新生の双翼 Story

 
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story1 幽閉された白い羽



魔界の王のひとり、アルドベリクは魔界の最にある永劫牢に向かっていた。

「イザークの奴め……。」
彼が愚々しげにその名を口にするのも無理はなかった。
彼が今こんなところにいる理由も、これからやらなければいけない厄介事にも、その名が関わっているのだ。
「つまらん仕事を押しつけおって……。」
それもあったが、なによりもイザークが最後に言った一言が彼の癪にさわった。

お人好しの貴公には適任だ、そうイザークは言ったのだ。
堕天した魔族風情が生粋の魔族たる自分に、お人好しとは、怒りを通り越して笑えてくる。

「だが、会議で決まったことには従わねばならん。」
どんなに意に沿わぬことがあろうと、魔界の最高意思決定の場たる王候会議にて決まったことを、ないがしろにするわけにはいかない。
それがアルドベリクの考え方である。

もしイザークがその場にいたら、こう付け加えていただろう。
真面目な奴だ、と。

 ***

冷たい瘴気がたちこめた通廊を進んでいくと、ひとつの牢に行きついた。
幾重にも封印の魔法が重ねられた獄の奥には、それとは不釣り合いなか細い影があった。

「おい。顔を見せろ。」



「あ、こんにちは。」
脱出不可能の魔界の永劫牢に閉じ込められた者の発言にしてはあまりにも陽気で、能天気な発言だ。

「……なんだそれは?」
彼がそう言ってしまうのは当然だ。
「挨拶ですけど……?よくなかったですか?」
「永い間、魔界に囚われている天使と聞いたが、そうは見えないな。」
「囚われの身らしく、しくしくと泣いていた方が良かったですか?そういうの、堅苦しくないですか?
私、自分のやりたいことは自分で決めますよ。泣きたくなったら泣くし、笑いたかったら笑います。」

闊達に喋り続ける彼女に対してアルドベリクは沈黙で返した。
ようやく彼女がひとしきりのことを言い終えたのを見計らい、

「名は?」
と、簡潔に問うた。

「ルシエラ・フオルですよ。」

「出ろ……。貴様に手伝ってもらうことがある。」
そう言って、漆黒の光に輝く右手を永劫牢にかざした。
重々しく錠が外れる音が通廊に響いた。

少女は一歩としてその場から動こうとはしなかった。

「あなたのお名前聞いていませんけど?」
少女はやわらかく笑った。
「知らない人にはついて行かない方が良さそうですから。」

「アルドベリクだ。」
それを聞いて納得したように彼女は牢の敷居をまたいだ。

「はい。よろしくお願いします。」



story2 お人好しと無垢


「ところでアルさん?私がお手伝いすることってなんでしょうか?」
永劫牢を出た所で少女は問いかける。
アルドベリクは立ち止まり、ゆっくりと振り返った。

「……アルドベリクだ。」
「私がお手伝いすることをちゃんとお聞きしてなかったんですが……?」
それ以外の問題など何もないというような目で、彼女はこちらを見返す。
「…………。」
言うべきことを先に言われてしまった気がして、アルドベリクは話を進めた。
その話は今回の王候会議で決まった彼が担う役割についてである。
それは――。

ある世界の人間があらゆる技術を結集して、ひとつの超越した存在を作り上げた。
それは巨大な兵器であった。名を「エルデステリオ」という。
人々は不遜にもそれを「神」と呼び、魔族に戦いを挑んてきたのだ。


「そして、俺にそのまがい物の神を打ち倒す役目が回ってきた。
なぜかイザークがお前を使うことを進めてきた。お前、なぜ魔界で囚われていた。」

「ああ、それですか。単に魔界に来たときに捕まっただけですよ。
せっかく私を頼ってくれたんですからなんでも手伝いますよ。
なんといっても、私を解放してくれましたからね。」

開放感を表現したいのか、彼女はひらりと白い羽を広げて宙を回った。

「早速ですが、ひとつ提案です。
相手がそんな巨大な兵器で向かってくるなら、こちらも同じもので抵抗するのはどうでしょう。」
「というと?」
「魔界の巨人タウルケンドに相手させるんです。」
「ふむ。」
と言って彼は腕組みをした。

たしかにその方法なら相手に対抗できるかもしれない。
同時にそんなことをすれば、人の世界にどんな被害をもたらすかわからない。
それを考えると最善の策には思えない。

「いや……!」
頭をあげてみると、すでに少女の姿はなかった。
「まったく……。」

 ***

慌てて少女の後を追った彼が再び彼女と出会った時、
巨人タウルケンドの姿はすでになかった。

「あ、アルさん!タウルケンドなら快く了承してくれましたよ。」
「……アルドベリクだ。余計なことをしてくれたな。」
「でも、おっきい人にはおっきい人をあてがった方がいいですよ。」
「そういう問題ではない。無駄に被害を増やすな。」
「ああ、なるほど。アルさんはお人好しですね。」
天使のくせに妙な言い様だ、と彼は思った。

「……アルドベリクだ。追うぞ。」
「はーい。わかりました!」


story3 そして、異界へ


人の世界に降りた黒と白の羽は、
荒れ果てた大地の様子を見て、意外な事の顛末を知った。

「どうやら人は自らが造りだしたものを制御することが出来なかったようだな。」
人よりも永い時を生きる彼にとってそれは何度も見た事の成り行きであった。

人はまたもや同じ轍を踏むのか。
そう思うと他人事とは言え、虚しさが彼の心を通り抜けた。

「よくあることですね。」
「随分、辛辣な言い様だな。」
「でも本当の事ですよ?」

無邪気なのか?
だとすれば無邪気ほど残酷なものもないな、と彼は思った。

「まだ俺たちの相手がどうなったかを確かめる必要がある。行くぞ。」
「はーい!」


***


その世界の果て近くまで行くと、ふたりは強力な魔力の力場を発見する。
空間を歪め、ひしゃげさせ、大きな穴となったそれを見て、アルドベリクはぽつりと言った。

「歪みか。」
「タウルケンドさんとその、エルなんとかさんが戦ったことで出来ちゃったんでしょうか。」
「おそらくな。ふたつの魔力の痕跡もある。ふたつとも歪みに呑まれてしまったのだろう。」
「では万事解決ですねっ!」

彼女が跳ね上がってそういうのを見て、もはや無邪気とは言えんな、とアルドベリクは思った。

「そういうワケにはいかん。俺の仕事は奴を葬ることだ。追いかける。」
「でた!またアルさんのお人好し!追いかけるのはいいですけど、歪みが閉じちゃったら戻って来れないですよ。」
「お前が歪みを維持しておけ。それくらい出来るだろう。」

背中を預けるには不安はあるが……。
少女は演技がかった仕草で腕組みをして呻った。

「うーん……。わかりました!では私が行きましょう!」
「……なぜだ?」
「なぜって……。私を解放してくれたアルさんにそんな危ない真似はさせられません!
それに、私の見た目の方が皆さん信用してくれますからね。これを利用しない手はありませんよ。
向こうの世界の人に協力してもらい対処します。」
「身も蓋もないことを……。だがその通りだ。」


方針は決まった。
アルドベリクは魔力を放出し、歪みを押し広げた。

「俺がこうしている間は歪みが閉じることはない。行け。」
「はーい!では行ってまいりまーす。」

ふとアルドベリクは胸にわだかまる小さな疑間を口に出した。

「そういえばお前、なぜ魔界に来た?
自分で魔界に来たのか。それとも魔界に来ざるを得なかったのか?
例えば天界を追われたとか……。どうもそんな気がするな。」

歪みの中に向かおうとする少女の横顔を見ると、少しだけ口角が上がったように見えた。
そして彼女は振り返り、言った。

「内緒です。」
「……答えは帰って来てから聞くとしよう。」


歪みの中に消えた白い羽は、やがてとある世界へとたどり着く。
世界の名はクエス=アリアスといった。





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