの体を検分する。

クロード

…………


ブンタ (刑事)

あのー、クロードさ――


クロード

……!!

なんだこの筋繊維は……!!

マッスルの息吹が……!!

なんという事だ!!


リリー

うーん……

確かに死んでいますね……


クロード

こんなものは見たことがない……

俺のマッスルメモリーに……

こんな筋繊維は存在しない……!


リリーはガイの体を虫メガネで
熱心に観察している。

リリー

……私、わかりました!!


主人公&キャトラ&アイリス

!!


リリー

被害者が<死んでいる>ということは――

それまでは<生きていた>ということなんですよ!!


ブンタ (刑事)

…………


クムチ (刑事)

…………


キャトラ

…………


リリー

つまり!!

これは<事件>なのです!!


キャトラ

……この子、とんでもないわね……


ブンタ (刑事)

……ええと、リリーさん? 何が

『つまり』なのかは知りませんが、

これは明らかに<事故>ですよ。

……ですよね、クムチさん。


クムチ (刑事)

……ええ、ハイ。


リリー

どうして事故だといい切れるんですか?


ブンタ (刑事)

……ちょっと、整理してみましょうか。


ボディビル大会の決勝審査。

勝ち残った五人は、舞台上で

ポージンクをしていました。


観客側から見て、左から

ジョージさん、ガイさん、

メイソンさん、マイケルさん、

クリスさんの順ですね。


一分が経過した時点で、

演出として会場の明かりが消え、

真っ暗な状態になります。


リリー

……はい。


ブンタ (刑事)

そして再び明かりがついた時――

ガイさんは、ガリガリになっていた。

……ですよね、クムチさん。


クムチ (刑事)

……ええ、ハイ。


リリー

えっと、だから……

暗転中に誰かが忍び寄って、

犯行に及んだんですよ!


ブンタ (刑事)

どのようにしてガイさんを

ガリガリにしたかはともかく……

そこ、なんですよ。


私達は現場を念入りに調べました。

会場にいた人間全員にも話を

聞きました。その結果――


犯行や犯人の手がかりは

何一つ見つかりませんでした。

暗転中に誰かが舞台上に上がった形跡もなし。


審査中は、会場は完全に人の

出入りは禁止されています。

よって、外部からの侵入も不可。


勿論、誰かが嘘の証言をしている

可能性もありますがね。

ですが現実的に言ってこれは――


クロード

現実的とは何だ?

……刑事さん。


どのような事故が起きれば、

被害者はガリガリになるんだ?

一瞬でガリガリになる病気とは?


ブンタ (刑事)

それは、まだ……


クロード

今回のケース。

これは間違いなく<事件>だ。


ブンタ (刑事)

……その証拠は?


クロード

<筋肉>だ。被害者にわずかに

残った筋肉が……そう語っている。

伝えている。


叫んでいる。

――『何かがおかしい』、とな。


まだ謎だらけだが……

それだけはわかる。

……刑事さん。人間と違って、

筋肉は嘘をつかないんだよ。


リリー

そうなんですね……!

筋肉とお話できるなんて……

さすが<筋肉探偵>!


クロード

とりあえず、楽屋を見せてもらおうか。

何か残っているとしたらそこだろう。


ブンタ (刑事)

一応、スミからスミまで

調べてはいるのですが……


リリー

なるほど、楽屋に手がかりが……!

私が一番乗りです!


クロード

……まったく、子供だな……


俺が先に入る!!!



主人公&キャトラ&アイリス

…………

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story


主人公たち。
リリーとクロード、刑事の二人、
そしてボディビルダーの四人が
楽屋に集まっていた。

マイケル

なぜ私たちまで呼んだのです?


メイソン

これは事故じゃねえのか?

……これじゃまるで、俺達が

容疑者みてえじゃねえか。


ジョージ

そうだな!!!

どういうことだ、探偵さん!?


クロード

君達の手荷物を改めさせてもらいたい。


クリス

……これは、100パーセント、

僕たちを疑ってかかっているね。


クロード

事故と断定するには早すぎる。

俺の筋肉がそう訴えているだけだ。


クロードは全身に力を入れた。
パツパツのシャツが、ミチミチと
悲鳴を上げる――!

リリー

うひゃー! クロードさん、

よく見るとマッチョ!


クロード

よく見なくてもマッチョだ。

……なあ、俺も君達と同じマッスルマニアだ。

ここは一つ、協力してくれないか。


マイケル

ふ、ふつくしいイイ……!

何というベクトレィ~レス!!


メイソン

……やるじゃねえか。わかった。

その筋肉に免じて協力してやるよ。


クロード

オーケー。

じゃあ、さっさと……

……何をやっている、リリー。


リリー

見てください、このお茶。

……未開封です。


キャトラ

もしかして……なにか手がかりが!?


リリー

つまり……まだ誰も口をつけていません!


クロード

だから何だ。


リリー

私がいただいてもいいですか?


クロード

――よし、君達のバッグ、拝見する。


クロードは手早く四人の
手荷物を調べ始めた。

クロード

……ほう、<マクマラ>製の

ダンベルか。趣味がいいな。


クリス

さすがは<筋肉探偵>。

わかってくれるんだね。


クロード

……ふむ。<メンズナイツ>か。

筋肉特集号だけは俺も買っている。


ジョージ

それ以外も面白いぞ!

白銀の……なんだっけ!!!


クロード

ふむ…………


 ***


ブンタ (刑事)

……クロードさん、どうですか?

怪しいもの、ありました?


クロード

いや……何も。


メイソン

なあ、探偵さんよ。もういいだろ?


ジョージ

やっぱりよお!!

事故だろ!! これは!!


マイケル

アアもう暑苦しいですねあなた!

でも同感ですよ。もう解放して

くださいよ。私のビューティフル

マッスルをぉ……


クリス

これ以上ここにいても

時間の無駄だと思うよ。僕は。


リリー

むむむ……

なにも怪しいものがない……

これは、つまり――


この四人のマッチョさんは

怪しくないってことですね!


キャトラ

はっきりいっちゃった。


クロード

…………


……わかった。行っていい。

何も出てこない以上、君達を

ここに置いておく理由もないしな。


マイケル

やれやれですねえ……


ボディビルダー達が、
ため息まじりに楽屋を出ていく。

クリス

…………あれ?


クロード

? どうした?


クリス

…………

いや、なんでも。では……


ブンタ (刑事)

……やっぱりこれは事故

なんですよ、クロードさん。

……ね、クムチさん。


クムチ (刑事)

…………ええ、ハイ。


キャトラ

どうする? クロード。


クロード

…………


リリー

むむむ……

……クロードさんは、

納得していないようですね?


クロード

……近い。

虫メガネが近いぞ、リリー。

お前の目には何が見えているんだ?


クロード

細胞か?

俺の細胞なのか?

マッスル細胞なのか?


リリー

お肌がきれいですー。

しっかりお手入れしているんですね。

見習わなきゃ。


クロード

……俺の体に隅々まで張り巡ら

された筋繊維は、未だピクピクと

波打っている。


アイリス

えっと、つまり……

やっぱり<事件>だと?


クロード

今はまだ勘でしかないか……

今回のケース、人為的な何かが

加わって起こったとしか思えん。


リリー

でも……この楽屋には、

怪しいものはなにも……


キャトラ

ちなみに、四人のバッグには

なにが入ってたの?


クロード

着替えやタオルなどの衣類や

財布などの貴重品の他は、

ジョージのバッグには雑誌、

メイソンのバッグには新聞――


クリスとマイケルのバッグには

ダンベルが入っていた。

いずれも、特に気がかりな点はない。


リリー

ちなみに、被害者のガイさんのバッグには、

こんなものが入っていましたよ?


クロード

それは<腹筋ローラー>だ。

……というか、素手で触るな。


リリー

へ? なんでですか?


クロード

指紋が付くからだ!


リリー

えへへ……


クロード

照れる所ではない!

……お前、本当にビリーさんの娘か?


リリー

ドヤァ……


クロード

褒めてない!褒めてないぞ!


ブンタ (刑事)

そのガイさんの所持品も、

特におかしい点はありませんでしたね……


クムチ (刑事)

……ええ、ハイ。


ブンタ (刑事)

クロードさん、やはり……

彼らはシロですよ。

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story


クロード

ふむ。もっと調査が必要だな。


『この手にあるのは、確かな道を

歩んできたマッスルだけだ』


キャトラ

……なによ、いきなり。


クロード

バイセプス。

ラティスィムス。

ペクトレイリス。

俺に力を貸せ。


リリー

え、なんですか?

なにかの呪文ですか?こわいです!


クロード

つまりだ。更なる捜査が必要なのだ。

あまりにも――手がかりがなさすぎる。


園内をくまなく捜査する。

……刑事さん、そういう事でいいな?


ブンタ (刑事)

仕方がありませんな。

スペシャリストのあなたに、

お任せすることにしますよ。

ですよね、クムチさん。


クムチ (刑事)

…………ええ、ハイ。


キャトラ

そういえば……けーじさんは、

どうしてジモートランドにいたの?


クムチ (刑事)

…………


ブンタ (刑事)

……これは極秘情報なのですが……


私たちが追っている、

ある指名手配犯がいましてな。

長く足取りを追っていたのですが、

ついこの間、遊園地に行っていた

ような痕跡を発見したのです。


何か手がかりはないかと、

手始めにここへやってきた

のですが……結局、何も

見つからずじまいで。


ちょうど、ボディビル大会が開催

されていましたから、どうせなら

見てみるか、と。そこで、コトが

起きてしまったわけですな。


ちなみにクムチさんは、

メリーゴーランドで遊んでました。

ね、クムチさん。


クムチ (刑事)

……………………

……………………

……ええ、ハイ。


ブンタ (刑事)

さて、話を元に戻しましょう。

会場のみなさんですが、とりあえず

解放して差し上げましょう。

理由もないのに閉じ込めて

おく必要はありませんし……


クロード

そうだな。園内は封鎖したままで、

自由に行動させてやるとするか。

……犯人を泳がしてやれば、

何かボロを出すかもしれんしな。


リリー

え……

ジモートランドにプールって

ありましたっけ?


クロード

そっちの泳ぐじゃない。


リリー

水着、持ってくればよかった……


クロード

泳ぐのお前ー!?


ジモート

みんな!


アイリス

あ、ジモートさん!

おかえりなさい。


ジモート

話は聞かせてもらったYO!

ボクたちにも、協力させてくれ!


園内のスタッフに、誰かが

不審な行動をしていないか

見てもらうようにするYO!


優秀な警備員もいるし、

何か起きたらすぐにわかると思う!


クロード

それは助かる。


ジモート

それから、ボクたちは

捜査本部を設置するよ!

捜査情報は共有できた方がいいだろ?


クロード

……ありがたい。何しろ

デカ島からジモ島までは遠く離れていまして。

応援が来るまでに時間がかかるのです。


クムチ (刑事)

…………ええ、ハイ。


キャトラ

あ、じゃあアタシも

本部詰めってことで。


え? 捜査に参加しないの?


いやね……?

アタシがいないと、すぐに情報が

とっちらかっちゃう気がして……


ジモート

何かわかったことがあったら

すぐに教えてくれ!

……そして……


こんなひどいことをした

犯人を、絶対に捕まえてくれ……!

頼む……!


ミスターマン

…………


リリー

……はい!! 絶対に……!!


ブンタ (刑事)

探偵さんと捜査することに

なるとは……ねえ、クムチさん。


クムチ (刑事)

……………………ええ、ハイ。


クロード

決まりだな。

捜査に赴くのは刑事さん二人と

俺、リリー、そして――


……そういえば、まだ

名前を聞いていなかったな。


キャトラ

キャトラよ。

リリー、ちょっと不安だけども……

頼りにしてるからね!


リリー

ありがとうございます!

………………わあ!

猫さんがしゃべってる!


キャトラ

気づくの遅いわぁ!


アイリス

私はアイリスです。

こっちは主人公。


リリー

みなさん……

よろしくお願いします!!


クロード

よし。捜査開始――


警備員

失礼しまーす。


ブンタ (刑事)

ん? どうしました。


警備員

あのう、一応報告しようと思いまして……

――ついさっき、怪しい人を見たんです。


クロード

どんな奴だ!どこへ行った!


警備員

ものすごい禍々しいオーラを

まとっていました……

いやあ、怖かったなあ……


リリー

なるほど!

きっとその人が犯人です!


クロード

判断が早い!


アイリス

早速、行ってみましょう!


キャトラ

じゃあみんな、しっかりね!

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序章 探偵、始動

ノーマル1

ノーマル2 ミゼリコルデ&メリド

ノーマル3 ツキミ&ポン

ノーマル4 ネモ&ライフォード

ノーマル5 ザック&フラン

ノーマル6 

ノーマル7 解答


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