帝国戦旗Ⅱ 序章・帝国編 Story

 
最終更新日時:
ストーリーまとめ

2017/00/00


目次

Story1 墓標
Story2 紅茶を滝れて
Story3 なでてやるよ
Story4 埋もれていた役者
Story5 狼を繋ぐ鎖
最終話

主な登場人物




story1


――帝国国立墓地
そこは、静かな場所だった。
地平線の彼方まで埋め尽くす、あまたの墓標――

ジュダアイシャ

「死んでも整列するとは、軍人とは律儀なものだ。」
「並ばせているのは、残されたものたちだ。」
「帝国がある限り、墓標は増え続ける。」
「戦わなかったものたちは、滅び去った。」
「帝国の歴史は戦いの歴史か。」
「持たざる者は、戦うしかない。俺に骨を投げた男も――何一つ持っていなかった。」
「そんな男が帝国を作った。誰も見たことのない国を。
我々の知るこの世界は、島ごとにあるルーンにより、環境が大きく異なる。
環境が異なれば文化も異なる。そんな島同士がまとまるのは、並大抵のことではない。」
「あいつは、あらゆる種族のための国を作るといった。――まだ道半ばではあるが。」
「いいスローガンだよ。現実のために妥協と検討を重ねるということだからな。」
「それを語るあいつからは、いかなる悪よりも度し難い狂気を感じたがな……」
「だからこそ君は陛下のために棺を運んでいる。」
「俺はあいつに出会うまで、己が我儘であることすら知らなかった。」
「いつも我儘し放題なら、そうなるだろうさ。」
「お陰で俺は、我儘だけでは……得られない……ものを得た……」
「それはきっと美しいものだ。言葉にするのが惜しいほどに。」
<ジュダは、己の顔を抑える……>
「はぁあああ……」
「我値を解放したいか? 衝動のままに振舞いたいか?」
<アイシャは、ジュダに顔を近づける――>
「必死でこらえているのは……陛下の棺で在りたいからか? 健気だな。」
「グゥルルルゥ……!!」
<アイシャは、ガラス瓶を取り出した。>
「ジェリービーンズ占いだ。さあ、何か出るか……?」



story2



帝国首都――<狩猟戦旗>拠点。
帝国の皇帝さえも全貌を知らない、異端の特務機関は、帝国首都の地下に巣くっていた。


「……どきどき…………緊張するなぁ……」


「まだなのかしら?」
「は、はい~! お紅茶です、どうぞ~。」
「ありがとう、いただくわ。」
「ゴクリ……いかがですか、ヴェロニカさん。」

 ニナ ヴェロニカ

「人生って、紅茶に似てるわね……」
「深いですね……」
「適当に言ったんだけど。」
「私で遊ぶの、楽しいですか?」
「アフタヌーンティーには、デザートがつきものでしょ?」
「もう夕方……っていうか夜ですー!」
「地下だと時間の感覚がなくなるわね……
年中地下に籠ってるって、どうなのかしら。」
「私たち<狩猟戦旗>は、特務機関ですよ? その存在は極秘なんです。
だからこそ人目を忍んで、宮殿の地下に本拠地を構えてるんじゃないですか!」
「元老院直属の秘密情報機関。つまり帝国を牛耳る大貴族お抱えのスパイ集団。
常軌を逸した連中なのは確かね。」
「……みなさん、すごい人たちばっかりですよね……私なんかがいてもいいんでしょうか。」
「あなたがいないと困るわ。」
「本当ですか!?」
「あなたで遊ぶの、楽しいもの。」
「光栄です。……あっ、そういえば……ジュダさんには例の件を……?」
「伝えてあるわ。しばらく任務からは、外れてもらう。」
「お体の具合が、悪いんでしょうか。」
「この世界を成り立たせていると言われている均衡の原理。それに相反する、<世界の我値>。
そんなものを混ぜられて、今まで持ちこたえたのが不思議なくらいよ。」
「とてつもないことになってるっていうのは……なんとなくわかります……」
「彼はもともと、死者を送る狼。死を司る存在――
絶対的な摂理である死を本質とする存在だからこそ、我儘に耐えられた。
でも、そのバランスが崩れようとしている――」
「ヴェロニカさんって、何でも知ってるみたいです……」
「私が知っているのは、過ぎ去った夢だけ――
未来を作るのはあなた達。私たちは都合のいい夢を見せるだけだから……」
「……なんのお話なんでしょうか??」
「雰囲気のあるそれらしいお話。」



story3


<ビンから出てきたのは――緑色のジェリービーンズ。>


「――ジェリービーンズか……」
「なるほど、緑茶味か……静寂と平穏。だが――気づきの暗示でもある。
物事を多角的に見ることをお勧めするよ。」
「あまりしゃべるな……今俺は、お前を噛み砕くことしか考えられなくなっている。」
「そんな状態なのに君は、現場にこだわっている。矛盾だよそれは。」
「俺は帝国の棺だ――」
「いいや、君は<世界の我儘>の因子に蝕まれ、暴走寸前の危険な存在だよ。」
「俺が、あんなおいぼれに……いいようにされると!?」
「違うねジュダ。君が向き合うべきは、この世界の根源的存在ではなく、君自身だ――」
「俺が誰かなど、どうでもいい。」
「しばらく休みたまえ。」
「皇帝の名において、棺を送らねばならない。帝国の敵に――」
「……だからだよ。今の君は、下手をしたら帝国の脅威に利用されかねない。
たとえば知的好奇心を満たすためならば手段を問わない危険な集団とかにね。」
「レヴナント……奴らには、世話になった――」
「あやうく帝都の人口三割を魔物にされるところだったしね。
それも、わざわざ歴史上の悪役を蘇らせて計画を実行させるとは、正気を疑うよ。」
「奴らの目的は、何だ?」
帝国に対する負荷実験。レヴナントにとっても我らの国は、貴重なサンプルだ。」
「――そうか――ふざけているのか。」
「正気じゃないんだよ。世間的に言えば、私も似たり寄ったりだ。」
「――今すぐ消えろ。俺は務めを果たす。」
「やれやれ――だが、君の我値につき合うのも、私の務めと受け止めよう。
「ガァルルルゥ!!」
「なでてやるよ。……いい子いい子。」



story4




<男は、影の中に生きてきた。己の我儘を飼いならしながら、虎視耽々と…… 
男は己を埋葬者と定義していた。それにならい、彼のことはそのように呼ぶことにしよう。
男は長らく、舞台に関わる仕事に携わっていた。裏方として道具をしつらえ、役者を手配。
時には脚本も書いた。舞台のためになるのであれば、どんなことでもやった。
全ては、伝統ある舞台をより可憐に彩るため。

たしかに、華やかな舞台の裏側には、男のような存在が欠かせない。
しかし、劇場の支配人と、スポンサーたちは、彼を疎んだ。
男の仕事が――あまりにも容赦がなく、厳格であったからである。>

埋葬者ツァラ

「……やぁ、君。息災かね……?」
「ツァラ様……お目にかかりたいと思っておりました。」
<その一室には、双頭の竜旗が掲げられている――>
「ところで君にはまず苦言を呈しておきたいなあ。
双頭の竜は私のシンボルだよ。勝手に使わないで欲しいもんだねぇ。」
「……これは失礼をしました。とはいえ……我らにはツァラ様の紋章こそふさわしい。」
「反皇帝派。君たちは……そう呼ばれていたね。」
「俗人の呼び名です。我々は帝国を生まれ変わらせる。」
「やれやれ、この俺に大義を語るか。大義はいつも退屈で空虚だ。
大義を語る者に、双頭の竜はふさわしくない。」
「虚しいからこそ……愛を注ぐことができるのです。」
「ほう……」

「私が欲し求めるのは愛……!」
<埋葬者は喜悦を覚える。
思えば男は――己が役者として舞台に立つことを渇望していたのかもしれない。>

「ブラボー……こればどの役者がうずもれていたとはね。
……いいだろう。君のその我儘に手を貸そう。」
<ツァラは、緑色に輝くルーンを、埋葬者の手に握らせた。>
「これは……」
「レヴナントの連中が秘蔵していたルーンだ。<我欲のルーン>という。」
「我欲……!!」
「己のために生きるものに、ふさわしいだろう?」
「美しい……」
「華々しく彩られた舞台。血沸き肉躍る脚本。役者たちの名演技――
そういうものは、何のためにあると思う――?」
「――何のためでしょうな。」
「幕を下ろすためさ――」


story5 狼を繋ぐ鎖



「お前を食い殺すまで、俺は止まらない。」
「ところでジュダ。君は陛下自身が帝国の敵となったら、どうするんだ?」
「無意味な仮定だな。」
「だろうね。君は陛下のためなら、帝国だって敵に回す。
だが――陛下が帝国のために命をなげうつとしたら?」
「――あいつが――」
「――君はそれに殉じるか?」
「ガルルゥ……!」
「すまなかったよジュダ。答えがない問いに、答える必要はないね。
これは私から君への、敬意だ。」
「グァアアルルゥウ!!」
「――概念使いとは、ルーンの持つ概念を移植された人間――
多くはその概念と融合し……おぞましい末路を迎える。」
「何を、した……!」
「私の使う<拒絶>の概念は、中でもいわくつきの代物でね。
紋章魔法で人工的に合成した概念ゆえに危険性が高い。
被験者の多くは自己を拒絶してこの世のものとは思えない凄惨な死を遂げたという。」
「何をしたといっている!」
「君の我儀を拒絶した。君はもはや己の力を振るうことはできない。
とはいえ身体能力についてはそればどの変化はないはずだ。」
「……影が、俺を……拒絶している……?」
「鼻も利かなくなってるか? すまないね……君がどうしても現場に立つというなら――
こうせざるを得ない――」
「……俺の衝動を抑え込んだのか。」
「今の君には鎖が必要だ。感謝の言葉は?」
「――何を企んでいる?」
「これから面白くなる。一緒に楽しもうじゃないか。」
「嗅ぎつけたのか。」
「私にとっては素敵な事態さ。恐れるべきは退屈だけだよ。
「――いいだろう。お前には俺の鼻になってもらう。」
「変わったプロポーズだな。」

「――どこから始める。」
「もう始まっている――」

 ***

<――狩猟戦旗拠点。そこは、帝国建国以前より存在する遺跡内にある。
一説によれば、そこは白の王国の時代にさかのぼる遺跡とも言われている。>


「夢と現は表裏一体……なんてことをいうけど……
くだらない戯言ね。現もまた夢……全ては夢でしかない。この帝国もただの夢。
――あなたたちに問うわ。我々は何かしら。」


「触れることかなわぬ幻。」
「水面に浮かぶ泡。」
「夜明けとともに消える影」
「我らは狩猟戦旗――」


「遅れてすまない諸君。十番目の旗、十三番と共にただいま参上した。」
「フン。」

「こうして私が<目覚めた>理由はわかっていて?」
「キリエ司令官が不在……だからですか?」
「それだけじゃないわ。問題が発生したの。」


<周囲のいたるところに、青い蝶が舞い飛ぶ……
蝶はその場に居合わせた不吉な存在達の前で、羽根を広げた――
羽根には、文字が浮かんでいる。>

Aドルフ・ベイカー陸軍大将、バルデミア公ロバート、ヒゴ教のモッコス大僧正……
Nモッコス……!
Jこれは――
V帝国の秘密情報部が手に入れた、反逆者リスト。
彼らは密かに連邦に通じていた。
A――本物だとしたら、帝国がひっくりかえるぞ。
Vよって、リストが本物かどうか、早急に調べる必要があるの。
J裏切り者には――棺を送らねばならない――
Vジュダ、あなたは駄目よ。
J誰が反逆者を狩る? <仕立て屋>か? それとも<料理長>か?
V今のあなたに務まるかしら。影にも潜れない。鼻も利かない。我儘は相変わらずだけど。
J首から上は動く。
V昔から、言い出したら聞かないんだから……
そうね……あなたにぴったりの任務。
N――昔から?
Aヴェロニカ、私が行こう。
Vそうね……あなたにぴったりの任務。
Aジュダと組む。
V彼の我儘につき合うの? あなた、そんな子だった?
A任務の成功率を上げるためだ。
Vあなたに彼の鎖が握れるかしら。
A私自身が鎖だとも。


「いいでしょう。指揮官代行として、二人に命じます。
連邦に潜入し、リストの真偽を明らかにしなさい。
――指揮は私がとるわ。キリエは出張中だしね。
A……了解。さあ、行こうかジュダ。
V――陛下のお側にいなくていいの?
J俺は棺だ。葬られるべきものを狩りにいく。






その他

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序章 帝国編/連邦 本編 帝国編 連邦編? 決戦編? アフター?


相関図


帝国
(獣人の皇帝が君臨し、元老院が統治を補佐する大国。
白の王国の後継者として名乗り上げていることもあり、もう1つの一大勢力である連邦とは敵味方では単純にくくれない、複雑で不穏な関係を保っていた。)

皇帝
元老院
帝国の真の支配者とされる組織。
ジュダによると帝国を牛耳っていると錯覚している老いさらばえた害虫らしいが、詳細は不明。
ジュダ・バル・アーウェルサ CV:子安武人
1人で構成された特殊な帝国軍十三軍団「葬送」に所属。
親友である皇帝への忠義は非常に強く、帝国の敵には一切の容赦をしないことから「帝国の棺」と呼ばれ、恐れられている。
アイシャ・アージェント CV:井上麻里奈
特務機関<狩猟戦旗>に席を置く女性。ジェリービーンズを手放さない。
軍隊

帝国領


ローンスター島

タンポポ島

東部ワイルドキャッツ


サンクトフィート島 (セイクリッド公爵領)
帝国産高級紅茶葉はセイクリッド家御用達の品。


連邦
(白の王国の直系と称する聖王家を中心とし、ガランド王国をはじめ、嵐の国、鋼の国、森の国、海の国など、多数の自治国家が集まった勢力。)

冬の国 (ガランド王国)
インヘルミナ・B・ガランド CV:
連邦の中でも有数の力を持っているため、国外だけではなく連邦内部の各国からも狙われている。
輝きの島
アレクサンダー
かなり歴史が古い王国であり、連邦加盟国としてそれなりに発言権がある。
嵐の国 (数十の島を有する大国)
ライフォード・エバンス
連邦加盟国<嵐の国>の騎士にして軍人。人間と冒険を愛してやまない。
剣の国
ディーン・バルト CV:逢坂良太
褒められることが人生の目標という騎士。称賛を求めて人助けを続ける。
盾の国
ヘクトル
?鎧の国 ヴァランガ
ディオニス・ヴァランガ CV:
若くして国を治める王。何者にも崩されない守りが国の平和を約束する。
インヘルミナとは顔見知りだが、他国に侵略し続ける彼女のことを敵視している
鋼の国
ビゴー
貴石の島・センテリュオ
?
ルーンナイト (特殊なルーンを体に埋め込み、その力を武器や防具として具現化して戦う。)
聖王家
サイファー・オブニアル CV:三上哲
聖王家の特務機関<V.O.X>の一員。危機的状況でもユーモアは欠かさない。
紅土の国・ルブラム
グレン
銀の諸島
エリーナ
王家を倒すため、スラム街の孤児たちが革命軍を結成。
王家は<連邦>に、革命軍は<帝国>に助けを求めようとしている。
スラグヤード

(いくつもの島を征服して栄えたが王家の贅沢と度重なる戦争で、国は借金まみれに)



ワスカ島
 (人口二万五千人。奴隷を使って『ワスカの葉』を製造している。他国との交流も限定的)

???

(アイリス「連邦にも帝国にも属さず、法王がいる国……なんて、一つくらいしかないものね?」)

オズマ
ジョニー

黒の飛行艇部隊
└傭兵 ダージリンプイレイヴン



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