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【白猫】テーミス・思い出

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最終更新者:にゃん

テーミス CV:西明日香


思い出1



「えーっと……右だったかな……それとも左だったかな……」

「ムムっ!あわれなほ一こーオンチ発見! キャトラさんが助けるわよ!」


「ちょっとそこのアンタ!」

「はい?」

「だれ!?」

(だれって……!)


「あ、わたしはテーミスと言います。」


「しょくぎょーは!?」

「裁判官……かな……」

「さいばんかん?」

「え一っと、判決を下す人のこと……を、指すはずです……」

「ずいぶん自信なさげねえ。自分の仕事のことでしょお?」

「わたしの仕事……なんてすかねぇ……?」

「あっ、アタシに聞かれても……」


「あ、ごめんなさい。そうなんです、わたし、裁判官なんですけど……

まだ一人前じゃないの……きっぱりと、有罪か無罪か、なかなか決められなくて……」

「あー、ダメ系の子ねー。」

「ダメ……ですよね……わたしいっつも、もっとしゃっきりしろって言われたり……

言われなかったり……」

「む一。すっきりしないわねえ……」


「テーミスさん、どこかへいこうとしてたんじゃないですか?」

「あ、はい。今日は裁判があるので、行かなきゃならないのですが……

でも……行ってもどうなのかな……行かないほうがいいとかあったりするのかな……」

「仕事でしょ!さっさとおいきなさい!」

「あ、はい……」


「……主人公。ああいう優柔不断にはなっちゃダメだからね?」


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思い出2



「うーん……」

「テーミス、なに悩んでるの?」

「あ、キャトラさん…………ですよね……?」

「そこ疑わないでよ!」

「あ、こめんなさい……」


「それで、テーミスさん、どうしたんですか?」

「えーと、お昼ごはんをどうしようかと……

こってり系でいこうか、あっさりめにしようか……」

「ハイハーイ! カニカマー!」

「それだけじゃおなかふくれないでしょ?」


「……そもそも、お昼を食べるべきなのか……?食べない選択肢もあるのか……?」

「ないわよ!」

「ないけど、なくもないのか……?」

「ないったらないわよ!」

「ないったらないのか……?」


「テーミスさん、お仕事するためにも、食べたほうがいいですよ?」

「うーん……わたし、お昼のあとも働くんでしょうか……?」

「他人に聞くことじゃないでしょ!」

「でも、すぐにはなかなか決められないし……」

「じゃーアタシが決めるから!もくもくごはん食べて、きりきり働きなさい!」

「あ、はい。」


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思い出3



「テーミスってば、なんたってそんなに煮え切らない性格してるのよ?」

「えーと、これは関係ないかもしれないんですが……」

「うん。」

「あ、関係ないですかね……やっばりやめときます……」

「ぎにゃー!!いいからお言い!」


「あ、はい。わたし、<揺動のルーン>というものを持ってまして。」

「<揺動のルーン>?」

「これを持っていますと、揺れると言われています。」

「……からだが?」

「からだも。」

「えっ!? じ、じしんっ!?」

「いいえ。わたしが揺れてるだけです。」

「なにそれ……


「あ~、揺れる~揺れる~……」

「揺れてないで、テーミスさん。からだ『も』っていいましたよね?」

あ、はい。なんとなく、これを持ってると、気持ちも揺れ動くような……

……揺れ動かないような……」

「揺れてるね。」


「てか、ハッキリしなくなっちゃうんだろーね。役に立たないルーンだわ……

そんなの捨てちゃいなさいよ?」

「そうも思ったんですが……

役に立たないからって、捨てていいのか、ないよりあったほうがいいのか……」

「……ダメだこりゃ。」



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思い出4



「常に揺れてることを、いいことだと思わないときもあって……」

「うん。」

「ある……かな……」

「あれ!」


「あり……まして。この性格、直したいなあ、と思ったりもしまして……

なにせ、わたしがこうだと裁判でも判決が下せませんし……

まあ……容易に下しすぎるのも、どうなの、って話でもあるわけですが……」

「いーから続きを話しなさいよ~!」


「はい……ともかく、治療、と言いますか、なにかやってみようと思って……。

風鈴なんかを聞いてみたけど、あんまり効果はなくて……」

「あらら……」

「やっぱりダメなのかなあ、と……ダメ、と言うか、受け入れるべきなのかなって……

でも、受け入れてたら、お仕事にさしつかえが出てさちゃいそうだし……」

「もう十分さしつかえてるんじゃないの……」

「え~?」

「だって、裁判官なのに判決を下さないんでしょ?」

「まあ……他の人より、時問がかかっているのはたしかですが……

最終的には、なにかしらの解答的な物を、明示したり、した風味にしたり……」

「なんだかなぁ~。」


「なんだかなあ~ですよねえ……給料ドロボー、なんて言われちゃったり……

でもそれは給料だから、わたしはドロボウとは違うわけですし……」


「もー! テーミス、めんどい!」

「ですよねぇ……」


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思い出5



「う~ん……これは、大変なことになったなあ……」


「あ、みなさん。」

「ど一したの?なにが大変だって?」

「いま、厄介な事件を抱えてまして……抱えているというか……」

「抱えてるのね。ウン、続けて!」

「あ、はい。強盗事件なのですが、それをずっと、審理してたんですけど……

審理っていうのは、事件について、いろいろと調べたことなんですが……

それで、ようやく、『有罪なのかな?』って流れになってたのですが……」

「……どうしたんですか?」

「はい……

なんだか、違う気がしてきて……

本当は、もうそこで判決を下すはずだったんだけど……

どうしても気になっちゃって……わたしのせいで、延期になっちゃったんです……」


「もー!また~!?ずばっと決断しなさ~い!」

「そう……かなぁ…………うーん……」


「待って、キャトラ!」

「へ?」

「……テーミスさん。じっくり考えてみて?」

「え? いいんですか?」

「ええ。たぶんですけど、テーミスさんが感じたこと、きっと大事なことなんですよ。」

「そう……なんでしょうか……」



「やっぱり……有罪なのかな……?

それとも……違うのかな……?」


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思い出6 (友情覚醒)



「これは……あなたの……光……ですか……?」

ルーンの光はひとしきり空中で揺れたのち、テーミスの天秤に宿った。


「……なるほど……」

「おっ! わかったのね!びしっと判決だね!」

「あ、いいえ。もうちょっと考えてみます。」

「ぎにゃー!かわってな~い!」


「いいえ、キャトラさん。裁判は、当事者にとっては、人生の一大事です。

急いでは、たぶん、いけません。納得いくまで、何度でも見直し、考えなおす……

きっとそれで……いいような……悪い面もあるような……」


「も~、けっきょく、なんなのよぉ~……!」

「なんでもないのか、どうなのか……」


「でも、これでいいんじゃないかな。

テーミスさんもいったように、人の一生を左右するんだもの。

判決がどうなろうとも……じっくり考えてあげることが、大切なんじゃないかしら。」

「もー、アイリスは、いいように受け止めちゃうんだからぁ……」

「だってね。思ったんだけど、<揺動のルーン>を手にしたのも必然だったんじゃないかって。

きっと、時間をかけてもいいから、テーミスさんが正確な裁きを出来ますようにって……だれかがいってるのよ。

たぶん……そういうことのような……ちがうような……?」

「あ、アイリスまで……!」


「アイリスさんの言う通りのような、でも、ただの偶然のような……?

でも、たとえ偶然でも、起きてしまった出来事は、必然と呼べるような……?」

「うーん……だけどね、アタシとしては、その性格なおってほしかったような……

もうどうでもいいような……」

「少しはなおってきているような、それともそうでもないような……?

あれ?キャトラさん……ですよね……?」

「そうだわよ!アタシはキャトラ……!……よね……?」

「キャトラのような……私はアイリス……だよね……?

主人公は……なんだったかしら……?」

「冒険家のような……?」

「そんなような、そうでもないような……?」


「…………」


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その他



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