ユキムラ(王冠)・思い出

 
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ストーリーまとめ

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筆の速さで名を馳せた、実力派の紋章画家。
芸術の力を信じて、どこまでも描き続ける。



思い出1


<キングス・クラウン>の戴冠式が終わり、しばらくしたのち――
新たなる力を手に入れたユキムラが、飛行鳥へとやってきた。

みんな、この前は本当にありがとう。
パーティ、たのしかった?
ああ。紋章画家ってのは、アトリエにー日中こもっている事も多いからな。
たまにああいうにぎやかな場所に行くと、いい気分転換になるよ。
戴冠式が終わった後、たくさんの方に紋章画を贈ってましたね。
感謝の気持ちを込めて、な。それに――
今は、描いて描いて描きまくりたい気持ちでいっぱいでな。
次から次へと着想が沸いてくるんだ。ああ、そう言っている間にも……
すまん、ちょっとー枚描く。……いや、二枚だ。
ユキムラは持って来たイーゼルを立てかけ、紋章紙に筆を走らせ始めた。

……―日十個の紋章を描くんだったよね?ユキムラって。
この調子だと、きっとそれ以上描いてるね……
それで?王冠かぶって力を得たワケだけど、どんなかんじなの?
……力、か……
……今回、俺は確かに力を得た。悪しき者を打ち倒し、誰かを守る為の<力>だ。
……他にも得た力があると?
力、というか……精霊の試練を通じて、俺はとても大切な事を学んだんだ。
それだけでも、やって良かったって思うよ。

そうそう、王冠の力を授かるための条件として、精霊の試練を乗り越えなきゃいけなかったのよね。
その話、ずっと聞きたかったんです。よろしければ、教えてくれませんか?
もちろんだ。最初から順を追って話そう。

……俺の前に王冠が現れたのは、創作活動の為にとある島を訪れていた時だった……



思い出2


「白砂青松……紺碧の鶴……と、遥かなる、地平線……
――よしっ!ははっ、いいぞ!我ながら悪くない出来だ!
……もうこんな時間か。今日はこのぐらいにしておくか……

にしても、ここは本当にいい島だ。海は綺麗だし、料理は美味いし……
展覧会まではまだ余裕があるし、もう少し逗留していくとするか。」
 ――
「うわっ!?な、何だ!?」


「お……王冠!?」
「じゃじゃーん!こんにちは!」
「しかも喋った!?」
きみが<選ばれし者>かあ…想像とちょっとちがったけど、まあいいや!」
「選ばれし者……?―体、何の事だ。」
「きみは選ばれたんだ。くわしいことはいえないんだけど。
ボクのなまえはオウスイ。この王冠の精霊だよ。」
「精霊……?」
「せーかくには精霊のなかのひとり、ってかんじかな。
たくさんの精霊があつまってできたのが、この王冠だから。ボクはそのだいひょう。」
「???」
「まあそんなことはいいんだよ。ボクはね、きみに力をあたえるためにやってきたんだ。」
「……うむ、訳がわからん。せっかくだが、断らせてもらう。じゃあな。」
「えっ! ちょ、ちょっとまってよ!力、ほしくないの!?」
「お前が精霊だという事はわかった。だが、どこの馬の骨かもわからんヤツの力は借りない。」
「……ボク、わるいやつじゃないよ。けっこうイイやつだよ。」
「自分で言うヤツがあるか。」
「わかったよ。じゃあ、ボクの光にふれて、たしかめてみてよ。」

(なんだ、この光は……全身が、隅々まで浄化されていくような……
……前にも似たような感じが……―ああ、そうだ!主人公の……)

「その人の光とはまた違うものだけどね。」
「!!……俺の心を読めるのか?」
「ときにはね。」
「……わかった。悪い奴ではなさそうだな。――だが、力は要らない。」
「えっ!?なんでそうなるの!?」
「生き残る為の力は身に付けているつもりだ。俺は、それ以上の力は望んではいない。
行き過ぎた力は災いを呼ぶ。災いは周りの大事な人間をも巻き込み、多くの幸せを奪う。……無論、自身の幸せも。」
「だから力はいらないって?……そっか。きみは、なにもわかっていないんだね。」
「何だと?」
力ということばを、たんいつてきな意味でしかとらえていない。……いい?
ボクがきみにあたえるのは、そんな単純な力じゃない。
いや、正確にはボクがあたえるんじゃない。きみが勝ちとるんだ。きみたけが知る、きみだけの<力>を。」
「哲学的だな?」
「まあね。もちろん、モジどおりの力も得ることになるけど、それはあくまできみのー部でしかない。」
「うーむ……子供っぽいのに難解なヤツだ。」
……それでね、精霊の力をさずけるにあたって、きみには試練をうけてもらうことになる。
その試練こそが、きみをいまよりもずっと成長させるんだ。
「…………」(成長、か……これまでも山ほどの試練を乗り越えてきたが……俺もまだまだ。という事なんだろうか)

「……信じていいんだな?」
「うん。……でも、覚悟してね。試練、ものすごくつらいから。」
「わかった。これも何かの巡り合わせだ。やってみるとしよう。」
「そうこなくっちゃ!……ええと、きみのなまえは?」
「俺はユキムラ。紋章画家をやっている。」
「ユキムラ、かあ……これからよろしくね!」


思い出3


「それで?試練とは何だ?強い魔獣を倒すとか?それとも、山奥で滝行か?」
「きみは画家なんだよね。」
「ああ。紋章画専門のな。」
「じゃあ、ユキムラ。モンショーかくの、もうやめよっか。」
「……は?」
「さっき心をのぞいたときに見えたんだ。きみがきみの全てをささげているもの……
ユキムラは芸術がなきゃ生きられないにんげんだ。だから、きみから芸術をうばう。
力を得る代償だよ。きみは、これから一生、もう芸術とはむきあえない。」
「……ふざけるな……俺から芸術を……紋章を奪うだと?俺の生さる理由を奪うだと!?」
「だからいったじゃん。つらいよって。」
「そんな事、出来る訳ないだろ!!」
「もうおそいよ。ボクの力で、筆をにぎれないようにしたから。」
「何だと……」
ユキムラが慌てて筆を握ろうとする。しかし――
「指が……動かない!」
「足のゆびでにぎろうとしても、手や口でかこうとしても、ムダだから。
……へえ、きみは多作家なんだね。じゃあ、よけいにつらいね。」
「俺の心を読むな!……クソ、クソッ!握れない!
うがああああああああああああ!!」
「ごめんね。でも、これがきみの試練なんだ。
きみがモンショーを、芸術をあきらめたとき……きみにボクの力をあげるよ。」

「……わかった。やっぱり、ヤメだ。力は要らない。だから、元に戻せ。」
「ものすごくつらいからっていったはずだよね?」
「二度と描けなくなるなんて話は聞いてないぞ!」
「きいてない? ねえユキムラ。じんせいって、そんなにつごうよくはいかないよ。」
じぶんの身にふりかかるのは、りふじんなことばかり。……覚えがあるだろ?」
「返せ! 紋章を――俺の生きる理由を、返せッ!」
「親友がしんだのも、りふじんだったよね。」
「!!」
「それが原因のスランプも、きみからしたらりふじんだった。」
だったらいま、芸術をうばわれるのも、きみのりっぱなりふじんだよね。」
「訳のわからない事を……!」
「だれも、きみを待ってはくれない。みんな、むこうからかってにやってきて、かってにじぶんに巣くってしまうんだ。」
「…………もういい。」
ユキムラは筆入れを地面に置き、その前にうずくまった。

「こんな馬鹿な事があるか。筆を握れないだと?―生、紋章が描けなくなるだと?
……オウスイ。俺は絶対に受け入れないぞ。……これが、自分を越えるチャンスだって?
ふざけるな。俺は紋章画家だ。芸術を捨てるなんて事は、絶対にありえないっ!」
ユキムラは筆に手を仰ばす。……途端に、指が凍り付いたように動かなくなる。
「うらああああああああああああっ!」
それでも、ユキムラは全身の力を込め続けた。
「動け、動け、動け、動けっ!精霊の力がなんだっ!無理矢理引きはがしてやる!」
「ムダだよ。」
「ムダかどうかはっ……!俺が決めるっ……!」

 ***

ユキムラの日々は残酷にも遇ぎていった。
――紋章を描けぬままの日々が――


思い出4


「…………」
「あら?ちょっとそこのお兄さん!ずいぶんとやつれてるけど。」
「……ああ。飯は食っているから、大丈夫だ。」
「ほら、これとっときな!お金は要らないから!」
「……いや、いい。」

『ユキムラ、もらっておきなよ。』
「腹は減っていない。」
『…………』

宿に戻り、ユキムラはイーゼルと向き合う。
……紋章紙は、もう何日もまっさらなままだ……

「今日こそ、握れる気がする。」
「……いつになったら、あきらめるの?」
「オウスイ。俺に諦めるという言葉はない。」
「……このまま、おじいちゃんになっても?」
「それまでには描けるようになってやるさ。」

そういって、そばに立てかけてある筆入れに手を伸ばす。
――あと少しの所で、その動きがピクリと止まった。

「……く……くううううう……!
……昨日は、ほんの少しだけ、動いたんだ!」
「それは気のせいだよ。」
「なら、今日は、それよりも、動くはずだ……!」
「なんのこんきょがあっていってるの?」
「根拠などない!……人生は短いんだ。俺は、―枚でも多く描かなくてはならないからな。
こんな所で、立ち止まっている訳にはいかないんだ。
うおらあああああああああああつ!」


 ***

芸術に寄り添う事の出来ない日々は、ユキムラを容赦なく蝕んでいった。
生気のない目。こけた頬。おぼつかない歩み。
しかしそれでも――彼は芸術を捨てようとはしなかった。

「今日も……いい天気だな。」
いつしかユキムラは宿を出て、砂浜にイーゼルを立てるようになった。
「俺は、描く。まだまだ、描きたい事があるんだ。さあ、今日こそ。」
そうして日が暮れるまで、動かない手を伸ばし続ける。
「……力が、出ないな。くそ。飯は食ったのに。おかしいな。どうしてだ。」
その繰り返し。

「ユキムラ。もうやめたほうがいいよ。」
「何を言っているんだ、オウスイ。」
「生きるきりょくがうしなわれつつある。描けないことが、きみをよわらせつづけているんだ。
だから、もう……あきらめよう。」
「それじゃ駄目なんだ。」
「どうして?」
「これが俺の試練だからだ。」
「芸術をすてる。それがきみの試練だよ。」
「違う。そうじゃない。これはもはや、力を得る為の試練じゃない。」
「……どうしてそうなるの?」
「俺がそう決めたからだ。……なあ、オウスイ。
俺の何を試しているのかは知らん。だが、そんなものはクソ食らえだ。もうどうだっていい。」
「……意地になっても、ムダだとおもうよ。」
「ああそうだ。これは俺の、画家としての意地だっ……!」
自身を鼓舞し、伸ばしていた手にいっそう力を込めるユキムラ。

しかしふいに、その手がだらりと垂れ――ユキムラは、砂浜に力なく倒れた。


思い出5


「…………」
「意地でどうにかなる問題じゃないよ、ユキムラ……」
「これはアレだ。ちょっと休んでいるだけだ……」
「もうやめよう。……ボクは、ユキムラをしなせたくない。……だから、ごめん。
試練はここでおわりだ。力はあげられないけど……きみを、もとどおりの体にするよ。」
「駄目だっ!」
「どうして、そこまで……?」
「オウスイ、お前言ったよな?人生は、そう都合良くはいかないと。
理不尽は、俺を待ってはくれないのだと。」
「…………」
「以前スランプに陥っていた時だ。俺はー度、逃げそうになった。
画家をやめて、描けない苦痛から逃れようとしたんだ。
だが、そんな俺を、見捨てずに助けてくれた奴がいた。」
「……うん。」
「もうゴメンなんだよ。理不尽な事から逃げ出すのは。
俺を最後まで導いてくれたアイツと、アイツのバカ兄貴のために――
降りかかる何もかもを、俺は乗り越えなくてはいけないんだ!」

ユキムラは必死に地べたを這いずり、筆入れに手を伸ばす。

「そうだろう、アイザック……諦めるなんて、ないよなあ?
新しい世界は……苦難を乗り越えてこそ……創られる……!
よなあっ!」

空振りした手は、筆入れを大きく弾き飛ばす。

「……なあ、オウスイ……お前には、わからないかもしれないが――
芸術ってヤツは、時に信じられないほどの力を持ったりするんだよ。」
「…………」
「俺は、それに賭けているんだ。……俺の知らない場所で、俺の知らない誰かが、俺の紋章を見る。
それがきっかけで、その瞬間に、もしくは遠い未来に、その人の人生にプラスになってくれたら……
名前も顔もわからない誰かの<力>になれたら……俺は、とてもうれしい。」
「…………」
「だから俺は描き続けているんだ。そして、世界がどう変わろうと、俺がどう変わろうと、これからもずっと描き続ける。
俺は、俺の力だけで生きてきたんじゃない……
俺の信じる芸術の<力>に、生かされ続けてきたんだ。」

「……それでいいんだ。」


思い出6 (友情覚醒)


精霊の光が、ユキムラを優しく包んでゆく。
彼の目に、顔に、再び生気が戻っていった――

「おめでとう、ユキムラ。」
「………………そうか。そういうこと、だったか……」
「だますようなマネをして、ほんとうにごめんね。
ユキムラが信じているものを、もっと深く知ってほしかったんだ。
いままでのきみを、きみ白身が越えていくためにね。
……ほんとうは、こんなことしたくなかった。こんなひどいめに、あわせたくなかった。
でも……それが、ボクのやくめだから。」
「お前も、辛かったんだな。」
「……ありがとうね。試練を乗り越えてくれて。」
「礼を言うのは俺の方だ。ありがとう、オウスイ。――いい経験になった!」
「でもね、まだ終わりじゃないんだ。きみにはまだ、やらなきゃいけないことがある。」
「……どういう事だ?」
「<白の巫女>さまにあうんだ、ユキムラ。
王冠は、みこさまからもらわなくっちゃいけないんだよ。」

「白の巫女……」

 ***

そうして、アイリスの元へとやって来たという訳だ。
そういうことだったんですね……
にしても、大変だったわねえ。しにかけたなんて……
だからこそわかった事がある。今では感謝しているよ。
――。
主人公……
そうね……ユキムラさん。改めて、おめでとうございます!
よかったわね、ユキムラ!
ああ、ありがとう。

戴冠式でも言ったが、この力は、俺の信じる力は、皆の為に使っていきたい。
俺は<ユキムラ・サイオンジ>――紋章画家だ。
どこかの誰かの為に、これからも紋章を描き続けていく!

楽しく、な。





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