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【黒ウィズ】アイドルωキャッツ! Story1

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最終更新者:にゃん
2017/05/31


目次


プロローグ

Story1 選ばれた少女たち

Story2 アイドル地下世界

Story3 黒猫登場

Story4 強欲の虎

Story5 正夢?

Story6 からあげレモン

Story7 ラピュセルの代わり

Story8 事務所の外

Story9 ファンかヘンタイか

Story10 最強のワザ

Story11 虚栄の暗黒

最終話 世界に残ったピュア


主な登場人物




プロローグ



 そこはどこかの異界の、蔵の中だった。

 もう使われなくなった物たちが、「うまく収納する」ただそれだけの原則の下で、押し込められていた。


 古ぼけた家具。古ぼけた武具。古ぼけた拷問器具……などなど。

 一風変わった物があるのは、そこが悪魔の住む城だからである。


 セラータ  

「くっそー、お父様め……!あれほど人前でセラたんと呼ぶなと言ったのに……!」

 少女の名はセラータ。大悪魔を父に持ち、現在絶賛反抗期中であった。


「こういう時は、蔵の中にある古道具を磨いてやる。

 ククク……。古くなった物をピカピカに磨いて新品同様にする……リサイクル精神が旺盛にもほどがあるじゃないか。

 こんなに悪魔らしくない行動をしたら、お父様はさぞ驚くだろう……。」

 ただし、その反抗期は悪魔的に歪んでいた。世間にとって良いことが、彼女にとっては反抗心を示す行動となっていた。

 セラータは手近にあったくすんだ鏡を手に取った。

「まず手始めに、この鏡からと行こうか。嫁入り道具ばりにぴかぴかにしてやるぞ!

 この!この!この!こいつめ!なかなか頑固な汚れだな!長年の無情は伊達ではないな!」


 そうこう悪戦苦闘すること3時間ほど……。



「フハハハ!まるで、静かな湖面のようではないか。」

 磨きあげられた鏡を見て、高笑いをするセラータ。だがふとおかしなことに気がついた。

 鏡の中の自分の顔が笑っていないのである。

「な、なんだ?どういうことだ?」

 訝しく思い、覗きこむセラータ。無表情のままの鏡の中の自分がいる。

 言葉の無い時間を終わらせるように、鏡の中のセラータが笑う。


『オメエ、でっけえピュアしてるな!気に入ったぞ!』

「しゃ、喋った!」

 その声は自分の声ではなかった。そして、自分の顔が伸びたり縮んだり、変化をし始める。

 それに合わせて、鏡面がこちらへ盛り上がってくる。まるで鏡の中の非現実が、現実の方へ飛び出してくるように。

 そして、本当に飛び出してきた。


『気に入った!気に入った!気に入った!オメエのピュアさ気に入ったぜ!』


 セラータ  

「な、なんだ、オマエは?」

 ペオルタン 

『オレはペオルタン。オメエみたいなピュアな奴を探してるのさ。』

「ワタシがピュアァ?……そうかな?ピュアかな?」

『オメエ、とんでもねえピュアな反抗期してるぜ。』

「そうなのか?」

『へへへ、自覚もねえのかよ。オメエ、たまんねえなそのピュアさ……。

 どうだ、オメエ、アイドルやらねえか?』

「アイドル?なんだそれは?」

『世界中に夢と希望とピュアを届ける存在だぜ。』

「なんだか、それを聞いただけでも、悪魔とは対極にいる感じだな……。つまりそれは悪魔としては悪いことだな。

 ククク、そんな存在になれば、お父様も二度とワタシのことを人前でセラたんとは呼ぶまい!!

 いいぞ!やる!やってやるぞ!アイドルになって、夢と希望を届け、悪魔としての「悪」をやりきってやるぞ!」

『へへへ、オメエ、ピュアな反抗期もほどほどにしやがれってんだ。

 言ってることとやってることが支離破滅で逆にピュアだぜ……。

 さあ、そうと決まったら、行くぜ!』

「行くってどこに?」

『アイドルたちの憩いの場だ。』

 言うや否や、セラータが手に持つ鏡が光った。

「うわ……!」

 眩しさに思わず目を瞑る。瞼越しに襲い掛かってくるまばゆさの中に、セラータは埋没していった……。


 再び目を開けた時、そこは……。


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story3 黒猫登場



 少女たちはレッスンのために、再び〈ポエーナ〉に戻っていた。


 ガトリン  

「みなさん、張り切ってレッスン再開といきましょう。」


 セラータ  

「ガトリン、さっきまでどこに行っていたんだ?」

 ガトリン  

「ぞば?わたくし、みなさんと一緒に事務所で休憩していましたよ?」

「いや、いなかったぞ?」

「いましたよ。」

「いなかった。」

「いましたよ。」

「なんかちょっとホラーっぽくなってきた。

 おい、リリーお前も証言してくれ。さっきガトリンはいなかったよな?」

 と、セラータがリリーの方へ視線を移そうとした隙に、ガトリンは動いた。


「ぞば!!」

 レッスン着の下から素早く注射器を抜き出すと、リリーに向けて、謎の薬液を撃ち放つ!

 薬液がリリーを直撃したが、それは本人すらも気づかぬ一瞬の出来事。薬液は痕すら残っていない。


 ガトリン  

「リリーさん。わたくし、ちゃんと事務所にいましたよね。」

 リリー   

「うん。ガトリン、いた。いた。いた。」

「ほら? ご覧の通りですよ。」

「そこまでして隠すことッ!?」


 相変わらずまとまりの無さを見せる少女たち。

 ペオルタンは彼女たちの注意をひくように拳を打ち合わせて、音を立てる。


 ペオルタン 

『はいはい。ピュアピュアするのもそこまでだぜ。レッスンの続きだ。

 さっさと〈ポエーナ〉を抜けるぜ。もう少し行ったら出口があるはずだ。

 アイラ   

「ペオルたんはここに詳しいんだね。長い間ここにいるの?」

 ペオルタン 

『さあなぁ、長いような長くないような……。ピュアな人間を探し続けてたから、時間の感覚がないぜ。』

 リムル   

「そういえばさ、なんでそんなにピュアを探してるの?」

 ペオルタン 

『……そりゃあ、ピュアは大事だろ。』

 リムル   

「それだけ?」

 ペオルタン 

『お、おう……だ、大事だろ、ピュアは……。ええい!そんなことよりもレッスンだ、レッスン!

 始めっぞ!!』


 ペオルタンの言葉に続いて、聞き覚えの無い声が背後から聞こえた。


 ???   

「まさかアタイ抜きでこのまま進める気ニャ?まったくアタイも甘く見られたものニャ。」


 少女たちは謎の声がするほうを見た。そこには――


 ウィズ   

『よっ。』

 アイラ   

「どなたですか?」

 ウィズ   

「アタイはウィズニャ。今は猫の姿だけど、かつては偉大な魔道士だったニャ。」


 エターナル 

『ウィズ?ウィズというのは、黒猫の魔道士が連れていた黒猫ではなかったか?』

 リムル   

「そうだったっけ?」

 エターナル 

『そうだ。だが、こいつは偽者だけどな。』

 ウィズ   

「おやおや、これは異な事を言う杖だニャ。アタイが偽者だって、いったいどこをどう見て、そんなこと言ってるニャ。」

 エターナル 

『ありとあらゆるものを見て、だ。』


 ウィズ   

「リムル。……とガトリンだったかニャ?ふたりはアタイが偽者だと思うかニャ?」


 ガトリン  

「あの、黒くて強い何かの人の黒猫ですか?……わたくしはそれほど見てないのですが……。」

 リムル   

「私は何回か見てるよ。えーと……ねえ。」


 以前、黒猫に会ったことのあるリルムとガトリンが腕組をして、かつての記憶をほじくり出す。


 エターナル 

『悩む必要があるのか?』

 二人    

「「うん。大体あってる。」」

 エターナル 

『おい。』

 リムル   

「特徴は捉えてるよね。」

 ガトリン  

「ディティールに目をつぶれば、概ね問題ないです。」

 エターナル 

『ディティールに目をつぶるな!』


 リリー   

「ここは私の出番ですね。探偵である、この私の!

 では捜査を開始しましょうか。この猫ちゃんがその「ウィズ」であるかどうかですね。

 リルムさん、ガトリンさん。「ウィズ」の特徴を教えてください。」

 ガトリン  

「えーと、黒い短毛種で。」

 リムル   

「マントをつけていて……。」

 ガトリン  

「語尾にニャをつけますよ。」

 リリー   

「なるほど……。ふむふむ……。」


 リリーは虫眼鏡をウィズ(?)に近づける。


 ウィズ   

「……。」

 ウィズ(?)の鼻息でレンズが曇りながらも、リリーは注意深く証言と実物の共通点、あるいは相違点を探り出す。


 ウィズ   

「アタイはウィズニャ。黒猫のウィズニャ。」

 リリー   

「黒い短毛種で。マントをつけていて……。語尾にニャをつける……

 完全に一致しています!」

 エターナル 

『そう言うと思ったッ!』

 リリー   

「いやぁ、それほどでも……。」

 デスタイガー 

「褒めてない褒めてない。」

 リリー   

「あと、鼻息がすごく荒いです。」

 ペオルタン 

『見りゃわかるな。』


 エターナル 

『……。』

 エクセリア 

「あれ?エターナルさん、どうしたんですか?」

 エターナル 

『……ちょっと疲れたなあと思って。』


 ウィズ   

「さてさて、妙な疑いも晴れたようだし、そろそろ冒険の一歩を踏み出しますかニャ。」

 二人    

「「おー!」」


 ペオルタン 

『ピュアだなあ……。』

 デスタイガー 

「ピュアもこじらせると厄介であーる。」



 リムル   

「そういえば、黒猫の人は?」

 ウィズはわずかに俯き、リルムと眼を合わせずに答えた。


 ウィズ   

「いまは少し距離を置くことにしたニャ……。」


 ***


 ペオルタン 

『そろそろ〈ポエーナ〉の出口だぜ。』


 〈ピュアの鏡〉はまだまだ綺麗なままであった。


 アイラ   

「何事もなくてよかったね。」

 エクセリア 

「ええ簡単でした。」

 ペオルタン 

『あったりめえだろ。俺が見つけたオメエらがこんなところでつまづくわけねえだろ。』


 リムル   

「お。出口発見!」

 リリー   

「わーい!出ましょう出ましょう!」


「待てぇ!」

 少女たちの背後から声がする。出口まの間近まで迫ったところで、何事かと後ろを振り向いた。


 デスタイガー 

「助けてほしいでーす。」

 ウィズ   

「助けてほしいニャ。」

 デスタイガー 

「なぜかわからないが、地下アイドルたちが吾輩にひっついてくるんです。なぜなのかはさっぱりチンプンカンプン。」

 ウィズ   

「なぜかアタイもまとわりつかれて動けなくなったニャ。助けてほしいニャ。」


 デスタイガーとウィズの体に、地下アイドルや獄卒たちがヒルのように吸い付き、彼らの自由を奪っていた。


 ペオルタン 

『ピュアじゃねえとああなっぞ。』

 ガトリン  

「なるほど。」

 エクセリア 

「でも、助けてあげないと……。」

 アイラ   

「うん、そうだね。」


 示し合わせたように、少女たちは同時に頷く。誰ひとりとして仲間を見捨てようとはしなかった。


 ペオルタン 

『オメエらすげえお人好しだな。でもそこがピュアぁぁぁ……。

よっしゃ、それならオメエたちのピュアで邪魔者をふっとばすんだ。』

 リムル   

「おっけー。」

 ウィズ   

「と言ってチミはカードに魔力を込めたニャ。」

 アイラ   

「え?何ですかそれ?」

 ウィズ   

「気にしないでほしいニャ。ひとりごとニャ。」


 ***


 獄卒や地下アイドルたちから次々に投げかけられる質問の数々。


「さんたくろーすはイル? イナイ?」

「います!」

「ピュアァァァ……。」


「幸せに必要なものはお金?」

「竜です!」

「ピュアァァァ……。」


「ねえワタシ、キレイ?」

「え? えーと……。」

「とりつくろわない所がピュアァァァ……。」


 だが、少女たちは持ち前のピュアで次々に斬って捨てた。

 怨念のように、ウィズとデスタイガーに憑いていたものが、彼女たちのピュアによって消えていく。

 その時見せる顔は、ピュアを失い、労苦を強いられていた者も、労苦を強いた者も変わりはなかった。

 まるで両者とも求めていたピュアを与えられて、安堵しているかのようであった。

 表情のない彼らの顔でも、そのことはわかった。


 ウィズ   

「アタイたちのピュアの勝利ニャ……。」

 デスタイガー 

「アイドルは夢と希望とピュアを届ける。言い得て妙である。」

 ペオルタン 

『オメエらは半分堕ちかかってたけどな。』


 リムル   

「さて、みんな揃ったし、次に行こうか!」

 リリー   

「賛成です!」


『ここを抜けたら一旦休憩だぜ。次は全然違うところだからリフレッシュした方がいいからな。』


 ……。


 事務所に戻り、みんながしばしの休憩時間を楽しんでいる時、アイラはひとり窓の外を見ていた。

 事務所と〈ポエーナ〉の往復で気づかなかったが、窓の外には見たこともない建造物が並んでいる。

 ここはまるで知らない世界のようだった。そんなアイラの様子を見て、エクセリアが声をかける。


「どうしたんですか、アイラさん?」

「うん。ここってどこなんだろうって思って。」

「言われてみたら……どこなんでしょうね。」


 ウィズ   

「なんニャ、チミたち異界の移動は始めてニャ?」

 エクセリア 

「異界の移動……?」

 ウィズ   

「そうニャ。この世には色々な異界があるニャ。

 滅多なことでは異界の垣根を越えることはないけど、時折事故のように移動してしまうことがあるニャ。」

 エクセリア 

「ウィズさんは異界の移動を多く経験されているんですか?」

 ウィズ   

「たまにあるニャ。だいたい月2のペースであるニャ。」

 リムル   

「それ事故とかのレベルを越えてるよ。」

 ウィズ   

「そうかもしれないニャ。最近は移動しても特に驚かなくなったニャ。

 そうニャ。どうせなら、休憩時間を利用して、外を見て回るニャ。

 景観を見るのと食べることくらいしか異界移動には楽しみがないニャ。」

 アイラ   

「それもいいかも。ちょっと外に出てみようか。」

 エクセリア 

「そうですね。」


 ソファでゴロゴロしていたセラータが、何事かと体を起こし、アイラたちに尋ねる。


 セラータ  

「どうした? 何かあったのか?」

 アイラ   

「うん。少し外を見て回ろうと思って。」

 セラータ  

「ほう、おもしろそうだな、ワタシも行くぞ。」


 何か面白いことが起こりそう……そんな雰囲気を察知する女の子アンテナが反応し、他の者もその輪に加わり始める。

 すぐにも出発という勢いである。


 アイラ   

「ガトリンはどうする?」

 ガトリン  

「わたしはギョギョバベギブギョン様へのお祈りがありますので。

 ギョギョバベギブ、ギョギョバベギブ、ギャンギャン、ギョボバベギブ、ギョギョバベギブ、ギャンギャン。」

 アイラ   

「そう……真面目ね。」


 エクセリア 

「デスタイガーさんは?」

 デスタイガー 

「吾輩、リンドの販路をシュミレーションしておる。放っておいてほしいのである。」


 祈りを捧げるというガトリンを残し、一行は事務所のドアを開け、外へ出て行った。すると……。


 アイラ   

「あれ?」

 ガトリン  

「ギョギョ?」


 出て行ったはずの少女たちは、なぜか控え室の扉から事務所に戻ってきてしまった。


 リリー   

「おやー? 私たち確かに扉から外にでましたよね?」

 リムル   

「んー? どういうこと?」

 アイラ   

「もう一度行ってみる?」


 だが何度やっても結果は同じだった。


 リリー   

「なるほど……。つまり事務所の出入り口と控え室が繋がっているということですね。」

 セラータ  

「いや、それ変だぞ。そんなことあるか?」

 リリー   

「でも事実は事実です。ここは完全な密室となっています。

 ……これは殺人事件の香りがします。アイドル事務所密室殺人事件……。」

 リムル   

「だとしたら死ぬのは私たちじゃん。」

 リリー   

「え!?死ぬのは嫌です!! アイドル事務所密室雑談事件でいいです!!」

 エターナル 

「もう事件を使う必要はないだろ。」


 エクセリア 

「ウィズさん、異界ではこういう不思議なことが起こるんですか?」

「まあ、だいたい何かしら起こるニャ。だから、いちいち驚いてたらキリがないニャ。」

「そんな体験をつきペースで……。すごいんですね、ウィズさん。」

「おおよそニャ。おおよそ憑きニャ。2回無い時もあるニャ。」


 そんな中、リンゴの販路のシュレーションを終えたデスタイガーが話しに加わってくる。

 なんだかみんながたのしそうにしているのを見て、心の中の「さびしん坊」が面を上げたと言った所。


 デスタイガー 

「そっちの話楽しそうだし、吾輩も混ぜて混ぜてプリーズ。」

 シッポフリフリ近づいて来たデスタイガーに事の次第を説明する。


「吾輩も、その不思議体験味わいたいのである。ではさっそく行ってみるでヤンス。」

 その言葉を残し、デスタイガーはリンゴに乗って、事務所の出入り口から出て行った。

 毎回の例の如く、最後の控え室の扉が開いた。


 みんな   

「「「増えた!!」」」

 ウィズ   

「いちいち驚いていたらキリがないニャよ。」


 デスタイガー 

「おお、ゲスタイガー兄者。まさかこんなことろで会うとは……。」

 ゲスタイガー 

「そういう貴様は我が弟デスタイガー、ここはいったいどこぞ!」


 リムル   

「不思議だねえ。」

 リリー   

「そうですね。」

 セラータ  

「ん? ガトリンはどこ行った?」

 エターナル 

「さっき出入り口から出て行ったぞ。」


 不意にガチャリと控え室の扉が開く音。その音につられ、みんなは視線を移した。



 みんな   

「「「ギョギョバベギブギャン様ッ!?」」」


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Story11 虚栄の暗黒




「……。」


 音がする方を見るとなぜかウィズは震えていた。さらに目も血走り、鼻息もどんどん荒くなっていた。


「すごい鼻息! ウィズ、大丈夫?」

「アタイは……アタイは……ダメと言われると……ムズムズするニャ。」

「原因がわかりませんが、ウィズさんが大変です。落ち着かせましょう。」


 少女たちは懸命に震えるウィズを抑え、なだめた。ウィズの中での暴れる衝動は鼻息となって外に漏れ続ける。

 しばらく続いた内なる戦いを制したのはウィズだった。


 荒い鼻息も少しずつ元に戻り、落ち着きを取り戻した理性の声が出るようになった。


「あ、ありがとうニャ。落ち着いてきたニャ。ちょっと動揺しただけニャ。

 少しの間、嘘をついちゃいけないだけニャ。平気ニャ平気ニャ。なんたってアタイは。

 四聖賢のウィズニャ。」


 瞬間、黄金の輝きがウィズから放たれる。


「うわ!」


 そして輝きの中から現われたのは……。




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最終話 世界に残ったピュア


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