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【白猫】チトセ・思い出

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最終更新者:にゃん
露天商の少女
チトセ・アラレ cv.富田美憂
飴細工の露天商を生業とする少女。
堅気衆の笑顔のために一肌脱ぐ。
2016/05/17


思い出1



さっそくお控えくださってありがとうござんす。

手前、生まれも育ちも<エンニチの島>です。

エンニチの島では<バヤシの村>に、飴細工の転び、まかり通ります。

手前、ゲンパチ親分に従います小童です。

青二才の身をもちましてのご挨拶は失礼にござんすがお許しこうむります。

手前、姓名の儀、一々声高らかに発します。

姓はアラレ、名はチトセでございます。

御一統様、以後面体お見知りおかれましてよろしく、お引き立ておたのもうします。

ぎにゃー!!!

もし? どうされました?

どうしたもこうしたもないわよ!

なによそれは!よくわかんないわよ!

へえ。<仁義>を切らせてもらいやしたが、お気に召しませんで?

じんぎ?

へえ。あっしの故郷、<エンニチの島>の伝統的な挨拶でございあす。

なるほど。その変わった言葉づかいも伝統なのね。

もっとわかりやすく話せないの?

できますよ。

できるんかい!

失礼。堅気さんとは久しく話していなかったのでつい……

かたぎ? って、アタシたちのことよね?

ねえチトセちゃん。

それって飴よね? なんだかいっぱい……

ああ、そういう商売をしているので。

普段は飴細工専門の露天商をやっています。

それって屋台を出すひと? 子供がやってるなんて珍しいわね……

エンニチの島>ではふつうなの?

はい。年がら年中お祭騒ぎ。

広場にふらっと立ち寄れば、千の屋台がお出迎え、

とまあそのようなところなので……

へぇ~、おもしろそうなところね。

ちょっと行ってみたいかも。

おっ、姐さん。達者な口をお持ちで。

ね、ねえさん……?

おーい、言葉づかい戻ってるわよー。


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思い出2


<チトセがゴザに座り、

元気いっぱいに手を叩いている。>

さあさあ姐さん方、並びに旦那様、

袖振り合うも多生の縁。三人寄れば文殊の知恵。

空は快晴、飴アラレ。小細工なしの飴細工。

三品稼業と睨まれましても、なめていいとはお菓子かな。

1000が500に100が50に五十歩百歩じゃ逃げたも同じ。

だったら一肌脱ぎましょう。

色気はないが色をつけます10G。これでどうだ。

ふむふむ。これが啖呵売<たんかばい>ね。

それじゃあ、飴を一本もらおうかしら?

へえ。どんな形にしやす?

カバでもヘビでも朝駆けの駄賃でござんす。

子猫なんてどう?

へへ、よござんすよ。

道具がないみたいだけど、どうするのかしらね……?

飴のルーン>よ、おあげなすって!

<ルーンの光から柔らかい飴が生まれ、

チトセはそれを縦横無尽に伸ばしていく。>

ちょちょいのちょいっと。

<チトセは飴の形をハサミで整えると、細い棒に突き剌した。

するとそこには――>

すごい、キャトラそっくり!

たいしたもんね~。食べるのがもったいないわ。

お粗末さんです。

ほんとにいいの?これが10Gだなんて……

へえ。笑顔をつくる商売に、損得勘定は御法度でござんす。

ふふふ、それならしかたないわね。

うーん、もうひと声!

(えっ……このタイミングで……

なにが不満なのキャトラ……)

こらぁ欲の皮が厚い姐さんですね。

もし、なら9Gでどうでございあしょ?

もっとよ!

だって飴をルーンで出したんだから材料費かかんないんだもん!

う、それは……

(チトセちゃんの言葉づかいがふつうに……

キャトラに押されてる……!)

で、ですけど、私は親元から離れて生活しているので多少は……

5Gなら買うんだけどな~?

うう……せめてろく……

さん……

ええいちくしょう! タダでもってけ泥棒猫!

まいどあり~。

どう? これぞ名づけて<啖呵値切り>よ。

キャトラ……チトセちゃんに謝ろうね……

そんな……コツコツお金貯めて、

ようやく親子丼が食べられると思ったのに……

これじゃ足りないよ……うぐう……

あ、まって、いまのは冗談で……

うわ~~~~~~ん!!!

ご、ごめんなすってー!!!

<猫が土下座している!>


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思い出3


ずずず……ぷは~♪

飴と緑茶は最良のお供ですね~。

でも、さすがに同じ茶葉を20回も使いまわすと色が薄くなってきましたね……

せこ……

実入りか少ないので、節約しないとやっていけないんですよ。

お客さんの笑顔のため……だったわよね?

どうしてそこまで……

筋目を……通さなきゃならないんです。

すじめ……?

お祭り嫌いだった私を救ってくれた……

親分の恩に報いるために……

貧乏な家庭で育った私にとって、屋台の出し物は高嶺の花。

射的、ヨーヨー、かき氷……

私はただ毎日物欲しそうに、

指をくわえて見てるたけ……


そんなある日……

親分が声をかけてくれたんです……


…………

……



「どうしたお嬢ちゃん。祭りだってぇのに、シケた面ぶらさけて。」

「お金ないから……飴玉しか買えないの……」

「そうかそうか。そいつはいけねぇ。

ならちょいーと、その飴をおいちゃんに貸してごらん。」

「うん……いいよ……」

「へへ、よーく見てろよ。

<飴のルーン>よ、あ、おあげなすってえとくりゃ。」


 突然の眩しい光にチトセは目を細める。

 その僅かな視界の中に、形を変えていく飴玉が見えた。


「これって……ヒヨコ?

「ほれ、ゲンパチ特製飴細工の完成だ。

どうでえ、おもしろいだろ?」

「あはは……おもしろい。」

「おっ、やっと笑ってくれたかい。

へへ、そうだよな。これだよな。

堅気衆の笑顔。祭はこうでなくっちゃな。」

「あの……お代は……?」

「ああべつにいいよ。もとはおめいさんの飴だし。」

「でも……」

「へへ、義理ってやつかい。その年で立派なもんだ。

なら10Gばかしもらおうか。」

「ヘヘヘ……」

「なーお嬢ちゃん。

おらぁこの広場を仕切ることになったんだがよう。

どうすりゃいいか悩んでたんだ。

でもお嬢ちゃんのおかけで、何をすべきかわかった気がするよ。」

「…………」

「おっと、そろそろ会議の時間だ。急がねぇと。

じゃなお嬢ちゃんおたっしゃで。ありがとさ――」

「待って! 私もやりたい……

私も屋台やりたい!」

「そう……かい……でもよぉ、

親御さんの承諾がねぇと組合には……」

「説得する。」

「お嬢ちゃんが考えてるほど露天商はあまかねぇぞ……」

「それでもいい。」

「へっ……ああわかった、降参だ。

おめいさんのショバを用意して待ってるぜ。」


 ***


それから私は組合に入り、親分から<飴のルーン>を託されました……

多くの人を笑顔にするようにと……

それが親分への筋目ってわけか……

エンニチの島>……素敵なところね……

へへへ、

それなら今度ご一緒しましょう。

案内しますよ。


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思い出4



「ラッシャイ ラッシャイ!

タコヤキ オイシイデチュヨー!」


「風鈴はいかがですか?」


<<エンニチの島>は話の通り、

たくさんの屋台が立ち並び、観光客で賑わっていた。>


お客さんだけでなく、

お店のひともなんだか変わった雰囲気ね。

ああそれは、ゲンパチ親分の計らいで、

組合じゃない露天商も屋台を出すことが許可されているので。

ふふふ、いなせだね♪

そういえばキャトラはどこにいったのかしらね?

さあ……猫だから金魚すくいとか?

ぎにゃー! またマトリョーシカだわ!

へへへ。残念、ハズレだ。

インチキよ! こんなのぜったいインチキだわ!

んだとこら!

猫のくせに人の商売にいちゃもんつけくさりよって!

あ、いましたね。もめてる……?

なにやってるのキャトラ?

千本引き>っていうクジ引さよ。

箱からはみ出した紐を引っぱって景品を当てるの。

でも、どこに繋かっているかは運次第。

それでさっきから毛ガニを狙ってるんだけど、

インチキで全然当たんないのよ。

あん? てめこら……

ぎにゃ!?

ちょいとそのくらいにしときやせんか、旦那。

チトセ坊か……

ちっ、面倒なやつがきやがった……

旦那、仁義をお忘れかい?

手妻なんかで堅気さんの笑顔がつくれ……

じゃかましいわ!

親分のお気に入りだからって調子こいてんじゃねぇぞ!

うぐっ……

おうおう、さっさまでの威勢はどうした?

もしかして泣いてんのか?

だれが……泣ぐもんが……!

なんだその反抗的な目は?

はん! 説教したかったらな……

こうするんだよ!

<店主は拳を振りあげた。>


――。

やいてめえ! 邪魔すんじゃねぇ!

……

くっ……なんなんだよお前は……

けっ……しらけちまったな……

毛ガニぐらいくれてやるよこの貧乏人ども。

あの……その……ありがとうございました……

ふう……間一髪だったわ。

屋台広場ってこわいとこね……

いえ……いつもはこんなことないんです……

いったいなにが……


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思い出5


親分……

<チトセが悲しげな顔でリンゴ飴を見つめている。>

チトセちゃん大丈夫……?

今朝から元気ないみたいだけど……

姐さん方には関係ないことでござんす……

つよがんないの。話してごらんなさい。

…………

親分が……病で倒れたんです……

親分が元気になるまでは……

若頭が広場を仕切ることになったんですが……

若頭は子分衆に出し物を派手にして、

相応の値段をつけるよう脅しているんです……

そんな……

悔しいですが親分の後ろ盾がない今、

私たち露天商は若頭に従うしかないんです……

お客さんの反応はどう?

若頭が渡し賃をせしめようと、

船の数を減らしたことで渡船場は混み合い、

お客さんは疲れ果て……

癒しを求めて屋台に出向けば、

べらぼうな値段で商品を売りつけられる……

そこに笑顔なんてありません……

ひどいはなしね……

なんとかできないの?

へへ……こんなとき、親分だったらどうするんでしょうかね……

私には……どうすることもできない……

…………

主人公?

ごめんなさい親分……親分が大好きだった広場を……

守れそうにありません……



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思い出6 (友情覚醒)



繊細で……柔らかな光……

<主人公はチトセに飴細工を渡した。>

旦那? これは……ウサギ?

ヒヨコよ。

主人公がアンタを励まそうと徹夜でつくったの。

ヘヘヘ。そりゃあ粋ですね……

ふふ、チトセちゃん……ようやく笑顔になったわね。

ヘヘ、そうだ……あのときだって……

ううん、いつだって笑顔をつくるのは……

……なにをすべきかわかったみたいね。

へえ!

長っ尻は商いの恥。これにて、おいとまさせていただきやす。

御一統様。感謝の言葉、ひれ伏してここに申しあげます。

ありがとうございました!


…………

……


ほれ<エンニチの島>特製焼きそばだ。

ひとつ1000Gにまけてやるよ。

高い……

なに言ってんだい。屋台ってのはそういうもんだろ。

え~、じゃあいい……

ん? あれは……


<特設舞台の真ん中にチトセが立っている。

その背後には巨大な何かか見える。>


なんだありゃ……鳥か?

金色に光ってやがる……

さーさー、ご覧なすって!

こちらに構えしは<べっこう孔雀>!


<チトセは啖呵を切り終わると

ハンマーで孔雀の飴細工を細かく砕き、

棒に剌しはじめた。>


親分に成り代わり、

百の目でみなを見守るようにと

手前勝手に手工を凝らした飴細工になります。

飴が欲しけりゃもってけ泥棒!

ぜーんぶタダだこんちきしょー!


あ、あれをタダで!?

一朝一タでこしらえたもんじゃあるめぇに……

…………


「ヘイドーモ!

タコヤキモ、ムリョウッチュ!」


なんでえ……みんなえらくうれしそうじゃねぇか……

そりゃそうか……くっ……

えーいこっちもタダだタダ!

焼きそばもイカ焼きもぜんぶタダだ! ヘヘっ……


広場に……笑顔が戻ってきやしたね……

ん?


<チトセがふと広場横の竹林に目をやると、

簀巻きにされた男がいた。>

あれって若頭……?


「お嬢ちゃん。

おいちゃんにも飴ひとつくれや。」


へ、へえ。ただいま――

!?

お、親分どうして……とても動ける状態じゃ……

こんな派手な細工を見せられちゃ、

死人もびっくらこいて起きちまうってもんさ。

ヘヘっ、広場を守ってくれてありがとよ……チトセ……

親分……

で、いくらなんでい?

俺を笑顔にしといてタダなんてことあるめえな?

ヘヘヘ……まさか……

10Gばかしもらいやす。




覚醒絵・覚醒画像


飴細工の仁義

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その他



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画像説明
チトセチトセ・アラレ cv.富田美憂
飴細工の露天商を生業とする少女。
堅気衆の笑顔のために一肌脱ぐ。

人物紹介
画像詳細
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