ノイン・バックストーリー

 
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ノイン・ケーラ CV:
2017/00/00



――ノインは、『歩く』という行為に絶望すら感じていた。

「だるいし。疲れるし。足を動かすのもめんどくさいし。そもそも歩かなきゃいけない理由とかあったっけ?」

ないわけがない。
星の運行が及ぼす魔力への影響を応用し、魔法の力を高める星術士――
そのなかでもノインは、膨大なる知識と絶大なる魔力を持つ大賢者として知られている。
今夜も、名だたる賢者を集めた会議に出席せねばならない。
サボりたいところだが、議長が厳しい恩師なので、そうもいかなかった。

「あ~……会議、めんとくさいなぁ……雨降って中止になんないかなぁ~……」

ごろごろと寝っ転がりながら、しばし思案していると――
ぴん! と、ノインの脳裏に閃きが訪れた。

「そっか! 雨を降らせばいいんだ!」

とんでもないことを言い始めた。

そこからノインは恐るべき集中力を発揮し、大きな渾天儀――この世界の模型――を造り上げた。

この潭天曇、ただの模型ではない。
呪文を唱えると、周囲に小さな星々が浮かぶようになっている。しかもこれは、実際に天を巡る星々と同調しているのだ。
さらに――

「えっと、水の気を増やすわけだから、この星をこっちにやって、えいっと」

潭天儀上の星々をつまみ、ひょいひょいと位置をずらす。
するといきなり、窓の外でザーッと激しい豪雨が降り始めた。

潭天儀上の機々を操作することで、実際の星々の位置すらも入れ替え、天候のバランスに影響を与えたのだ。
とてつもない、というか、もはや完全に人知を超えたレベルの魔法である。

そんな神のごとき所業を成し遂げた本人は。

「やたっ、成功~| お休みお休み~~♪」

潭天儀に乗っかり、うれしそうに、にへにへとだらけるのだった。
この潭天儀を媒介として星々の運行を自在に制御できるのだとすれば、世界を拳握することすら夢ではないが――
どうやら、そんなつもりはなさそうだった。

――なお、会議は雨天決行であったため、後でしこたま怒られた。





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