ハッピースイーツカーニバル Story5

 
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story


 まっちゃ村といちご村の人々と別れ、
 君たちはスィー鳥の新たな名所を訪れた。

 そこは森だった。


  ウィズ  
すごいにゃ。

 四方を取り囲むように自生する木々を君は見た。
 この森の木々の枝になっているのは、深縁の葉で
 はなく、芳醇な香りを放つチョコである。

 ひとつ取ってもいいかな?と
 君はラヴリたちに訊ねる。


  ラヴリ  
どうぞ、どうぞ。この島にあるお菓子は
自由に食べてください。


  ピーク  
おいしいものはみんなで分ける。
それが私たちのルールなんだよ。

 プレミオ  
だがデザートンはそんなことはお構いなしに
お菓子を独り占めにしている。

 許されることではない。と君は思った。

  ウィズ  
懲らしめないとダメにゃ。

  ラヴリ  
うん。でも、かわいそうですね。

 かわいそう? ラヴリの言った意味が分からず、
 君はオウム返しに聞き返した。

  ラヴリ  
ひとりで食べても寂しいですから……。

 プレミオ  
うむ。そうだな。それはただお菓子を食べている
だけだ。

  ラヴリ  
みんなで食べるからおいしいし、楽しいんだよ
ね♪

 そうかもしれないと、君は答えた。

お菓子がある時とない時じゃ幸せな気持ちが全然
違うんですよ。それがお菓子の魔法なんです!

 プレミオ  
せっかくなので、みんなで幸せな気持ちになろう
じゃないか。

 プレミオは森の木々になるチョコをみんなに手渡
 し、そう言った。

 君はこくりとうなずき、チョコを食べた。


  ???  
甘い……。

  ウィズ  
誰かいるにゃ。

 森の奥に進むと、チョコの木の陰に男がひとり佇
 んでいた。



 その男のまとう言いようのない不穏な気配は、
 一目見て、彼が只者ではないと教えてくれる。

  ラヴリ  
あのー? もしかして私が呼んだ助っ人の方で
すか?

  ???  
助っ人? さあ、知らんな。

  ウィズ  
でもとてもこの世界の住人とは思えないにゃ。

ヴィルフリート
我は不死者の帝王ヴィルフリート。
ここは甘いものが多い。
だが、甘いものの次はしょっぱいものが
食べたくなる。そしてまた甘いもの………
どうやら妙な袋小路に迷い込んでしまったようだ。

  ラヴリ  
お菓子を楽しんでもらっているならよかったです。

 楽しんでいるのかな? と君は首をかしげる。

  ウィズ  
たぶん私たちにしてあげられることはなさそうにゃ。

 助っ人でないのなら、彼に無理を言うこともできない。
 君たちはその場を立ち去りかかる。

ヴィルフリート
待て。……我も連れていけ。

  ウィズ  
どうしてにゃ?

ヴィルフリート
くくく……。

 なんだか難しい人だな、と思いながらも、君たち
 はヴィルフリートと共に森を進むことにした。


 ***

 ヴィルフリートを連れて、先へ進んでいると――

 今度は君の前に、痩身長躯の男が現れる。
 あの、歪な戦いの気配が再び君をとらえる。


ディートリヒ 
貴君か……。こんなところで会うとは奇遇だな。

 来ていたんだ、と君は返した。
 声は、震えていなかったはずだ……。

 小声で訊ねるように

  ラヴリ  
どなたですか?

 事情を知らないはずのラヴリですら、
 彼の雰囲気に戸惑いを隠せない。
 ウィズに彼の素性を訊ねる声は、自然と
 小声になっていた。

  ウィズ  
ディートリヒ・ベルク……。
ドルキマスという国の元帥にゃ。

 そんななか、ただひとりディートリヒの醸し出す
 殺伐とした気配に気おされぬ者がいた。


ヴィルフリート
ほう、その眼……。

ディートリヒ 
貴君、何者だ。誰が私の顔を見ていいと言った。

 そしてディートリヒもまた、ヴィルフリートの
 不穏な気配にまったく動じていなかった。

ヴィルフリート
無礼者め。

 君はにらみ合うふたりの間に割って入り、
 その場をとりなす。
 ラヴリの魔法でやってきたことやデザートンのこ
 となども、一息に説明した。

 少し慌てていたかもしれない。このふたりの衝突
 など想像するだけでも恐ろしかった。

ディートリヒ 
貴君……。

 その声はザクリと君の背筋を刺した。

ディートリヒ 
私は暇ではない。我が国は、戦争の只中だ。
ここにも、その下らん怪物にも、興味はない。
無論、死にぞこないの帝王などにもな。
ドルキマスヘ帰る。案内をしろ。

 それだけ言って、彼は先に行ってしまった。

  ウィズ  
あ。行っちゃったにゃ。

 君は慌てて後を追った。なぜかそうしなければ
 いけない。そんな風に考えてしまったのだ。

ヴィルフリート
ディートリヒ・ベルク。……気に入った。とても
気に入ったぞ。


***


 妙に緊張した雰囲気のまま、君たちは
 道中を進んでいた。その原因はもちろん
 ……道連れとなったふたりである。


ヴィルフリート
ディートリヒ……。

ディートリヒ 
……。

 唐突に話を振られても、ディートリヒ・ベルクと
 いう男は眉ひとつ動かさない。
 そんな男だった。彼は鋭い双眸を少し動かしただ
 けで、その返事とした。

ヴィルフリート
その眼。その眼だ。
貴様、人に頭を下げたことはあるか?

ディートリヒ 
ある。

 意外だった。まるで生まれてこのかた、人に頭を
 下げたことなどない。
 彼のことをそんな風に思っていた。よく考えれば
 そんな訳はないのだ。

ディートリヒ 
だがもう下げることはあるまい。
その男はもう、いないからな。

 いない……。ただそう言っただけのはずだ。
 そのはずだが……。

  ウィズ  
……なんか物騒な話に聞こえるにゃ。

ヴィルフリート
いい答えだ。独善、冷徹、凶暴、あらゆる要素が
備わっている。
ディートリヒ・ベルクよ。我と手を組め。
そして世界の頂点を手に入れるのだ。


 このふたりが組む……。それかどのような結果を
 もたらすのか、君にはまるで想像できなかった。
 君は自分の胸に生まれた矛盾する想いに、打ち震
 えた。
 それはまるで、自分のなかの見たくない部分を出
 してしまったかのような……そんな気分だ。


ディートリヒ 
断る。世界など……貴君の力を借りずとも手に入
れられる。

ヴィルフリート
それは不可能だ。ふたりでしか手に入れられない
世界というものもあるのだ。

ディートリヒ 
ならば、この私の代わりとなる者を探したまえ。
死にぞこないたちの帝王よ。
どこかに私以上の者がいるならな。

  ラヴリ  
ちょっともう……ケンカはだめよぉ。

 ***


ディートリヒ 
ここはこんなものばかりだな………

  ラヴリ  
ディートリヒさんもお菓子は好きですか?

ディートリヒ 
私は、戦争に明け暮れていた。
戦争に狂っている。私を評して、そう言う者も
いる。そんな私に、これが似合うと思うか?

  ラヴリ  
そ、そんなことは……。

 言いよどむラヴリの言葉を継いだのは、
 ヴィルフリートだった。

ヴィルフリート
意外な人物が意外なものを好きだということで
生まれるギャップが功を奏する場合もある。

 と言い、ヴィルフリートはディートリヒに
 お菓子を渡した。
 それを受け取り、ディートリヒは不敵に笑う。

ディートリヒ 
意表を突くということか……。
貴君らしい、お利口ぶった姑息な考えだな。
だが……いつか戦争の時代が終わったとき、
必要とされるのはこの私よりも――。
こういったものなのかもしれない。

  ラヴリ  
戦争に役立つものではありませんが、人を幸せに
する魔法がありますから!

ディートリヒ 
魔法か……いつ聞いても陳屑でうろんな言葉だ。
しかし、お菓子の魔法とやらは私にも容易に想像
できる。

  ウィズ  
まったく素直じゃないにゃ。

ディートリヒ 
ムッ!


ヴィルフリート
まだまだ甘いな、ディートリヒよ。

 君たちが気づかないうちに、こちらをつけ狙って
 いた魔物の一撃がディートリヒを襲った。
 すんでのところで、ヴィルフリートの大鎌がそれ
 を阻止した。

ディートリヒ 
いらぬことを……。

ヴィルフリート
くくく……!

ディートリヒ 
ふん。そんなことよりも、まずはこの危険を乗り
越えねばなるまい。

 そうだった。いまはまずこの魔物たちを
 なんとかしなければいけない。だが――。
 君は少しだけうれしくなる。
 彼らに背後を預けることがとても――。
 とても頼もしい気がしたからだ。


***


 魔物たちはディートリヒとヴィルフリートの連携
 になす術もなく、四散した。

  ウィズ  
さすがにゃ!

 君もあまりの強さに思わず感嘆した。敵にすれば
 恐ろしいが、味方にすれば心強い。
 そんなふたりである。

ディートリヒ 
死にぞこないたちの帝王よ。なかなかやるな。
貴君と組むのも、悪くない。

ヴィルフリート
ならば手を貸せ。我と共に世界を手に入れるぞ。
まずはこれを読め。

 ヴィルフリートはディートリヒに冊子を一部渡
 した。

ディートリヒ 
なんだ、これは?

ヴィルフリート
台本通りに読むだけでいい。何も最初からうまく
やれとは我も言わん。

  ウィズ  
何が始まるにゃ?

 さあ、と君も首をかしげ、ふたりの様子を
 見守った。




ディートリヒ 
これを読めばいいのか……。(咳払い)

元帥と。

ヴィルフリート
帝王の。ショートコント。
「ハイテク芸者ガール、ゴーウエスト」

ディートリヒ 
待て。

ヴィルフリート
なんだ。

ディートリヒ 
これはなんだ? なんの真似だ?

ヴィルフリート
知れたことを。無論、漫才ではないか。
我がボケで貴様がツッコミ。

我は常々、我の最高のギャグを引き立たてる
最高のツッコミを探していた。

それが貴様だ、ディートリヒ。その冷徹さ、
反骨精神、無意味に偉そうな態度。
優れたツッコミの資質を全て兼ね備えている。

ではやり直すぞ。

ディートリヒ 
元帥と。

ヴィルフリート
帝王の。ショートコント。
「おでんが背中に入ってますねん』


ディートリヒ 
待て。

ヴィルフリート
はうっ……!
……地味に痛くて長引く腹部を殴るツッコミ………
これは、平凡な頭をはたくツッコミに新たな地平
を開くかもしれんぞ。貴様、やはりやるな。

ディートリヒ 
人の話を聞け。私はやるとはいってない。

ヴィルフリート
つま先を思いっきり踏む! 素晴らしく地味に痛
い! さすが我の見込んだ男。もっとだ!

ディートリヒ 
…………。

ヴィルフリート
ここで何もしない。すると見せかけてしない!
いいぞ……!

ディートリヒ 
ふん!

ヴィルフリート
はう……! と見せかけてする! いいぞいいぞ。
さあ最後にあの一言を言うんだ! さあ!

ディートリヒ 
……下らん。貴君と道化の振りなどやっていられん。

ヴィルフリート
からの~? からの~?

ディートリヒ 
……? もういい。やめさせてもらう!

ヴィルフリート
どうもありがとうございましたー。
……上出来だ。世界も夢ではない。



 君は呆然と目の前で起こったことを眺めていた。
 まあ、なんというか……。

  ウィズ  
あのふたりは置いていくにゃ。

 プレミオ  
う、うむ。早くデザートンを倒さないとな。

  ラヴリ  
さあ、行きますよー♪

 君たちはスィー島の混乱を収拾すべく先を急いだ。






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