ミコト&セイ&スオウ編 (5th Anniversary)Story

 
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白猫ストーリー
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2018/03/05

目次

Story1 神様の掃除
Story2 再開
Story3 神々の夜は深く


主な登場人物






story1


「おい、セイ。はたきを取ってくれよ。」
本尊に積もった埃を指で拭う。一本の筋がくっきりと描かれていた。
中々の埃の量である。

「それくらい自分で取ればいいだろう。」


すでに、柱を雑巾で磨いているセイからすれば、わざわざ止めてまで、スオウのために働いてやる必要は無い。
そう考えるのは当然だった。

「なんだよ……それくらい取ってくれてもいいじゃねえか。
渋々とはたきを手に取る。
そこですぐに仕事に戻ればいいのだが……。
「おい。おいセイ。こっち見ろ。」
言われて振り退るセイ。
「お前は邪魔しかしないな。……なんだ、はたきを両手で構えて何をしているんだ?」
「二刀流!」
「スオウ、元戦神として恥ずかしくないのか?」
「今は農具の神だからな。全然平気だぜ。」
「そうか。お前がうらやましいよ。ま、何でもいいから掃除をしろ。
紬姫が本格的にこの社に入るまでに、綺麗にしておくと言い出したのはお前だろ?
それをなんだ? お前が率先して遊んでどうする。」
「ま、そうだな。でもこの二刀流で2倍仕事が捗るはずだぜ。」
「好きにしろ。」
そんな話をしていると、廊下の方からひょっこりとマトイが顔を出す。


「おーい男子。なに手を止めているんだ。ちゃんと働け。」
「そうですわ。殿方がしっかり働いてくれませんと、いつまでも終わりませんわよ。」

「トミこそ、働いてないじゃねえか。変な扇子で仰いでるだけだろうが。お前も働けよ。」
「やーですわ。れでぃーが埃にまみれて掃除するなんて、全然ろまんていつくじゃありませんわ。
あと、私のことはジョゼフィーヌと呼んでください。」
「なんだよ、「れでー」とか「ろまんてっく」って。理由になってねえぞ。」
「それなら、れでぃーふぁーすとですわ。」
「それも意味わかんねえよ。」
l「おい。スオウ、トミフィーヌのことはもういいから、お前は働け。」
「変な混ぜ方しないでください!」
s「ジョゼフィーヌ・トミ。」
「続けて言うのもなしですわ!」
「ミコトだってしょっちゅう言い間違えてたぜ。」
「あの人は真正のうっかりさんですから仕方ないですわ。
ま。いなくなったら、いなくなったで、寂しいですわね。
l「あいつはあいつの役目がある。それにいい仲間もいる。
m「それと寂しいのとは、話が違うぞ。
「自分を誤魔化すには、納得できる理由が必要だ。
「会った所で、もうミコトさんには私たちの姿は見えませんよ。彼女はもう神ではないですからね。
s「そうだな……。

神様たちが当初の目的から逸脱しつつあると、天井裏で音が鳴った。
l「なんだ?」
s「誰かいるな! 出てきやがれ!」
スオウがはたきを天井めがけて投げつける。
天井板がひっくり返り、そこに潜んでいた何者かの影が落ちてくる。


「いててて……。小僧! なんてことしやがんだ!」

t「どなたですか?」
l「俺たちのことが見えているということは……。こいつも神か?」
m「なら、どうしてこの社にいる? ここはミコトの社だ。」
「おい。おっさん。何勝手に人の社に入って来てんだ。理由を聞かせろよ。」
「あーん……。お前たちこそ、この社に無断で入ってんだよ。」
ここはミコト・ウタヨミの社だろ? そんなら俺の社も同然じゃねえか。
せっかくうるさいナユタや風神雷神姉妹から逃げられたってのに、ぎゃーぎゃー騒がしくするんじゃねえよ。」
その言葉を聞き、神様たちは顔を見合わせた。

l「ナユ……大日照天様の下から逃げ出したのか……。しかも呼び捨て!
s「やべえ。捕まえて、突き出すべきじゃねえか?
m「そうだな。」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待て! それだけは勘弁してくれ! またこき使われるに決まってんだ。
あの姉妹の眼を盗んで逃げだすのにどれだけ苦労したか……。
頼むよ、ほら。この通り。」
s「どうする?」
l「どうすると言われてもな……。」
平身低頭、懇願する妙な神様? を前にセイとスオウが互いに首を傾げた。




story2



「この峠を越えた所に、クリガラの社がある。今日はそこでひと休みしよう。」

「お社、綺麗にされているといいですね……。」

「気になりますか? ミコト様は女性ですから、社に寝泊まりするのは抵抗があるでしょう。」
「あ、違うんですよ。お社が綺麗にされていないと、なんだか切ない気持ちになってしまって……。
今頃私の社、いえ元・社はどうなっているのかな。荒れ果てているのかなあ。」

「クリガラの社は討伐者たちが手入れしてるからそこらの社よりは綺麗だぜ。」
「へえ……。」
「クリガラで祀られている神様は、討伐者と出世の神様なんだ。
元々は討伐者だったが偉大な業績を讃えて、神格化されたんだ。」
h「俺たち妖怪と討伐者が協力するようになったのも、クリガラの神様が尽力された結果だ。」
「私、和歌の神様でしたから、そういう荒事の神様とは緑が無くて……。会ったことはないですねえ。
でも、お社が綺麗にされているということで、安心しました。もうひと頑張りして、お社に向かいましょう。」
「そうだな。」
「もうすぐ着くと思うと、元気が出てきましたよ。少し早足で行きましょうか。」
h「調子いいこと言うぜ、ミコト。」
「へへへ。では、行きまっ……。」

「「……!?」」
k「き、消えた!」

 ***

その、少し前。

s「よしわかった。お前がミコトの知り合いだって言うなら、見逃してやってもいいぜ。」
「お前って言うんじゃねえよ……! そんなもん本人呼べばいいだろうが、本人。
l「お前の言うようにミコトを呼んでも、ミコトはもう神を見ることはできないぞ。」
「だからお前って言うんじゃねえよ……! 俺が一筆書きゃあ、本人も呼べるし、神様も見えんだよ。」
「本当にお前にそんな力があるのか?」
「だからお前って呼ぶなって……! ほら! いまやるから……。
はい。かくかくしかじか、っと。」


「……すよ。キュウマさん、トウマさん、お社まで競争ですよ!
て、うわああ! お社についてる! 私、そんな力あったっけ……!
おや? 何か懐かしい感じが……あれ? ここ私の社?」


「お、おい……ミコト。」
「うわ! セイちゃん!」

「ミコトなのか?」
「スウちゃん!」

「ミコト、私たちが見えるのか?」
「マトイちゃん。それに……。
トミちゃん。」

「ジョゼフィーヌですわ!」


「これ、いったいどういうこと? みんなのことが見える……。」

「俺がやったんだよ。ほら、俺のことこいつらに紹介しろ。」
「あ、先生! お久しぶりです。」
「「先生?」」


ヨミビトシラズ

「そうだ。俺はこいつの神様の先生だ。こいつに神様のイロハを教え込んだのは俺だ。」
「和歌などの言葉に関する神様は、みんなヨミビトシラズ先生の教えを受けるんです。」
「まあ、俺は言霊全般の神やってるからよ。みんな俺の下についてる感じだな。」
l「それはわかったが、なぜヨミビトシラズなんてふざけた名前を名乗っている?」
「お前ら、大日照天や大月照天のことを軽々しく誹で呼ぶのかよ。」
s「あ、確かに……。」
「先生のヨミビトシラズという名は字です。」
s「お前、本当に偉かったんだな。」
「だから、お前って呼ぶんじゃねえよ。」
「あ、先生、呼び出されたのはいいですけど、キュウマさんたちと旅の途中なんです。
突然いなくなったら、皆さん驚いちゃいます。元の場所に帰らないと……。
あの、クリガラの……社に……」
ヨミビトシラズはちらりと、セイたちを見やる。わずかに顔色が曇っているようだった。
それは、ミコトも気がついていた。彼女の言葉が弱々しかったのはそのせいだった。
「まあ、いいじゃねえか。俺だって少しは事情を知っている。
こいつらダチなんだろ。今日ぐらいいいじゃねえか。もう当分会えねえぞ。
「下界の仲間には俺が知らせておくよ。クリガラの社にいるんだろ。伝えておくよ。」
ポンとミコトの肩を叩いて、ミコトを一歩前に進ませる。
「おっとっと……。」


一歩進んだ前には、懐かしい友人たちがいた。




story3



クリガラの地に風が吹いた。吹いたや否やそこに人影が現れる。
「トウマ。そっちはどうだった?」
「いえ。見つかりませんでした。」
「これだけ探してもいないか。まさか俺の目の前でこんなことが起こるとは……。
不覚……。」
「相棒、落ち着け。気持ちは分かるがあせっちゃ……。」
言いかかった言葉の途中で、フウチの声色が変わる。


『討伐者たちよ。慌てる必要はありません。』

「フウチ……女の声?」
『私はこの地に祀られる者。貴方たちを守る者です。』
「クリガラの神か……。」
『ミコト・ウタヨミの身なら安心なさい。彼女は今、懐かしい友と会っているだけです。』
「貴方がそうおっしゃるなら……。」
「いや、証拠を見せてくれ。ミコトが安全だという証拠を。
それが無ければ例え貴方の言葉でも信じられない。
『……。
……。』
「……?」
『ないわー。お前、その考え方ないわー。』
「「へ?」」

 ***

「ないわけないだろ! 何もないわけないだろ! 男子と旅してるんだろ! ないわけないだろ!」
「マ、マトイちゃん……。てんしょんおかしくなってるよ。本当に何もないって……。」
「そんなことないだろ。私に任せろ。私は恋の神様だからな。言ってみろ言ってみろ。
私に火種をくれ。燃えに燃えているヤツをくれ。ほらほら。」
t「マトイさんはこの手の話、本当に大好物ですわね。」
「人生、恋していくらかだぞ、ミコト。人の身ならばなおのことだぞ。」
「わ、わかったからとりあえず落ち着いて……。」

そんな女子とーくに盛り上がる神と人の姿を離れた位置で見守る二柱の神がいた。
l「やれやれ。女同士の話についていけない。退散するか。
s「ああ、賛成だ。


 ***


「案外、話すことないもんだな。いざ本人が現れると……。」
「そうだな。元々、目的があって一緒に行動していたわけじゃない。
今のあいつは大きな目的があって仲間たちと行動している。」
「それそれ。なんていうか尻込みするよな。頑張れしか言えないもんな。」
「だが、それでいいのかもな。
俺たちが伝えたいことを素直に伝える。それだけでいいのかもしれない。」
「だな。難しく考えたって仕方ないよな。」
結論の出たふたりに、声がかかった。

「セイちゃん、スウちゃん。ふたりともこっちに来て話そうよ。」
s「おう。ミコトか。」
l「ちょうどお前のことを話してた所だ。」
「あー、悪口でしょ?」
s「近いかもな。会っても話すことないって、ふたりで言ってたんだよ。」
「えー……それちょっとひどいよー。」
l「だが、本当にそうなんだ。俺たちからお前に言えるのは、ひとつだけだ。
頑張れ。それだけだ。」
s「俺たちは、いつも見守ってるぜ。」
「セイちゃん……スウちゃん……。」
s「ほら、もう俺たちのことはいいから向こうに戻れよ。」
l「俺たちの伝えるべきことは伝えた。
それ以上は蛇足だ。」
s「字余りなしってところだな。」

思わず、ミコトの胸に熱い思いがこみ上げる。共に過ごした日々を思い出す。
それが涙となって、溢れ出かけた。
「ふたりとも……ありがとう。……ありがとうね。」
ミコトは言い終わると踵を返した。
ここで自分が涙を見せてしまうと、ふたりの気持ちを裏切ることになる気がしたからだ。


l「またいつか会えるといいな。」
s「そうだな。なんだかんだで、楽しかったからな。
あいつといると。」
「ああ。」

ミコトはひとり廊下を早足で歩く。
ふと顔を上げた時、杯に浮かぶ月を眺めるヨミビトシラズの姿が見えた。

「言葉には想いがある。命がある。挨拶なしで行っちまうのは、ちと寂しいわな。」
「先生……。もしかして私のために……。」
「そうさなあ……解釈は人の数あるからなあ。今宵の月を寂しく思うか、嬉しく思うか。人それぞれよ。
それを残すのが、歌ってもんじゃねえか?」
「……はい。」
ミコトは言われて、懐から筆を取り出し、一気に書き上げる。
「先生、この歌を、私が帰った後、皆に渡して下さい。
渡された歌を一瞥し、ヨミビトシラズは笑った。

 舟待ちて
 踏み明く雪の 音浮かび
 水面の月は 朧と笑う

「悪くない。」
頭を下げてミコトはその場を立ち去る。
「誤字はあるけどな。」
と、ヨミビトシラズは瀧と書かれた文字に朱を入れた。

そして、神と人とが語らう夜は更けていった。
一方、その頃、キュウマたちはというと。


『で、キュウマ、アタシ見て、どう思うわけ? 神になったアタシ見て、どう思う?
やっぱ、自分も神、目指したくなる。でしよ? そうじゃないと嘘だよね。』
「は、はあ……。」
『じゃ、目指そう。とりあえず神、目指そうか、キュウマ。話そっからだわ。』
「は、はい……。」
かなり意識の高い神に絡まれていた。







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