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【白猫】ブランシュ・思い出

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最終更新者:にゃん


ブランシュ・ロザリウム cv.種田梨沙
ステキな建物を創るお姫様。
平和を築くために奮闘中。
2015/03/27


思い出1



キュッキュッ、キュッ!

なに、どうしたの?

キュイキュイ。

キャトラって、星たぬきさんとおしゃべりできたんだっけ。

なんかこの子たちの仲間が熱出しちゃったらしいわ。

じゃあ、今日の工事はできないわね。

お困りのようですね、みなさん。

キュキュキュ! キュイキュイ!!

大工たぬきたちが興奮してる?

どなたですか?

私はブランシュ、<荒れ野の島>の王女です。

王女様なのね。確かにそれらしい格好。

現場作業が必要でしたら、ぜひ私にご用命ください。

あら、大工さんを紹介してくれるの?

はい、この私でよければ。

ブランシュさんって、大工さんなんですか?

まさかそのハンマーって、大工さんの仕事をするためのものなワケ?

おっしゃる通りです。

キュイキュイ、キュキュキュ。

……え? そうなの?

ちょっとこの子、建築の世界では有名みたいよ。すごい建物をつくるんだって!

主人公。お願いしてみたら?

お任せいただけるんですね。ありがとうございます! では皆様、まいりましょう!

キュイー!!

よっしゃおらー!!

すっごい気合!?




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思い出2



っしゃこらー!!

<ブランシュが、すごい勢いでハンマーを振るい、地面に杭を打ち込んでいる。>

はい、ひとまず休憩にいたしましょう。

キュイキュイー!!

すっかり大工たぬきとも打ち解けてるわね。

はい、すっかり仲良しです。

でもアンタ……あの……ちょっと気になることがあるんだけど。

なんでしょうか?

アンタ……その服を着たまま作業しているワケ?

それってドレスよね? ウェディングドレス?

残念ながら違います。これは公務を行う際に着るドレスなんです。

そんな大事なものなら、どうして?

私の島の王家にとって、現場作業は神聖なもの。

王女の私にとって、現場作業は公務ですから。

すごく建築に熱心なとこなのね。アンタの故郷。

私の母国<荒れ野の島>は、これといった輸出品はありませんが、建築だけは発達してるんです。

ですので、外貨を稼ぐために積極的に建築技術を輸出しているんです。

私がこうして旅をしているのは、建築の修行と、外貨の獲得。それから――

島を出て働いている、現場のみなさんをねぎらうためなんですよ。

変わった国ねぇ……

我が国は名前の通り、荒地や岩山ばかりで住みにくい場所でした。

そんな国を住みよく変えようと、国の民は昔から苦心を重ねたんです。

現在ある建築技術は先人たちの努力のたまものです。

なるほどねえ。そこまではわかったわ。でも、もう一つ疑問が……

何でしょう?

その服、汚れないワケ?

気合で汚れを吹き飛ばしているので平気です!

すごいですね! 洗濯いらずです!



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思い出3



<大工たぬきたちが、ブランシュを囲んでいる。>

人気があるわねえ。王女様。

やさしい人だもんね。

っしゃおらああ!

な、なんなのー!

ごめんなさい。びっくりさせてしまいましたか?

今のは一体何なの?

はい、たぬきさんたちに気合をいれたところです。

気合……確かにアンタ、お姫様だってのにたまーに気合入れるわよね。

気合がないとハンマーは振るえませんから。大工は気合です。

確かに気合は大事だわ。アタシはネコだから、あんまり気合入れる必要ないけど。

キュイキュイ! キュイイイ!

あれ、どうしたの? 大工たぬきさん。

ねえブランシュ、大工たぬきたちが質問があるって。

なんでしょうか?

キュッキュー、キュキュー! キュキュキュルキュキュ、キュキュイキュイキュイイ。

あー、えーとね。最近はどんな建物を作ったのかって聞いてるわ。

そうですね。少し前に舞台を設営しました。歌舞伎という、異国のオペラです。

有名な風景画家に美術を担当していただいて、とても豪華だったんですよ?

いろんなものを作るのね?

つい先日は、神殿を作りました。

なんかスゴそうね?

それほど大規模なものではありませんよ?

旅の途中で助けていただいた修道女様に、お礼ということでつくらせていただきました。

お礼とはいえ、神殿つくっちゃうなんてさすがねぇ。

修道女様には『これで信徒が増えるわ』と喜んでいただけました。

そのあと神殿には神父さまもやってこられて、『これはこれは、悪魔の墓場にはぴったりだな』って。

二人で仲良くされているといいんですけど。

……なぜかしら、ドタバタ劇の予感がするわ。



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思い出4



っしゃー! いくぞおらあぁ!

ふふふ、みなさんごきげんよう。

こんにちはブランシュさん。今日も気合入ってますね。

何かうれしいことでもあったの?

お姉さまからお手紙をいただいたんです。

アンタ、お姉さんがいたの?

はい、双子のお姉さまです。気品があって、すごく賢いんです。私とは正反対です。

そんなことないわよ。アタシほどじゃないけど、アンタは気品があって賢い方だわ。

キャトラったら……

……私は昔からお転婆でしたが、お姉さまは本とお花が好きで……

昔から、何もかも違ったんです。でも、お姉さまはすごく優しくて。

いいお姉さんなんですね。

……ブランシュ、どうしたの? ちょっと辛そうだけど。

実は……最近お姉さまと私は、すれ違ってばかりなんです。

何かあったの?

お姉さまは、いつも国のことを考えている方です。

でも、そのせいでお姉さまは、非常な決断を下されることがあるのです。

私は、お姉さまのやり方には納得できません。

じゃあ、ちゃんとケンカしなきゃね。

……キャトラさん。

ケンカしなくちゃわからないこともあるわ。ぶつかってみないとね。

――そうですね、キャトラさんの言う通りです。

私もお姉さまにぶつかりあってみます。このハンマーで!

ハンマーはやめなさい!



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思い出5



<主人公は角材を担いでいる。>

っしゃー!! ったぁああああ!

しゃーおらぁ!!

みんな気合はいっているのね。

主人公さん。お手伝いありがとうございます。

キュッシャー!

主人公さんはきっといい大工になれますね!

たぬきたちもなかなかの気合だわ。

とりあえず今日はここまでにしましょう。

明日は島の外の仕事にうかがいますので。

よく働くわねぇ。

はい、私の国出身の人たちがたくさん働く現場なんです。

王女として、皆様の労をねぎらわねばなりません。


 ***


……なんということでしょう。

どうしたの? ショックなことでもあった?

……現場の作業員の方々が、全員別の業者に引き抜かれてしまったんです。

ど、どうしてそんなことに!?

私の国の現場作業員はとても優秀ですから、引き抜きは日常茶飯事なんです。

でも、これほど大規模な引き抜きなんて……

どうすんのよ、アンタ。

……このままでは、依頼を断るしか。

ですが工事を断るなど、我が国の名折れ。

私は王女として、どうするべきなのでしょう……



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思い出6



……なんとまばゆい輝きでしょう。この光はそう……

現場で働くみなさんの、汗の輝き……

汗……ねえ……

そう、この私は王女であり、現場の人間。

たとえ不名誉でも、現場を無視した決断を下すことはできません。

じゃ、どうするの?

きっぱりとお断りします。

確かにそれも仕方ないわ。

でも、なんだか悔しいですね。

ふふふ、もしこの私があと二人もいれば……

工事を終わらせることも、不可能じゃないかもしれませんけどね。

<――その時、光の中から、人影が現れる。>

まだ諦めてはダメよ。

あ、あなたは――私!?

ブランシュ!? ブランシュが、もう一人出てきちゃった!?

我が国にとって、建築とは誇り。さあ、明日をそのハンマーで創り上げましょう。

もう一人でてきたぁ!

あなた達は一体……!?

私達はルーンによって生み出された存在。

貴方の想いに応えて生まれた、貴方の分身。

なんだこりゃ……

……私、それから私! ……ありがとう、本当にありがとう。

力をあわせ、世界に平和を築きましょう。さあご一緒に!

「「「よっしゃおらああああ!!」」」



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