リュコス・バックストーリー

 
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リュコス・ヴォーダン CV:
2017/00/00

「俺たちは月の守護者だ」
父は、いつもそう言っていた。
「俺たちヴォーダンの一族は、月から強い篭を授かっている。だからお返しに月を守るのさ」

「じゃあさ」
ひょこ、と狼の耳を立ててリュコスは問うた。
「お月さんがピンチになったら、あたしたちが助けてあげるわけ?」
「そうだ」父はにやりとした。「落ちそうになったら支えるんだぞ」
冗談に、リュコスも父も大声で笑った。

──ある時、ヴォーダンの一族が住む森に人間たちが現れた
「月の加護を得ているそうだな」彼らは居丈高に言った。「その力、我らのために使ってもらう」
父が拒否すると、人間たちは問答無用で襲いかかってきた。

相手はこちらの弱点を見抜いていた。
強烈な刺激臭を放つ何かの肉がばらまかれ、鋭すぎる嗅覚を持つ狼たちは苦しみもだえた。
だが、一族はそれでも誇り高く抵抗を続けた。

「逃げろ、リュコス!」
戦いながら、父は叫んだ。
「一族の血を絶やすな! おまえは、行けぇっ!」

すさまじい気迫を宿した言葉に、リュコスは震え、命令に従った。
身をていしてかばってくれる仲間たちに涙しながら、リュコスは、脇目も振らず走り続けた……

──数日後、人間の街に忍び込んだリュコスは、一族の噂を聞いた。
「軍は月の加護を手中に収めたがったが、狼の一族が激しく抵抗したらしい」
「結果、相打ちで全滅か。恐ろしい話だ……」
リュコスは知った──自分はひとりになってしまったのだと……

「何が月の守護者だ……」
人知れず──リュコスは月に吼えた。
「おまえのせいだ! おまえのせいで、みんな殺された!
 おまえさえいなければ……こんなことにはならなかったんだッ!!」
震える吼え声に、月がこたえることはなかった。

──数年後、和ノ国で最も高い山『富嶽』を、異国から来た狼の妖物が訪れた。
強い月の加護を受けた狼は、強い月の加護を受けたその地で、ある儀式を行おうとしていた。
月との強固なつながりを利用して、月を我が身に引き寄せる儀式を……
「墜としてやる……」
憤怒と憎悪にまみれた咆哮が、月を撃つ。
「おまえを……叩き墜としてやる!!」




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