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メルクリオ(クリスマス)・思い出

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最終更新者:にゃん

ストーリーまとめ


吸血鬼の賓客
メルクリオ・C・アンジェロ
純白の貴族服をまとう吸血鬼。
聖夜を<魔夜>に変えると意気込んでいる

思い出1


もうすぐクリスマスねぇ。


なら、飛行島でも

パーティーの準備しなきゃね。


おいしい料理もいっぱい作って、

バロンやヘレナたちも呼んで、

パーツとやりましよ!


ふん……

浮かれているな、人間ども。


むむ……この高慢ちさな声は……

もしや……


だぁれが高慢ちき、だっ!


あら、メル君。いらっしゃい。


ククク、息災だったか、アイリス。


で、なにしにきたのよ、アンタ。


お前ら、クリスマスとかいう

不敬きわまりない風習に、

ずいぶんご熱心のようじゃないか。


はあ?

どこが不敬だっていうのよ?


人問たちは、クリスマスの夜を

聖夜>と呼んで、神聖視して

いるのだろう?


まあ、そういう話もあるわね。


笑止ッ!!

『夜』とは魔が満つる邪妖の時!

古の暗黒が支配する領域だ!


その『夜』を、下賤な人間どもの

くだらん都合で汚すでないわ!


うーん……

私たちは、みんなでー緒に

楽しもうと思つているだけよ?


ふん、それは我らのような吸血鬼、

そして、夜に生さる魔のー族にのみ

許されることだ。


間を恐れる人間なぞ、

部屋のすみで震えているほうが

お似合いだ! フハハハハ!


……それもご先祖様の

まんま受け売りってわけ?


受け売りなどと安く言うな!

遺訓と言え!!


はあ~・・・・・・自分の意見くらい、

自分の言葉で語りなさいよね。


ぐぬぬ! もう我慢の限界だ!

我らの領域を汚すクリスマスなぞ、

我が直々にぶっつぶしてくれるわ!


ぶっつぶすって……

具体的にどうするのよ?


へ? え、えっと……

そ、それはこれから考える!


ノープランかい。

それじゃ子供の駄々と同じよ。


そ、そこまで言うなら

目にモノ見せてやるよ!

あとで後悔するんじゃないぞ!


次に会ったとき、

聖夜は<魔夜>へと変貌するのだ!

覚悟しておくがいい!!


ククク……フハハハハハ!!


……あ、メル君をパーティーに

誘うの忘れちゃった……

思い出2


くそっ……

クリスマスをつぶすとは言ったが、

結局どうすればいいんだ……


こんなとき、始祖様なら……

うーん……うーん……



ふぇっふぇっふぇっ。

ぼんや、どうかしたんかえ?


―人でウンウンうなって、

ヘンなヤツなのだ。


ほう……

悪魔に、不死者の女か。


そーゆーおまえはナニモノなのだ?


ふん、我こそは偉大なる

夜の王>の名を継ぐ吸血鬼、

メルクリオだ!


おおー! ヘンなヤツは

『きゅうけつき』だったのだ!


ほうほう、ほんは血を吸うんかえ?

あ~、でもすまんねえ。

わしや血が流れておらんのじや。


……ふむ、ちょうどいい。

異形の同胞たちよ、我に力を貸せ。


おや~、

なにか困りごとかいのう?


お前らも知ってるだろう。

人間どもが祭り上げている、

忌々しさクリスマスの存在を。


聖夜などと抜かす人間ともに、

夜の本当の支配者が

誰なのかを教えてやるのだ。


???

つまりどういうことなのだ?


飲み込みの悪い奴だな!

僕たちでクリスマスをぶっつぶして

やろうってことだよ!!


ますますわからないのだ。

なんでそんなことするのだ?


お前らはなんとも思わないのか!?

愚かな人間どもが践雇する

この惨状を!


ん~、そういうもんかえ?


というかフツーにニングンの

マブダチもいるのだ。


はあ!? なんでだよ!

お前、悪魔だろ?


ニングンだからキライなんて、

考えがフルクサイのだ。


ふ、古臭い……だと!?


ふぇっふぇっふぇっ。

わしなんて元人間じゃしのう。


だ、だとしてもだ!

人間は我が始祖を滅ぼした仇敵!

ゆえに我は吸血鬼の栄華を取り戻し

人間どもを再ぴ魔夜の恐怖に――


きゅーけつきは細かすぎるのだ。

そんなんじや<モテない>のだ。


へ?

モテ……ない……?


ぼん? 大丈夫かえ?

お顔が真っ青じゃよ。


ぼ、僕が……モテない、だと……?

そんなこと、あるわけが……

いや、だが、しかし……


おーい、きゅーけつきー!

返事をしろなのだー!


うううううああああ……


このきゅうけつき、

やっぱりヘンなヤツなのだ!


ぼんも男の子ということかいのう。

思い出3


げ、アンタ……

今度はなにしにきたのよ。


……………………

……………………

…………我も、手伝おう。


はい?


だ、だから、その……

わ、我もだな……


もう! 言いたいことがあるなら

ハッキリいいなさいな。


ぼ、僕も手伝ってやるって

言ってるんだよ!!

何度も言わせるんじゃあない!


…・・どーゆー心境の変化?


か、勘違いするな!

我がお前ら人間が嫌いなことに

変わりはない!


……メル君のご先祖様を

滅ぼしたから……?


そのとおりだ、アイリス。

……だが、それも遠い過去のこと。


過去に縛られ、

人間を嫌悪し続けるだけでは、

我も始祖と同じ末路を辿るだろう。


えっと、つまり……?


つ、ま、り!

お前ら人間に協力することで、

あえて敵を知ろうってことだ!


は、はあ……


あと先に言っておくが!

細かい男はモテないから

考えを改めたとか、

そういうのじゃないからな!


(……あ、なるほど)


ありがとう、メル君!

―緒に楽しいパーティーに

しましょう♪


ふん、いいだろう。

アイリスがそう言うなら

考えてやらんでもない。


……アンタさあ、まだアイリスを

嫁にしようと思ってるわけ?


当然だ。

わかりきったことを聞くな。


じゃあ、クリスマスパーティーも

アイリスが目的ってこと?


ん? どういう意味だ。


あれ、知らないの?

クリスマスって告白の成功率が

一番高い日らしいわよ。


…………なんだと?


だからクリスマスには、

カップルがたくさんいるんだって。

って、ヘレナから聞いたわ。


ククク……クククク……


……ちょっと、聞いてるの?


フハハハハハハ!!


アイリス! 今回だけは

特別になんでも手伝ってやる!

遠慮なく我を頼るがいい!


そ、そう?

なら色々お願いしちゃおうかな。


フハハハハ!

そうだ! 我にまかせておけ!

思い出4


確かに、なんでも手伝うとは

言ったが……まさかモミの木を

所望してくるとはな……


……で、なんでお前がいるんだよ。


主人公

――。


なに? どうやってモミの木を

伐採するのか、だと?


ククク……我を誰だと思っている。

そこで大人しく見ているがいい。


メルクリオは、
真紅に輝く槍を構えると――


魔槍サングィースよ!

始祖の血盟の力、ここに示せ!


魔力のほとぱしる槍をー閃!
モミの大木はいともたやすく
切り落とされた。


フハハハ!

これが吸血鬼の魔力のなせる業だ。

どうだ人間、恐ろしいだろう?


主人公

――。


……ま、どうせ

そういう反応だと思ったよ。


もういい、さっさと運び出すぞ。


――待ちなさい。


ああ? なんだお前は。

さきほどここで

起きた膨大な力のうねり……

あなたの仕業ですね?


だったらなんだ。

用があるならさっさと言え。


あなたからは

悪しさ鬼>に似た気を感じます。

そして微かにですが、血の匂いも。


……お前、

我のことを知っているのか?


……人の世に仇なす存在に

近い者であることはわかります。


鬼退治>のー族の当主として、

見過ごすわけには参りません。


さあ、その妖槍を構えなさい!

いざ、尋常に――


お前……!

よくわかってるじゃないか!!


……は?


おい、聞いたか!?

あの女、僕を悪しき鬼だとか

人に仇なすとか、血の匂いがする

とか言ったぞ!


あれが正しい反応なんだよ!

ああいうのを待ってたんだよ僕は!


おい、人間の女!


は、はい?


なかなか見所のある奴だ。

特別に、我が100人の花嫁に

迎える栄誉を授けよう!


100人の花嫁……?

そんな人数をあなたー人で

養えるとは思えませんが。


さあ、我とともに来るがいい!


……なるほど、魔は魔でも。

色魔>のほうでしたか。

ならば私の出る幕ではありません。

失礼します。


ククク、我の邪気に触れて

恐れをなしたか……

まあ、当然の結果か。


あー、めっちゃくちゃいい気分だ!

やっぱり吸血鬼は

こうでなくちゃあな! フハハハ!

思い出5


明日はクリスマス……

本当に告白が成功するのか?


……いや、

今までと同じ結果だろうな。


くそっ……!

なにかアイリスの心を奪う

決定打はないか……!


またきゅーけつきが

ウンウンうなってるのだ。


まあ~、若者は

悩みが多いもんじゃしねえ。


うるさいぞ。

今はお前らに構っている暇は――


……いや、待て

少し尋ねたいことがある。


ふぇ?


(人間ともに間くくらいなら、

こいつらに間いたほうが

100倍マシたしな……)


メルクリオは、クリスマスのこと、
そしてアイリスのことを
二人に話した。


ふぇっふぇっふぇっ。

ぼんも青春しとるんじゃねえ。


そーゆーことなら、

ルーシーがとっておきを

知ってるのだ!


はあ……だろうな。

お前らに期待した我が――って、

本当か!?


ためしにジッセンしてやるのだ。

そこのカベによりかかるのだ。


? ああ……わかっ――


ルーシーの拳が、
メルクリオの頬をかすめ、
背後の壁にめりこんだ!


な……な……

ななななにするんだお前!


黙れよ>――なのだ。


…………は?


おお~、わし、それ知っとるぞい。

ナウでヤングな子たちの間で

流行っとるやつじゃろ。


今のがか!? 嘘だろ!?


ウソじゃないのだ。

前にいんきゅばすの兄ちゃんが

カカシで練習してるのを見たのだ。


(インキュバス……

色恋を司る悪魔がこれを……?

まさか……本当にそうなのか?)


……信じられるのか、その話。


うたぐりぶかいヤツなのだ。

そんなんじやモテ――


や、やめろ!

それは二度と聞きたくない!


ふぇっふぇっふぇっ。

これでっぼんにも春が来ると

ええのう。


……確かに告白のインパクトは

あったな……色んな意味でだが。

ええい、やるだけやってやるわ!


異形の同胞たちよ!

とりあえず礼を言っておくぞ!


しっかりやるのだ、きゅーけつき!


ふぁいと、じゃ~♪


思い出6


主人公

…………


…………


って、お前じゃないわ!!


ええい、どけどけ!

アイリス! アイリスー!!


あら、メル君。どうしたの?


(よし、ちょうど壁際にいるな!

アイリス……今宵、

お前は僕のものとなるのだ!)


メルクリオは、壁際にいる
アイリスのもとに歩み寄ると――


メル君?私になにかよ――


ドン!!


きゃっ!

メ、メル君!?一体どうし――


―黙れよ。


…………!


(き、決まった!

アイリスの反応も

今までにないかんじだぞ!)


…………


…………


…………


(……ん?ちょっと待て。

この後はどうしたらいいんだ?)


(ていうか冷静に考えたら、

黙れよ>じゃ、そこで会話が

終わるじゃないか!)


…………そろそろ

しゃべってもいいかな?


あ、ああ……許可しよう……


…………え、えーっと、

今のはなにかの遊びとか……かな?


(うっ! あれは憐れみの目だ。

可哀想な奴を見るときの目だ!!)


(くそぉ~~! このままじゃ

吸血鬼としての威厳が

完全に崩壊する……!)


…………蚊だ。


え……?


か、蚊がいたんだよ! 壁にな!

お前か剌される前に退治して

やったんだ! 感謝しろ!


あ、そ、そうなのね……

ありがとう、メル君。


ふん、虫けらごときに

アイリスの血をくれてやるわけには

いかないからな。


なにせ髪のー本から血のー滴まで

お前は我のモノなのだからな!

フハハハハ!!


ふふ、

やっぱりメル君は優しいね。


…………もう、それでいいや。

いい加減、疲れたよ僕は……






アイリスー! 遊びにきたのだー!


お邪魔するぞ~い♪


だが! お前らは許さん!!


ドン! ドン!


うわっ!? な、なにするのだ!


あれまあ~、どうしたんじゃ~?



――黙れよ。


…………


…………


(……これはこれで使えるな)


ふふ、メル君が

楽しそうでよかったわ。


まったく、なにやってんだか。



魔夜の貴公子

その他



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