ヴィルフリート(茶熊版)・思い出

 
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ストーリーまとめ

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落研の帝王
ヴィルフリート・オルクス CV:子安武人
魂を裁可する、落研の帝王。
伝統的な技術の中に、笑いの光を見出す。



思い出1


ヴィルフリート
…………

キャトラ
ヴィルフリートだ。

ヴィルフリート
貴様らか。

キャトラ
おいっすー。

ヴィルフリート
…………

アイリス
ちょっとキャトラ、
なれなれしすぎるよ……

キャトラ
いいじゃない。
いつまでもビビってる
ことはないもの。

ヴィルフリート
……好きにするがいい。

キャトラ
ヴィルフリート、おいっすー。

ヴィルフリート
!?
貴様、背後背後!

キャトラ
えぇ!? アタシのうしろに、
だれか――!?

……ちょっとぉ!
だれもいないじゃないの!

ヴィルフリート
……くくく。

アイリス
……そういえば、
ヴィルフリートさんの服も、
学生服なんですか?

ヴィルフリート
改造はした。
ただの学生服では、
我には釣り合わぬ。

アイリス
(ヴィルフリートさん、
お裁縫できるんだ……!
勧誘しようかな……)

キャトラ
そうね。アンタ、
そ~と~なトシだもんね。

ヴィルフリート
笑止。学びの資格は、
齢に左右されるものではない。

キャトラ
あ、まともなこと言ってる。

ヴィルフリート
修学に終わりはない。
死するまで、いや、
死してなお、な……

アイリス
……ヴィルフリートさんは、
執心のルーン>で
魂を裁いてるんですよね?

ヴィルフリート
そうだ。未練抱く魂が列をなし、
我に陳情をする。
蘇らせてくれ』とな。

キャトラ
よみがえったら……
不死者なのよね……

ヴィルフリート
無論。

キャトラ
あんまりやりすぎちゃうのは……

ヴィルフリート
キャトラよ。
我を誰だと思っている。

我は永遠の刻を生きる吸血鬼。
未練抱く魂を裁可する不死者の王、
ヴィルフリートである。

我の裁きは厳正である。
いかに怨みが強かろうと、
故、正当でなくば力を貸しはせぬ。

キャトラ
そう簡単には
よみがえらせないってことね。

ヴィルフリート
たとえ蘇ること叶わずとも、
死者の嘆きは聞く。

アイリス
……一人一人、
全ての魂とお話するのですか?

ヴィルフリート
そうだ。

アイリス
とても忙しいのでは……?

ヴィルフリート
どれだけ刻を費やそうとも、
聞けるものが
耳を傾けねばならぬ。

でなくば、亡者どもは、
いったいどこへゆこう。

我に裁かれ、土に還るか。
不死者となり、いくばくかでも
恨みを薄め、地に還るか。

いずれの道を選ぼうとも、
魂は循環せねばならぬ。

アイリス
……そうですね。

キャトラ
相変わらず、
仕事は真面目にやってるみたいね。

ヴィルフリート
当然だ。

キャトラ
そんなカッコウしてさ、
ちょっとハシャイでるのかと
思ってたわ。

ヴィルフリート
ハシャイでなどおらぬ。

が、少し、高揚はしている。
多少、若返った気分だ。

アイリス
ふふふ。ヴィルフリートさん、
イケてますよ!

ヴィルフリート
やはりな。

思い出2


キャトラ
ねーねーヴィルフリート。
オチ研? だっけ、
それについて聞きたいんだけど。

ヴィルフリート
オチ研とは、
ラクゴを研究する部活である。

アイリス
ラクゴというのは、
アオイの島などに伝わる、
お話で人を笑わせる
古典芸能なんですよね?

ヴィルフリート
うむ。

キャトラ
アタシ知らなかったんだけど、
ラクゴって有名なの?

ヴィルフリート
エンチョーやシンショーといった
名人が、有名であるな。

キャトラ
ぜ、全然わかんない……!

ヴィルフリート
不勉強な猫よ。

キャトラ
猫なんだからいいじゃない!

ヴィルフリート
だが話せるであろう。
ラクゴは言葉がわかれば
誰でも楽しめる芸であるぞ。

キャトラ
うぐっ。

ヴィルフリート
仕方あるまい。
我が一席ぶってやる。
聞いていくがよい。

キャトラ
おっ! おねが~い!

ヴィルフリート
少し時間をもらう。


 ***


ヴィルフリート
……じゃあ、アクーアってのは、
なんです?

ヴィルフリート
アクーアってのは悪だからな。
うっかりすると状態異常に
させられっちまう。こりゃ悪だ。
だから悪ーア。

ヴィルフリート
そうかねぇ。
じゃあ、ゴロレオンってのは?

ヴィルフリート
ありゃまんまだな、
ゴロゴロしてるから
ゴロレオンだ。

ヴィルフリート
レオンはなんです?

ヴィルフリート
レオンってのはアレだよ、
メロンのことだよ。

ヴィルフリート
メロン?

ヴィルフリート
メロンっぽいじゃねえか。
しかもゴロゴロしてる。
だからゴロレオンだ。

ヴィルフリート
そんなもんかねぇ。
コボルトはなんで
コボルトってんです?

ヴィルフリート
アレ見てゴブリンだって奴がいたら
ここへ連れてこい。
コボルトなんだよ。

ヴィルフリート
なんだかなぁ。

ヴィルフリート
なんだかなぁじゃねぇ、
俺が間違ってるか?

ヴィルフリート
間違っちゃいねぇけど……
じゃあ、ウッホは?

ヴィルフリート
ウッホは簡単だ、
ウホウホしてるからウッホだ。

ゴホゴホしてるから
ゴッホってのもいたっていいよ。

ヴィルフリート
いや、いねぇだろうけど……
ミノタウロスは?

ヴィルフリート
自分で言ったんだろうな。
俺はミノタウロスだ! 』って。
そう言われちゃ、
そう呼ぶしかねぇもんな。

ヴィルフリート
はぁ……
ソウルはどうです?

ヴィルフリート
なんだよ急に。

ヴィルフリート
ですから、ミノとかウッホとか
魔物倒すと手に入る
あのソウルですよ。
ソウルはなんでソウルてんです?

ヴィルフリート
まあ、答えはあるが……
どうする、面白くするか?

ヴィルフリート
はあ、じゃあ、
一つ面白くお願いします。

ヴィルフリート
ソウルは、そうそう売るもんじゃ
ねぇからソウルだ。

ヴィルフリート
あんま面白くねぇな。

ヴィルフリート
ソカイってあんだろ?
バラバラになることだ、
逆に、集まっちゃうから
カイの反対でウリ、
ソウリ、でソウルだよ。

ヴィルフリート
なんかイマイチだな。

ヴィルフリート
この野郎。じゃあな、
あるところに、勇者がいた!

ヴィルフリート
へぇ、どこにでもいるもんだね。

ヴィルフリート
そうだ、たくさんいるんだよ。
で、初めての大冒険だ。

おどろおどろしい洞窟の奥、
巨大なドラゴンを発見した。

ドラゴンは眠っている。
新米勇者は思いついた。
起きる前にやっちまおう。

抜き足差し足で忍び寄る。
よっぽど新米だったんだな、
そ~っと、そ~っと 』って
口に出して歩いていく。

ヴィルフリート
そんな勇者いねぇや。

ヴィルフリート
だから新米だっつってんだろ、
誰でも最初は緊張する、
慎重になる、違うか?

そ~っと、そ~っと
近寄っていくと、
ドラゴンパチリと目を開けた。

さあその瞬間の葛藤だ。
恐怖で逃げたくなりながら、
しかしやらねばと覚悟を決めて。

そ~、うるぁ~!

一刀の元に両断し、
ぽろっと手に入れたから
<ソウル>ってぇのさ。

ヴィルフリート
滑稽噺<ソウル>でございました。

思い出3


ヴィルフリート
え~、わたくしは
ヴィルフリートと申しまして、
大きなことを言うようですが、
今ではヴィルフリートと言えば……
あたし一人でごさいます。

キャトラ
面白いあいさつじゃない?

ヴィルフリート
うむ。
では今日は、
ラクゴの<マクラ>について
話すとしよう。

キャトラ
マクラ?

ヴィルフリート
ラクゴには様々な噺がある。
マクラ>とは本題に入る前の
四方山話のことである。

キャトラ
よもやま話?

アイリス
フリートークみたいなものですね。

ヴィルフリート
そうだ。<マクラ>では、
時事を交えたりしつつ、
客をあたため、本題へ導入する。

ヴィルフリート
え~、最近とみに
暑くなってまいりましたが……

暑い島から来た人はみんな、
暑さに強いと思っている
人がある。そうじゃありません。

暑いとっから来たって、
暑い日はへばる。
寒いのだってそう。

ソフィさんっているでしょ。
あの子だって、寒さに
めっぽう強いわけじゃないの。

あたし聞きましたよ。
ソフィさんの国、外は寒いけど、
家の中はあったかいんだって。

人間、環境に適応し、
自然を飼い慣らし、
工夫して暮らしてるんですよ。

ところで、工夫といえば……


ヴィルフリート
……と、ここらあたりから
本題へと入ってゆく。

キャトラ
おお!
ついに<マクラ>の
真相が明かされるのね!?

ヴィルフリート
いや、だからいまのである。

キャトラ
え?
いまのは世間話でしょ?
本題はやくぅ~!

ヴィルフリート
キャトラよ。
お前ははっつぁんのような奴だな。

キャトラ
だれよそれ?

ヴィルフリート
そういうとんちんかんな奴が、
ラクゴの噺には
よく登場するのだ。

キャトラ
ええ!?
アタシはとんちんかんじゃ
ないわよっ!

ヴィルフリート
まさにそんなカンジだ。

キャトラ
ぶ~……!

アイリス
ふふふ……

思い出4


キャトラ
ヴィルフリート~、
またラクゴやってよ~?

ヴィルフリート
気に入ったようだな。

キャトラ
うん、いつものアンタの
シュールなカンジより
わかりやすいし。

ヴィルフリート
シュールも大切なのだがな。

しかし……その意見もわかる。
ラクゴとは、長年研ぎ澄まされ、
完成された芸能だ。
たしかに安定感がある。

キャトラ
そーそー。

ヴィルフリート
だが、芸とは進化するもの。
過去の作品に
しがみつくものではない。

キャトラ
アンタ、新しいお笑いは
あんまり好きじゃないじゃない?

ヴィルフリート
過去をないがしろにし、
流行だけを追うもまた、
笑いの本質ではない。

積み上げ、さらに高みを目指し、
ときに崩す……
それが我の理想とする笑いよ。

……いや。
我が妻の、だな……
予想、に過ぎぬが……

アイリス
……おくさん、とても長いあいだ
眠り続けてるんですよね……

ヴィルフリート
そうだ。我への罰のためか、
己が意志で眠り、未だ目覚めぬ……

キャトラ
起きそうな気配もない……?

ヴィルフリート
ややある。

キャトラ
おおっ!?

ヴィルフリート
我が妻は、笑いを好む。
しかもその目の、いや、
耳か。肥えていること、
我をはるかに凌駕する。

キャトラ
おくさんの笑いのハードル、
すっごく高いって
いってたもんねぇ。

アイリス
眠りながらも、
声は聞こえてるんですよね。

ヴィルフリート
うむ。
あれは登校初日のこと。

やばい! 遅刻だ!
と飛び起きてみたところ、
妻がぴくりと反応したのを
我は見逃さなかった。

キャトラ
なにやってんのよアンタ。

ヴィルフリート
無論、わざとである。
朝寝坊する帝王というのも
一興かと思いついたのだ。

キャトラ
へいへい。

アイリス
どうしてその言葉に
反応したんでしょうか?

ヴィルフリート
妻は聡い。我の声のみで、
全てを察したのであろう。

キャトラ
たった一言で?
相当すごいおくさんね。

アイリス
(おくさん、眠っていても、
きっとヴィルフリートさんと
通じ合っているのね……)

ヴィルフリート
もしかすると、妻は
学園モノ』を好むのかもしれぬ。

キャトラ
(ホント、似たもの夫婦っていうか
どっちもちょっと変わってるのよねぇ……)

ヴィルフリート
だとすれば、これは
千載一遇の好機である。

我が学生だという
ギャップを利用し、
たたみかけ――

――妻を目覚めさせる
ことが出来れば……

アイリス
数千年ぶりに、
おくさんと再会できる……?

ヴィルフリート
……かもしれぬ。

過剰な期待はせぬが……
あるいは……今度こそ……!

思い出5


ヴィルフリート
…………

キャトラ
アラ? ヴィルフリートだ。

ヴィルフリート
……貴様らか。

アイリス
……どうかされました?

ヴィルフリート
駄目であった。

キャトラ
なにが?

ヴィルフリート
間違えて先生のことを、
お母さんと呼んでしまった。
あるある~


キャトラ
…………

ヴィルフリート
と、妻に、学校あるあるを
33連発してみたのだが。

キャトラ
スベッたのね。

ヴィルフリート
いや、2発ほどは
クスクスときていた。

キャトラ
もう起きてんじゃないの、
アンタのおくさん……?

ヴィルフリート
いや。未だ目覚めぬ。
さながら、出るタイミングを逸した
芸人のようにな……

キャトラ
ホントにアンタたち夫婦は……

ヴィルフリート
……ふぅ……

アイリス
ヴィルフリートさん……?

ヴィルフリート
さすがに堪える。
選んだ手段はギャグといえ――

――妻の目覚めは、我の悲願なのだ……

アイリス
ヴィルフリートさん……

ヴィルフリート
……アイリスよ。
以前、そなたは言っておったな。

アイリス
え?

ヴィルフリート
素直な『起きて』の一言。
妻は、それを待っているのではないかと。

アイリス
……はい。

キャトラ
おおっ!?
ついに、言う気になったの!?

ヴィルフリート
気ならば常にあった。

しかし、相手は我が妻。
一筋縄ではいかぬ。

アイリス
そんなことは……

ヴィルフリート
妻の期待を知らぬ我ではない。

我は工夫せねばならぬ。
しかも、笑いで。

告白は、その先にあるのだ。

キャトラ
……そこまでわかってるなら、
なんか方法あるんじゃないの?

ヴィルフリート
そこで、ラクゴである。

キャトラ
ほほう?

ヴィルフリート
ラクゴの噺には、
夫婦の絆を描いたものも多い。
最適な題材があれば――

――それにからめて、
告げることも出来るやもしれぬ。

主人公……
冥府の底よりも、
さらに静かな男よ。

そなたの発想には、
我も一目置いている。

再び、我に力を
貸してはくれぬか――?

思い出6


ヴィルフリート
この光……
不死者の帝王である我にも、
隔たり無く注ぐ希望の灯――

……そうか、あれか……

アイリス
おくさんを起こす名案を、
思いついたんですね、
ヴィルフリートさん!

ヴィルフリート
だが……確実とはいえぬ。

キャトラ
アンタらしくないわよ、
不死者のおーさま!
普段はギャグばっかだけど、
アンタはけっこー立派な奴だ!
胸張って突撃なさいな!

ヴィルフリート
……ふ。

行ってくる。

キャトラ
ゴーゴー!
応援してるわよ~♪



 ***


ヴィルフリート
……え~、では、
毎度ばかばかしい小噺を一席……

ヴィルフリート
あらあんたどうしたの、
そんなへべれけで。

ヴィルフリート
なにをこんにゃろう、
亭主が酒呑んで何が悪いってんだ。

ヴィルフリート
悪いなんて言ってませんよ。
でももうお寝よ。

ヴィルフリート
寝ない。飲む。

ヴィルフリート
そんな酔ってまだ飲むの。
飲ませませんよ。
飲んでなきゃ飲ませますけど、
飲んでんだから飲ませません。

ヴィルフリート
なんだと? 女房のくせして、
俺は亭主だぞ。飲むったら飲む。
鼻からだって飲んでやる。

ヴィルフリート
飲ませません。

ヴィルフリート
あのねぇ、そう上から
ガミガミ言うんじゃないよ。

ヴィルフリート
じゃあなんて言えってんです。

ヴィルフリート
ずいぶんとお召し上がりですが、
外は外、内は内

私の酌じゃお嫌でしょうが、
一杯召し上がりませんか?

そう聞かれてごらん。

ヴィルフリート
それなら俺も、そうか、
もうよそうよ、と、
そうなるんだよ。

ヴィルフリート
ずいぶんとお召し上がりですが、
外は外、内は内。
私の酌じゃお嫌でしょうが、
一杯召し上がりませんか?

ヴィルフリート
じゃあ飲もう。

ヴィルフリート
なんだい!!

ヴィルフリート
いいから飲むってんだよ。
なんかつまむものないかい。

ヴィルフリート
鼻でもつまんだら。

ヴィルフリート
馬鹿いっちゃいけねぇ。

ヴィルフリート
もう、ない、なんにもないの。
あたしが全部、食べちゃった。

ヴィルフリート
食べちゃったってなんだい、
いただきました
って言うもんだろ。

ヴィルフリート
いただきました。
言い方変えたって
ないもんはないんだから。

ヴィルフリート
じゃあちょっと何か
買ってきておくれよ。

ヴィルフリート
こんな時分にかい?

ヴィルフリート
まだやってるよ、
角の、あそこの、あの……
あの店、まだやってんだよ。

ヴィルフリート
ハイハイ、仕方がないねぇ。
なにがいィんだい?

ヴィルフリート
あのねぇ、おめぇさんは
女房なんだから、
俺の喰いたいもんくらい
わかるでしょうよ。

ヴィルフリート
わかんないわよ。
あとで『これじゃない!
なんてのも嫌だし。

ヴィルフリート
いいからも、
ごちゃごちゃ言ってないで、
サーっと行けってんだよ。

もたついてんじゃないよ。
化粧なんていいんだよお前は、
だれもお前のナリなんか
気にやしないよ。

ほら、行け。行けってんだ!


行っちまった。



ヴィルフリート
…………

世界広しといえど、この
飲んだくれの相手をして
くれんのは、あいつくらいだねぇ。

器量だって悪くねぇんだ。
奥様お綺麗ですね』って、
近所でも評判だよ。

俺だってそう思ってる。
でも、そんなこと言えねぇんだ。
言えねぇんだけどさ。

心の中ではいつも
ありがとう』って感謝してる。
だけど口が反対に動いちまうんだ。

ああ、許してくれ。
貴方みたいな素敵な人、
俺なんかにゃもったいね――

なんだ! まだいやがったのか!
さっさと、行ってらっしゃいませ!



 ??? 
……ふふふ……

ヴィルフリート
――!

 ??? 
…………

ヴィルフリート
…………

 ??? 
……いいお噺ね。

ヴィルフリート
――くくく。そうであろう。

この時を
待ちわびていたぞ……!


我が、妻よ……!



落語帝王流家元








思い出7

ヴィルフリート
命には終りがある。

キャトラ
そうね。不死者の帝王さん。

ヴィルフリート
全てのものはいつか終わる。

アイリス
お別れするのは、悲しいです。

ヴィルフリート
命は生まれることで始まる。
始まりがあるということは、終わるのが
道理というものだ。

キャトラ
さびしい話をしにきたの?

ヴィルフリート
落語にもオチがある。
だからこそ落語なのだ

キャトラ
え?

思い出8 (神気解放)

ヴィルフリート
まいどながらおしゃべりを一つ。
昔から、ケチなやつというのは
いるもんでございますな。

とある大工が、
連れ合いにこういった。

ヴィルフリート
ちょっと隣いってトンカチ
借りてきなさい


ヴィルフリート
いや貸してくれないんですよ。
トンカチで釘たたくと、トンカチが
ちびるでしょうって


ヴィルフリート
こいつはケチなやつだねえ。
しょうがない。
うちのトンカチ出しなさい



ヴィルフリート
オチがついたら、蛇足は不要。
命も、ラクゴもな。故に……
我はこの言葉で締めくくろう。

お後が……よろしいようで!


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