オデッセイ・思い出
ストーリーまとめ
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| 木槌士 オデッセイ・ガリレイ 獣人兄弟の次男。 非常にキザなフェミニスト。 |
思い出1
オデッセイ
オレの名は、オデッセイ。
―――よろしくね？
爽やかな風と共に豹毛の獣人が、
ポーズを決めて挨拶をする。
オデッセイ
悪いけど、今日は急いでるんだ。
この後、デートの約束が―――
オデッセイ
！？
キャトラ
ど、どうしたの？
オデッセイ
なんて、可愛いんだ―――
キャトラ
ええっ！？
オデッセイ
その純白な毛並み、
深海の宝石の様な瞳―――
キャトラ
そ、そんなぁ……
照れちゃうじゃない！
オデッセイ
どうか、
オレとデートしてくれないか！？
キャトラ
い、いきなりデートぉっ！？
まず、お友達から……
オデッセイ
……ちょ、ちょっとキミ、
どいてくれない？
オデッセイはキャトラを押しのけ、
アイリスの足元へひざまずく。
オデッセイ
ああ、愛しい小鳥よ、
どうか僕の待つ窓辺へ―――
キャトラ
あお、そっちか～いっ！！
思い出2
オデッセイ
ご機嫌はいかがかな？
オレのアイリス―――
オデッセイは、摘んで来た花を
アイリスに捧げ、挨拶をする。
アイリス
こんにちは、オデッセイ。
キャトラ
アタシにも何かプレゼント
持って来なさいよ！？
オデッセイ
なんだ、いたのかキャトラ―――
キャトラ
いたのか―――
じゃないわよ！
キャトラ
アンタみたいなチビ、アイリスが
相手にする訳ないじゃな～い！
オデッセイ
誰がチビだ！？
オレより身長、低いくせに！
キャトラ
なによ～っ！
オデッセイ
なんだよっ！
キャトラとオデッセイは、
取っ組み合いながら口論を始めた。
アイリス
……二人とも、いつも
仲良しでうらやましいな……
思い出3
オデッセイ
……はぁ……
アイリス
どうしたの？オデッセイ？
オデッセイ
ああ、アイリス……
悩めるオレの心を、癒してくれ―――
キャトラ
アイリスに近づくなぁ～！
オデッセイ
……ちっ。
まぁいい、相談に乗ってくれ。
オデッセイ
今日デートをする子猫の女の子の
名前を、忘れてしまったんだ。
オデッセイ
手帳に書き留めてはいたが……
たくさんありすぎてね。
キャトラ
サイテー、サイテー！
この、女の敵！
アイリス
書いてある名前を、読み上げて
みたら思い出すんじゃない？
オデッセイ
なるほど、えーと……
オデッセイ
エミリ・レベッカ・メアリ・サラ・
シーラ・アネッサ・タミー……
オデッセイ
ドロシー・ベティ・ブリタ・アン・
シャルロット・クリスティーナ……
オデッセイ
エリザベータ・バーバラ―――
まだ半分か……えーと……
キャトラ
あ、あきれた……！
思い出4
オデッセイ
見つけたよ、愛しいオレの
ダイヤモンド―――
アイリスを見つけたオデッセイは、
投げキッスと共に挨拶をする。
キャトラ
キザすぎるでしょ～っ！？
アイリス
オデッセイ、こんにちは。
オデッセイ
今日はアイリスに最高のプレゼントを
持って来たんだ……
オデッセイは用意していた
大きな箱を取り出す。
アイリス
これは―――！？
箱の中には―――オデッセイの
等身大ぬいぐるみが入っていた。
オデッセイ
これがあれば、どんな時も
オレたちは一緒さ―――
キャトラ
アンタ、どんっだけ自分のこと
好きなのよ！？
思い出5
オデッセイ
うぅっ……
く、苦しい……
オデッセイは、うつむき、
胸の辺りを抑えている。
アイリス
オデッセイ！
どうしたの！？
アイリスが駆け寄るも、
オデッセイは胸を押さえて、
地面に倒れてしまう。
キャトラ
ど、どうしたの、大丈夫！？
オデッセイ
く、苦しい……胸が……
アイリス
心臓の辺りを抑えてる―――
まさか、病気！？
キャトラ
お、オデッセイ！
しっかりして～っ！？
オデッセイ
だ、大丈夫だ……
オデッセイは立ち上がり、
キミたちに背を向けてしまった―――
思い出6
オデッセイ
なんと美しき光だ―――
ルーンから、
華やかな輝きが舞い散る。
その美しさに、オデッセイは
うっとりと見とれている。
キャトラ
オデッセイ、胸は大丈夫？
オデッセイ
ああ、この胸を
締め付けていたのは……
オデッセイ
―――恋の病さ。
アイリス
え……？
キャトラ
は……？
オデッセイ
美しい女性たちを
思い出すたびに―――
オデッセイ
オレの胸に、
恋の病が襲いかかるのさ！
オデッセイは胸を抑えたまま、
うっとりと空を見上げた―――
アイリス
そ、そうなんだ……
キャトラ
こ、こいつは……
オデッセイ
おっと、デートの時間だ！
それじゃあ、また！
オデッセイはウィンクすると、
毛づくろいをしながら
去って行った……
木槌士
