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【白猫】ソウルオブナイツ Story0

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最終更新者:にゃん

騎士たちの伝説、序章開幕――大いなる戦いが今始まる!


開催期間:7/14 16:00 ~ 9/20 15:59




story1 街道を進む馬車


だからさ、俺は人の笑顔が見たいってわけよ。


 街道を進む荷馬車の御者台に、二人の若者が座っていた。


人のいいこったな。ディーンさんだっけ?

 そんなんじゃ、あんたいつか足元すくわれるぜ。


 荷馬車の手綱を取るのは、赤毛の若者である。


キースさん。俺はこれでも慣れてるんだ。痛い目を見るのにはな。

あんた、底抜けの馬鹿だな。


ディーンでいい。ディーン・バルト。己の道を探す剣士ってところだ。

俺もキースでいい。あんたはあれだな、仕事以外で関わりたくないタイプだな。


俺はこういう仕事なら、ただでも手伝いたいって思うぜ。

っと、救いようがねぇな……



 ***


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 征討軍  


間違いない、<>によって生み出された合成魔獣だ。

なんとおぞましい……

おそらく人と猫を融合している。これこそ闇の所業だ!



失礼しちゃうわね!アタシのどこが闇だっていうのよ!

撃て!


キャトラ! こっちよ!


追え! 闇を逃がすな!



ハァハァ……何なのよあいつら!

あの人たち……闇を倒すっていってたけど。


 主人公たちは、物陰に隠れた!|


うそ! 街中<せーとーぐん>で一杯じゃない!もう力二カマ買いにいけないわ!

どこかに隠れなきゃ……!



 ***




この花があれば、たくさんの人が闇から救われるんたろ?

シッ、大きな声を出すな。見つかったらどうする。

なんでだ?

この花のことは、今方々で噂になってるんだ

……<>を予防できるとありゃ当然だがな。

なるほどな。こいつを高い値段で売りさばくってハラだな。

そういうことだ。全く闇さまさまだな。


闇……ありゃあ一体何なんだ。病気なのか、それとも呪いか。

どっちでもいいさ。闇は征討軍がなんとかしてくれるんだろ?

征討軍が――あいつらが闇を?

連邦>直轄の、<>討伐部隊――<征討軍>。

 連邦各国の精鋭が集まっているって話だがな。


俺は連中のやり方が、正しいとは思えない。

ほう。ディーンにしちゃあ、まともなものの見方だな。

っていうと?


正しいとは思えない? それどころじゃねぇ。

 あいつらは真っ黒さ。


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story2 二人の騎士


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 ディーンとキースは、市場の中で店を広げる。

 露店に並ぶのは、大きな白い花をつける草である。


よし、客寄せなら任せろ。

お前は黙って、怖い顔をしてりゃいい。



 老人   

こ、この花は……! <光の花>……!


 商人   

おいお前、この花を売ってくれ!

金はいくらでも出す!


 花は瞬く間に売り切れた……


な?

すっげえ売れ行きだったな。


 キースはディーンに、硬貨のつまった布袋を手渡した。


じゃあなお人よし。次からは仕事を選びな。

キース……


 ***


 店じまいをしたキースは、一人、裏路地を歩きだした。


 村の女性 

あの……お願いです!

あの花を売ってください!


あいにく売り切れだよ。


 村の女性 

そんな……娘が……

娘の様子がおかしいんです!


なんだって……!?――あいつらは……征討軍!



この街に闇を宿した者がいる。探せ――!



 ***



 ディーンは革袋をのぞき込んだ。

 金貨と、それから紛れ込んだあの花が一輪。


この花で、<>の感染が抑えられるんなら……

 助かる人がいるんなら、いいよな!


 ドンッ!!



すみません!

いや、こっちこそ……すまん。


あら、せきどめ草じゃない。アンタ、喉が悪いの?

せきどめ草? こいつは<光の花>じゃないのか?

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story3 光の花



 スラグヤード……銀の諸島最大の貧民街である。


 メグ   

征討軍のお姫様――このメグたんと遊んでくれるのかお?


一つ訂正しておこう。この私、カレン・ガランドは姫ではない。騎士だ。


 メグ   

それでは騎士様。革命軍に何の用だおー?


君たちに、問いたださねばならぬことがある――!


 メグ   

銀の王家>の連中が言いふらしてる噂を、真に受けてるお?

あたしらが――闇とつながってるって、思ってるお~?


闇ならば処断する! 征討軍の名に懸けて!


 メグ   

ご立派なことだお~?

でも一人で来たのは失敗だったお♪


ワスカの葉は、わずかな慰みと引き換えに、人生を奪う――


 メグ   

ほにゃ?


 ワスカの葉――辺境の島ワスカで栽培されていた、危険植物である。

 一時期それは流通を止めたかに思われたが……いま再び、世界へ広がり始めていたのだった。


そんなものが、銀の諸島全域に出回っているのだ。

何か情報があったら教えて欲しい。


 メグ   

どうして征討軍が、ワスカの葉なんかを気にかけるんだお?


征討軍の任務とは関係ない。

これは私の、騎士としての義務だ。

私は誓ったのだ――弱き者を守ると――!


 メグ   

その言葉に――嘘はないお?


 ***


 密売人  

ヒッ! 命だけはぁ!


 メグ   

きりきり歩くおー!


 目の前には、乾燥したワスカの葉の束が積み上げられている。


ありがとうメグ殿……

貴殿ら革命軍のおかけだ……


 メグ   

いいってことだおー。こいつらにはメグたちも困っていたんだお?

それに~密売人を捕まえれば、革命軍の株もあがって、いいことづくめだおー♪


君たちは……<銀の王家>と戦っているのだったな。


 メグ   

そうだおー! 今の王家の下じゃ、誰も生きてはいけないお!


私の立場からは――

革命を容認などはできぬ。だが――


 メグ   

だが、なんだおー?


いつか、君たちが戦わなくても

いい世界が来てほしいと、心からそう思う。


 メグ   

あたしもそう思うんだお♪


 メグは、カレンの手を取った。


 メグ   

ともだちだお! カレンたん!


カレンたん……か。


 メグ   

れんぽーの人たちは好きじゃないけど、カレンたんは好きだお!




 ***



(そう、いつか……平和な世界が……!)


 ヘクトル 

カレン殿――?


すまないヘクトル殿。

少し、考え事をしていた。


 ヘクトル 

油断召されるな。

ご自身の身をしかとお守りあれ。


 連邦よりの依頼を受け、カレンの属する剣誓騎士団は、とある孤島の探索を行っていた。


 ヘクトル 

ここが<合成魔獣>どもが作られた場所であるのなら……警戒するに越したことはありませぬ。


お言葉の通りです。合成魔獣……

命をもてあそび、新しい魔物を生み出すとは。


 ヘクトル 

かかる所業、いったいどこの誰が?


近隣の住民が、この島で多数の獣人や半獣を目撃したらしいとのことですが。



(彼女も、半獣だったか……)


 ヘクトル 

もしそれが本当であるなら――

この件の黒幕は、帝国と……?


帝国は獣人族、半獣族が支配する国家です。

――そう考えるのも当然ではありますね。


 ヘクトル 

しかし――技術に頼るなど、帝国らしくもない。


確かに、かような大仕掛け、

鋼の島>の者どもが好みそうではあります。


 ???  

ぐ、ぐおおお……!


 ヘクトル 

ぬうう!! フルガードッ!!


持てヘクトル殿、敵ではない!


 ???  

殺してくれ……


どうしたのだ!


 ???  

私を……殺してくれ!!

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story4 王女の涙



 連邦加盟国<剣の国>ローエングリン城。

 征討軍の本拠地であった。


 <剣の国>は、白き光の法を守る<剣誓騎士団>に与えられた所領である。

 <剣誓騎士団>は<征討軍>の中核をなす勢力となっていた。


ビゴ-将軍、連邦議会は何と。


 ビゴー  

議会は……今回の件を大変重く見ております。


 ヘクトル 

でしょうな……


あの施設で行われていたのは、非合法な生体実験です。

最近多発する新種の魔物――合成魔獣もあの島で作られたものと断言していいかと。


 ヘクトル 

大事になってまいりましたな。


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 ミューレア 

カレン、ヘクトル殿。任務ご苦労様です。


お姉さま……彼の容体は?



 フーゴ  

…………


フーゴ殿、起き上がっても平気なのですか……?


 フーゴ  

カレン様……おかげさまで、すっかり良くなりました……


ご無理をなさらないで。


 フーゴ  

ありがとうございます、カレン様

……ですがこの私には、使命がございます。

あの島で何か行われたか、それを伝えるという使命が……


フーゴ殿――



 ***



 貴族   

助けてくれー!! 俺は<>じゃない!!


征討軍・兵士

黙れ闇が!!


 貴族  

ソフィ……様……お助けを……!!



……

…………


 ソフィ  

確かに我が国は、あなた方征討軍の査察を受け入れました。

ですが、罪もない国民を連れ去るとは、どういうおつもりですか!


征討軍・兵士

ソフィ様。あなたの民を想う心。我々にもよくわかります……

ですが、闇に感染したものを救う術はありません。

彼らの身柄は我らが預からせていただきます。


 ソフィ  

民を、家族の元にお返しください。



 ドレイク 

ぴょーぴょぴょぴょ。

お姫様は聞き分けがわるいっぴー。


 ソフィ  

あなたは……! 征討軍はこのようなものまで!


征討軍・兵士

ドレイク卿は鋼の国の提督です。

そして我が征討軍の司令官が一人。


 ドレイク 

お姫様は~特別にドレっぴーと呼んでもいいっぴ!


 ソフィ  

下がりなさい、下郎!


 ドレイク 

そんな態度でいいのかっぴー?

コクミンがどーなってもいーのかっぴー?


 ソフィ  

…………!

どうか……民を……ドレイク卿……


 ドレイク 

わかってるのかっぴー?

征討軍>に逆らうものは、<>なんだっぴー!



 ドレイクは、エドッぴーの人形を手にしている……!


 ソフィ  

エドッぴー……!


 ドレイク 

逆らうものは……みーんなこうなるっぴー!


 ドレイクは、エドッぴーの人形を握りつぶした!


 ソフィ  

…………うっ、ううっ……


 ドレイク 

お姫様、泣いちゃったっぴ~。

ドレっぴーが慰めてあげるっぴ~。


 ソフィ  

……ううっ……!!


 ドレイク 

さあ、涙を拭くっぴ~。


 ソフィは、ドレイクの手をはねのけた!


 ソフィ  

あなた方は知るでしょう。

全てを凍らせる、極光の輝きを!

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story5 決めるのは誰か



 村の女性 

モーラ、しっかりして……!


こいつは……!


 モーラ  

……キヒヒッ……ヒヒッ……!!


(なんだ……この子の眼……まるで意志が感じられねぇ……

 まさか――闇なのか――この娘に取り憑いているのは!)


 モーラ  

ヒヒヒッ!! ヒャハハハアア!!
ゼツボウシロ……ニンゲンッ!!


 キースは、家の外から街の様子を伺った……


奴らにこの子が見つかったら……!



 ***



アンタ、それって詐欺じゃない!

ああそうだ畜生! あの野郎……


――


こっちだ……!征討軍に見つかったら、殺されるぞ!


 村の女性 

そんな……モーラ……!


 モーラ  

ヒャハハハ! ダァメダアアアヨ!!
ニゲバハナイッ!!



あっ!! キース、この野郎!

げっ、ディーン!? なんでこんな時に!


 あ、あの女の子……!


許さねぇ――! 人の不安につけこみやがって!

は?何言ってんだ? 不安?俺たちは……花を売っただけだろ?

糞高い値段でな! この詐欺師野郎!

買ったのは連中だ。俺はあの光の花が<>に効果かあるって話に乗っただけだぜ?

知ってて馳してたんだろ!

確かにな。どうする? お偉い騎士様。



*×OI!&%S…………


 村の女性 

ああっ……モーラ!


 モーラ  

ギヒャアアアア!!
キエッ……キエルッ!!


――――お母さん……?


 村の女性 

モーラ……! ありがとう………ありがとうございます……!


あんた……<>を!?



いました! あの母娘です!


おい、あんたら何のつもりだ?


 ギャレン 

――お前は。


えっ、お前……ギャレンか!?


 ギャレン 

その母娘を連れていけ。


待て待て、何のつもりだ?


 ギャレン 

その母娘は闇に感染している。


ハァ!?てめーらの目は節穴かよ!

この人たちのどこが闇に感染してるってんだ!


 ギャレン 

確かに健康に見える。だが

闇が潜伏している可能性はゼロではない。


いいえ、闇は祓いました。

お二人は元気です。


 ギャレン 

それを決めるのは、我ら征討軍だ。

母娘を確保しろ!

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story6 騎士の資格



傭兵のリアム・マクラレンだな?


リアム

何か用かい?

お偉い征討軍の騎士様たち?


貴様の傭兵団に、獣人がいるという話だが?


リアム

いるぜ?


チャック

エッ……だ、団長っ!?


獣人は、闇に感染している可能性がある。


リアム

そんな話だったなあ。


引き渡してもらうぞ。やれ。


チャック

団長っ! た、助けて!!


リアム

じゃあなチャック、達者で暮らせ。


チャック

そんなー!


リアム

ところでお前、俺から1000ゴールド借りてたよな。


チャック

ウイッス。ごちそーさまっした。


いい加減に黙れ。


リアム

テメエ、返さないで行く気か?


ふざけてるのか貴様!


リアム

俺はな、貸し借りはキッチリしてる方なんだよ!


貴様! 征討軍に盾突いて、ただで済むと思ってるのか!


リアム

そいつを連れてくってことは、俺から

1000ゴールドふんだくるのと同じだろ!


ぐああああ!!

シンザン将軍に連絡を!!


リアム

何、シンザン……!?



 ***




 ギャレン 

ディーン、邪魔をするな!


どうしちまったんだよ! お前も!親父も!


 ギャレン 

お前に征討軍をどうこう言う資格は無い!騎士を捨てたお前には!


無実の人に罪を着せるのが、騎士のやることか!


 ギャレン 

なぜ、あの母娘を助ける。


褒めてもらいたいからだ!


 ギャレン 

この……痴れ者がー!!



…………

……



えーっと、主人公あの母娘、頼めるか?

もちろんよ。安全なところにかくまってあげるから。


 村の女性 

なんと……お礼をいったらいいか!


キースさんはどうするんですか?


フン、ちょっとしたアフターサービスってやつさ。



…………

……


撃て!


はあああ!!


 兵士たちの放った弾丸は、ディーンの目前で見えない壁に弾き返された!


 ギャレン 

よせ、奴に銃は効かない!


まさか……神気道の使い手!?


ギャレン! これがお前の騎士道かよ!


 ギャレン 

ほざけ!! お前に騎士を語る資格は無い!

なっ――!?


閃光のルーン>って奴さ。ディーン、こっちだ!



…………

……



キース、あの母娘は!


赤髪に任せた。

ああ、あの少年と少女か。だったら信用できるな!

お前な。すれ違っただけだろ?

直感だよ!あいつらはいい奴らだ!お前もな!

やっぱり底抜けの馬鹿だな。


で、ここをどうやって切り抜けるんだ?

考えも無しに走ってると思ったのか?


……港か! さすがだなキース!


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story7 光焔堕つ


 ティム  

シャル姉ちゃん!

いつまでルクサントにいるの?


式典とやらかが終わったら、すぐ帰るっての。


 ティム  

姉ちゃん! おれ、騎士になりたいんだ!


あー、騎士? どーしてあんなめんどーなもんに。


 ティム  

だってかっけーもん!


どーこが。連中口だけだし、鎧は臭いし、頭は固いし、もうサイアクだっつの。


 ティム  

うわー、見て見て! メンズナイツの最新号!


買い出しにきたんだろー。


 ティム  

今日はごちそうだって!


何……!?



…………

……



ガキどもはこれで全部か。よし、焼き払え。


何だよ……


 燃えていた――

 シャルロットが、幼い日を過ごした孤児院が……


何だよ! なんだよこれはああ!!


 先生   

シャル……ロット。


先生!!

そんな……先生っ……!


 シャルロットを育てた老人は、血の中に倒れていた。


生き残りの<>がいるぞ!


テメエら……!!

テメエら!! よくもやってくれやがったな!!



 ***



 ???  

ククク……あれが光焔か……

あー、だりー。


うちのチビ共を!! あたしの弟と妹たちを!!

返しやがれ――!!


ひいいいい!!


征討軍だかなんたか知らねーけど!

あたしの身内に手を出して、タダですむと思うなあー!!


 ???  

なーに目くじら立ててんだぁ?

御子様ぁー。


何だ……テメエは……!!


 ネルガル 

名乗るのもたりーが、教えてやるぜ、光焔。

俺はネルガル――


テメエ!! その目は!!


 ネルガル 

狂焔の御子――ネルガル様だ。

モットーはスローライフ。


はあああああ!!


 ネルガル 

温いねぇ~。


んんぐうううううう!!


 ネルガル 

温い温い……おい光焔。

お前、本当に俺と同じなのか?


 ネルガルは、倒れるシャルロットの顔を踏みつけた。


ぐあああっ!!


ネルガル

俺と同じ、御子なのかよ!



 石が――ネルガルの顔に当たった。


 ティム  

シャル姉ちゃんから離れろ!


 ネルガル 

おっ、<>はっけーん。


やめろっ!!


 ティム  

うわっ!!


 ネルガルは、ティムの腕をつかみ上げた!


 ティム  

あ、熱いっ……!!


 ネルガル 

好きな殺し方があるんだ。

内臓から沸騰させてやると、腹から弾ける。ぱーんってな。


やめてくれっ――やめろー!!


 ティム  

シャル姉ちゃん!



 ネルガル 

へっ……?


 現れたのは――影。

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story8 栄光ある社章にかけて


 商社の島・カンパ二ア。

 数百の商社がしのぎを削る、そこは商社マンたちの戦場。



はーっ!!


 多くの人で混雑するストリートを、一人の商社マンが走っていた!


「なっ、今の男は――!!なんと美しいネクタイの結び方なんだ――!」

「まて、あの社章――まさか――!!」


 商社マンたちは息を呑んだ。

 彼らが目にしたその社章こそ、カンパ二ア最強商社の社章。

 ネプチューンPLCの社章である!


やれやれ。お弁当に凝っていたら20秒ほど遅れてしまいました。


 栄光ある社章を掲げる彼の名は、ウォルターという。


エドっぴーのキャラ弁。マサミが喜んでくれるといいのですが。

タスクを前倒ししませんと。おや?



「――――くそっ、MTGに遅れる!」

 突然、ルーン高級車がストリートを走ってきた!


はーっ!!


 高級車が犬にぶつかる寸前、飛来したウォルターが犬を助け出した!


危ないところでしたね。

 『クゥーン……!』


30秒押してしまいましたか。しょうがありませんね?



 ***



おはよう。ミスターウォルタ一。

おはようございます。


連邦が、動くぞ――帝国海軍も<古の海域>での演習を始めた。

ことを構えるつもりですか、連邦――いや、征討軍は。

彼らはどう出ると思う。

長年にわたる悲願の実現。といったあたりでしょうか。


ミスターウォルター。君に……出張を命じる。

承知いたしました。



 ***



 現れたのは――影。

 影は三名を呑み込み、そして――消える。



……ここは!?


 ティム  

シャル姉ちゃん!


先生!!


 教師には手当てがされていた。今は眠っているようだ。


よかった……でも、誰が?


 ???  

体は動くようだな。


あんたは――


 ???  

葬るもの。


――孤児院のチビ共は!?


 ???  

征討軍が連れ去った。


なんで助けた――!


 ???  

……さあな。


 男は……影の中に去った……



ちくしょう……ちくしょうちくしょう!!

このままじゃすまさねぇかんな!



 ***



 ???  

さだめの車輪は回り、神なる獣は、目覚める――

光焔よ。汝はまだ堕ちるべきではない。

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story9 真実が招くもの



 征討軍輸送船、その船上……



 男の子  

うっ、うっ……


 老人   

降ろしてくれ! 金ならいくらでも払う!


征討軍・兵士

老人は始末してもいいと?


征討軍・司祭

場所が足りんのだ。海にでも放り込んでおけ。


征討軍・兵士

ガキはどうします?

ぴーぴーうるさいんですよ。


征討軍・司祭

子供は<>のところに運ぶ。

……できるだけ傷をつけるな。


どこに運ぶんだ? 詳しく聞かせてもらうぞ。


征討軍・兵士

がああ!


征討軍・司祭

貴様っ! どこから!


征討軍は、<>と戦う組織じゃないのか?


征討軍・司祭

黙れ闇が! シンザン卿!!


何っ……!?


 シンザン 

ググググ……

一秒デ!! 終ワラセルッ!!


ぐあああっ!!


 クライヴは船の甲板から、海に落ちた……


征討軍・司祭

流石ですな。シンザン殿……

おや、どうされましたか。


 シンザン 

……ナゼダ……斬レテ……ナイ……!


……ムググッ……! ガハッ……!!

(……剣は受けきったが……くそっ、未熟だったな……)


 クライヴの体は、海に沈む……


ブオオオーン!!

ギュインギュインギュイーン!!




 ***




 ローエングリン城に集まった各国の代表者は会見の内容に息を呑んだ。


 フーゴ  

帝国は私の体を使い、様々な実験を行いました。

彼らは命をもてあそび、生物を混ぜ合わせ――

闇の尖兵としようとした。


 フーゴは、服をはだけ、己の胸を見せた――

 フーゴの胸には……狼を思わせる生物が……混ぜられていた。


 フーゴ  

私の体を異形と変えたのは――人ではなかった。

彼らこそ、<>――

帝国は――闇に蝕まれている! そう、帝国こそが闇なのです!


 場内は――静まり返った。


 フーゴ  

騎士団総長殿――!


 カイデン 

真実を伝えることは――時に何より辛く悲しいこと。


 フーゴ  

我が怨念を……帝国に裏切られた仲問たちの無念を!

どうか……晴らしていただきたい!


 カイデン 

我ら征討軍は、貴殿の勇気に、応えよう。


 征討軍が明るみにした<真実>は、

瞬く間に世界を駆け巡っていった。|

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story10 <征討戦争>勃発



はっ!?


 ソフィ  

クライヴ様……よかった……!


ここは……


 ソフィ  

氷の国です。この子がクライヴ様を……



ギュイーン!!

ギュオンギュオンギュオン!


う、うるさい奴だな……


 ソフィ  

でも、いい子なんですよ。


ギュオーン!!


それより……すまなかった。


 ソフィ  

ご無事なら、それでいいんです。


助けられなかった。役立たずだな、この俺は。


 ソフィ  

それは、我が氷の国の仕事です。


ソフィ殿、だがそれは……奴らと!


 ソフィ  

私達は戦います。氷の国の、誇りにかけて!




 ***



 ローエングリン城の自室で、カレンは物想いにふけっていた。


本当に――あの会見を行うべきだったのだろうか。

このままでは……全面戦争になる。


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 ミューレア 

カレン……また、甘えているの?


お姉様……! 私は、甘えてなど……!


 ミューレア 

いいえ、甘えています。己の立場に……


……私は……!


 ミューレア 

見極めなさい。己の為すべきことを。

あなたは――騎士でしょう。


でも私は……こんなことは……!


 ミューレア 

だとしても……あなたは騎士であることを望んだ。

戦いなさい、カレン……幾千万の屍を踏み越えて。

それがガランド家に生まれた者の運命なのです。



 ***



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革命軍の女性

メグ~なんか~世界情勢ヤバイっぽいんだけど~。


 メグ   

確かにヤバいお~。連邦と帝国が全面戦争って~。

ゲロヤバだお~。


革命軍の女性

あ~、なんかぁ~。新聞にぃ~

前に来たねーちゃん載ってた的な。


 メグは、手渡された新聞を広げた。


 メグ   

おー、カレンたんだお~。

写真写りがよくてウラヤマだお♪


革命軍の女性

なんかぁ~内容ヤバくね?


 メグ   

獣人は<>に汚染されやすい?

……何をいってるお……!

(カレンたんも……そんな風に思っているお?)


革命軍の女性

テキトーほざいてるだけっしょ。


 メグ   

う、ウソ……嘘だお……!


革命軍の女性

どうしたお~?


 メグは、新聞の写真を見ていた。

 フーゴが己の融合部分をさらけ出した際の写真である。


 その男の顔は、メグの知る男のそれとは異なっていた――

 だが、異形の痕跡はそのままだ。


革命軍の女性

この人~帝国にエグイことされてた的な~?


 メグ   

違うお……こいつは違う!!


革命軍の女性

どういうこと的な?


 メグ   

こいつはゼノだお……!!

生きていたんだお――!!



 ***



 船長   


ひいふうみい……これで有り金全部か?

疑うんなら、ジャンプしてやろうか?

征討軍相手に危ない橋を渡ってやったんだぞ?

感謝してるぜ。じゃあな。



快適な船旅だったな?

ほれ、お前の分け前。

全部払ったんじゃ?

んなわけあるか。


 キースはあの布袋を手にしている……


じゃあな騎士様。これからは人を疑うことを――何を見てるんだ。


 兵士たちは、老人を連れて行ってしまった……


あの爺さんも助けるとか、言うつもりじゃねぇよな?

こんなのはおかしい。

どこかだ? 強い奴が弱いものを踏みにじる。よくあることだろ。


キース、征討軍の連中は、何をしているんだ。

決まってるさ。こいつは詐欺だ。

なんでそう思う。

征討軍の連中、なんであの母娘が闇に取り憑かれてると?

誰かに密告されたんじゃ。

あいつがいってたよな。誰が<>かは、征討軍が決めるってよ……

仕組まれてたっていうのか、最初から――


親父のやってることが、気になるのか?坊ちゃん。

――聞いてたんだな――

騎士様。一つだけ忠告しておいてやる。この件には関わるな。



 ***



 <剣の国>ローエングリン城……

 各地で闇を掃討していた征討軍は、司令官の命令一下。

 ここに集っていた――



 カイデン 

白き聖王国の末裔たる、我らの発祥の地、聖地ディルムン。

知ってのとおり、我ら連邦はかの地を帝国と二分している。


しかし今や帝国は<>であると明らかにされた……

我らは聖地を彼らと分け合うことはできない!


剣豪>シンザン・ゼラーグ。

征討軍将軍。全てを断つ<伝説


大提督>ドレイク・ガルン。

征討軍提督。七海の悪魔。


狂焔の御子>ネルガル・ソラウ。

征討軍将軍。呪われし滅びの焔。


 カイデン 

征討軍は速やかに聖地を奪還し、

連邦の旗を掲げねばならない!


猛き黒狼> ギャレン・ネロス。

征討軍将軍。闇を狩る征討の牙。


ヘクトル・ヴァランガ。

征討軍将軍。連邦加盟国<盾の国>国王。不壊の城塞。


ビゴー・マグナス。

征討軍副司令官。ロンダミア大公。その名も高き名将。


 カイデン 

白き光に従うすべての者よ――

光の勝利を信じるものたちよ。


ミューレア・ガランド。

征討軍参謀。暁の賢者。


フーゴ・ワーラー。

告発者。


カイデン・バルト。

征討軍総司令官。連邦加盟国<剣の国>元首。

騎士の中の騎士。闇を征討せし騎士王。


 カイデン 

今こそ闇を征し、討ち果たす時!

騎士たちよ! 報復の剣を取れ!


 かたや帝国――古より栄えし、果てすら知らぬ巨大国家。

 かたや連邦――白の王国の正統なる後継を称する、あまたの国々の集い。


 二つの大国が今激突する。決戦の舞台は、聖地――!




 ***




確かに……俺だけじゃ無理だ。正直途方に暮れている。

そーだ。お前は勝手に人助けごっこでもしていな。

だから助けてくれ、キース。


いよいよ頭がいかれたか。この俺は! ただの詐欺師だぞ!

頭が切れる。それに、いいやつだ。

ヘーえ。テメエはこの俺に、世界を救えってのかい?

俺たちだったら、絶対にやれる!


100万ゴールドだ。


へっ?

タダでやるわけねーだろ。100万ゴールド、それくらいわけないだろ、坊ちゃん!

キース! ありがとよ!お前がいたら無敵だ!


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Soul of Knights ~託されし者たち~ PV


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ソウルオブナイツ Story

Story0 序章

Story1 ディーン&主人公

Story2 シャルロット&メグ・ジュダ

Story3 クライヴ&ウォルター

Story4 カレン&ソフィ&リアム

Story5 最終章


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