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茶熊学園2016 Story 1日目

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最終更新者:にゃん

ストーリーまとめ


story1-1 新入生、起立!

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辺境の海に浮かぶアラマキ島――

シャケの形をしたその島に、茶熊学園はそびえ立っている――


そこは冒険家のための学校。

世界各国に支援され、世界中の有能な冒険家が集う。


学長の名はカムイ。熊である。


「――これからきっと、各々、様々な壁にぶつかることでしょう。

ですが忘れてはなりません。ここには仲間がいるのです。

仲間を信じ、己を信じ、一歩ずつ前進していってください。

みなさんが実りある学生生活を送れることを願っています。

学長式辞でした。」


「うむうむ。カムイにしてはなかなかいいあいさつだったわね。」


「では次に、在校生を代表して――」

「おっ?」

「ヴィルフリートさんにあいさつをお願いしていたのですが……

……いないようですので、在校生代表、ソウマさん!」

「はい!」



「新入生のみなさん、入学おめでとうございます。

在校生―同心から歓迎いたします。


この学校は『学び』の場です。集う者に、隔たりはありません。

上下の区別なく。お互いに剌激し合い、支え合い、そして成長し合う――

私にとって、ここはそういう場となりました。

みなさんにとってもそんな学び舎となりますように。


在校生代表、ソウマ・ホクト・バスクナ。」

「ソウマさん、立派ね♪」


「ハイ、ソウマさんでした。

学長よりも学長っぽかったですね。なんつってね!

え~、ハイ。それはそれとして、次のプログラムにうつります。

新入生代表あいさつ――――生徒会長、シャルロットさん。」

「はい!」

「え~っ!! なんで新入生のシャルが会長~!?!?」



Q1-1 入学、茶熊学園!

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story1-2 まさかの生徒会長


――私たちには無限の可能性があります。

それをここでどれだけ広げられるか。それが学校への貢献になるでしょう。


…………


先輩方のバトンを受け取り、そして繋いでいくことを、私たちはここに誓います。

ありがとうございました。


「新入生代表、シャルロットさんでした。

いや~、それにしても見事な宣誓でしたねぇ~。


「学長先生!

「……クライヴさん、なんですか。

これは式典です。授業中じゃないんですよ。

「どうして在校生を飛び越え、シャルロット殿が生徒会長なのですか!?

「…………」

彼女がふさわしいからです。

「なぜそれが入学前にわかるんです!

「実績ですよ! 冒険家としてだったり、騎士としてだったり。

「なんだと……クッ……

「…………

「ん?

「…………」


「……さて。以上をもちまして、入学式を閉会いたします。

新入生のみなさんは、それぞれの教室へ行ってくださいね~。


「さてさて、アタシたちも上の階に戻りま――アイリス? どうしたの?」

「あ、ううん……」

「早く戻りましょー!おなか減っちゃったわー!」

「あ、待って!」

(……あそこにいる子…………なんだか、ちょっと…………)


「…………」


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story1-3 見学生、として


「…………


「マリさん、ですね?

「……あ、はい。

「……このたびは。『見学生』としてお招きくださりありがとうございます。

「いえいえ、こちらこそありがとうございます。


「ぜひ、良い体験をして、来年の入学を検討してみてくださいね。

元の学校に戻ったら、みなさんにもここのことをお伝えしてください。

「宣伝、ですか?

「これも当校をアピールする活動のー環なのです。

「……なら、私は、ふさわしくなかったかもね……

「え? なんです?

「なんでもありません。


「そうそう、見学生のマリさんは、新入生のクラスでしたらどちらに顔を出しても構いませんからね~。

百聞は一見にしかず。この学校の教育を、是非とも直接ご覧ください。

「……はい。では、失礼しま――

「あ、少々お待ちを。これをお渡ししておさましょう。

「これは……?

「より勉学に励んでもらおうと。私からのプレゼントですよ♪

いやあ、どうです? 中々フォルムも可愛らしくてマリさんにピッタリ――

「ありがとうございます。」

「――アラ?」

「失礼します。」



「……う~ん…………

……ま、入学初日はナイーブなモンですからねぇ……」


「学長先生、いまの子は?」

「あ、ソウマさん。見学生のマリさんですよ。」

「…………」

「……気になりますか?」

「……まあ、そうですね。あなたにも、期待してますよ。」

「はい。上級生として、新入生を導いてやるのも、勉強ですから。」

「……応援していますよ。ソウマさんの、教師への夢……」


Q1-2 冒険学業二足のわらじ

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story2-1 カズノコ組初日

――16名の新入生たちは、二つのクラスに分けられた。


カズノコ組』へようこそ。担任のクライヴ・ローウェルだ。

「……あなたが担任?生徒じゃなくて?

「もちろん、俺も生徒のー人だ。正確には、担任『教師』ではない。

あくまでも、この学園の先輩として、微力ながら君たちを先導する役目だな。

また、俺以外にも、他の上級生か各教科を担当することもあるだろう。」

「先生はいないんですか?」

「いないわけではないが……冒険家を育てるには、冒険家がー番、ということさ。

「へえ。ま、お手並み拝見ってとこだな。」

「そうだな。俺もみんなから、色々学ばせてもらうことになると思っているよ。

さて、早速だが、まずはこのクラスの学級長を選出したいのだが……」


「借越ながら、このわたくしが。」

「待ってくれ、シャルロット殿、みんなの意見を……」

「カムイ学長から、直々に任命されておりますので。」

「……そうか。みな、どうだろうか?異議がある者は挙手をしてくれ。」


「学級長ってな~に~?」

「みんなのまとめ役のことだよ。」

「ふ~ん。エシリアはエシリアだよ。あなたは?」

「あっ、えっ?……ミレイユ。」

「よろしくね~。」

「よ、よろしく……」


「では反対意見もないようなので、わたくしが務めさせて頂きます。」

「持て、もう少し……」

「クライヴ先輩。決めるべき事項はまだ山積みです。

余計な問答は時間の無駄。迅速に決定して参りましょう。」

「あ、ああ……」


「それでは、続いてみなさんの学校での係を割り振っていきます。」

「いや、その仕切りは担任の俺が……」

「子供じゃないのですから。生徒の自主性を尊重してくれませんか?

生徒自身で決めた方が、責任と自覚を持って活動できると思いますし。」

「そ、そうだな……わかった。任せる。」


「……やり手の会長ね……」

「…………」

「……ま、大目に見てくれや……」

「わかっているさ。生徒の自主性を尊重しよう……」


Q2-1 黄金のクラス?

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story2-2 会長の手際?


「では、カスミさんは図書委員をお願いします。」

「承ったわ。」

「ガレアさんは飛行委員を。」

「マシンの整備なら得意だ。」

「メアさんは保健委員。」

「いいわよ。―人で戦ってきたから、応急処置の心得なんかはあるし。」

「エシリアさんは、外務委員会で、みんなの移動のサポートをお願い出来る?」

「えっへへ~、気が向いたらね~♪」

「お願いね。ヨシュアくんは、式典実行委員会。先輩方からよく学んで。」

「はい!」

「ミレイユさんは、飼育委員会をお願い。」

「はい、精―杯お世話します。」

「オウガさんは……防衛委員会。

 普段は時間が空くかもしれませんが、有事の際には先陣をお願いします。」

「わかったぜ。」


「これで全て決まりましたね。クライヴ先輩。」

「……ハッ!?なに、もう終わったのか!?」

「はい。それで、空き時間は、クラスメートの親睦会としたいのですが。」

「あ、ああ。いいだろう。」

「先輩は多忙でしょうし、あとのことはわたくしに任せ、お戻りください。」

「ああ、わかった。……シャルロット殿。」

「なんでしょう、クライヴ先輩。」

「俺はあなたのことを、誤解していたようだ。すまない。許してくれ。」

「……いいえ。」

「では、あとは頼んだ。」



「…………」

「は~、さすがは光焔の御子、シャルロットさんです!見事な仕切りでした!」

「…………」

「それで、親睦会というのは何をするんですか?」

「おい、ヨシュ坊。」

「よしゅぼ……えっ!?」

「肩揉め。」

「えっ、その……」

「わかるっしょ?人をまとめるって、疲れるワケ。

 式典実行委員会は、生徒会のサポートだし、生徒会長はあたしだし。

 わかるっしょ?」

「あ、はい……では、失礼して……」

「ああああぁぁ~~~……そこそこ~~~……」

「こ、ここでしょうか……?」


「……お兄ちゃん……」

「…………」



「よ~し、校内探検に出発だ~!」

「あ、自由時間なの?じゃあちょっと部室にあいさつしてこよっと。」


「…………」

「どうした、ブロウ?」

「なんだそりゃ?」

「気にするな。会長が心配か?」

「いや……ガキじゃねえんだからよ。ちっと風にあたってくらぁ。」

「……ガキじゃない……か……

 俺も、なるべく手を出さず、静かに見守るとするか……」


「……私も本読みに行こ。」

「あ……みんな……」


「…………」


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story3-1 イクラ組初日


「お、俺が、この『イクラ組』担任のソウマだ……です……」

「…………」

「うっ……」(教壇に立つってのは、こんな景色なのかよ……!

……落ち着け、ソウマ。この緊張は、教師を目指すなら誰しも通る道だ……)


「…………」

「…………」


「ま、まず、スクールアーツとは……じゃない、

 俺がいたスクールの……あれ、違うな、違いまして……」

「「「?」」」

「違いました、まずはじめはです、学級長さんをお決めします……

 だ、誰か、立候補は、いますか?」


「…………」

「…………」

「…………」

 (くっ、俺がしっかりしないと、みんなも余計緊張してしまう……)


「……ははっ!な~にをお見合いしているんだよぉ~!」

「「「!」」」

「お見合いって言っても、アレじゃないぞ。緑談のことじゃなくて……」

「…………」

「…………」

「…………」

(す、スベったか!?)

「…………」


「そ、そういや、朝のあいさつがまだだったでしたな!

 みんなさーん!おはようございまーす!」

「……おっ……」

「…………」

「…………」

「……くっ……!」

「…………」


「で、では、推薦でもいいですよ。学級長、誰がいいでしょうか?」

「…………」

「…………」

「…………」


(た、耐えられねえ……!誰かしゃべってくれえ……!)


「…………」

 (……この空気…………面白いな……!)



Q3-1 灼熱のクラス?

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story3-2 初対面だし


「……ねぇ、あなた?」

「はい?」

「……どう?」

「学級長、ですか?私は……ちょっと……他に、やることが……」

「そう……」

「あなたは?」

「私……も、案外、忙しくて……」

「そう……」


「……姫様。」

「え、なあに? ゲオルグ?」

「……?何を考えておいでです?」

「もちろんラピュセルのことよ♪

 ―人でさびしくないかな~……泣いてないかな~……」

「……はぁ……」


「……イサミ。お前はどうだ?」

「私には荷が重すぎます。」

「嘘を申せ。」

「そのような余裕があれば、武の鍛錬を致します。守るべきもののために。」

「ふん……ならば、無理にとは言わぬ。」



「学級長かぁ……あたしはいっつもガレアに怒られてるしなぁ~……」

「ガレアさん? って?あ、私はツキミだよ~。よろしくね~。」

「あ、うん! あたしマール!ラッキーを届ける天使だよ!」

「天使なんだ。すごいね~。」

「ううん、そうでもないの。あたしあんまり、お仕事が丁寧じゃなくてね、注意されてばっかなの。

 注意してくるのがね、あたしの同僚の、ガレアっていう天使なんだけど……」


「…………」

「…………」



「……み、みんな……?どうだ……?誰が、学級長になるのが……」

「……ソウマ殿。」

「ん、おお、はい、なんだ?ゲオルグ……だったな。<竜の国>のドラグナーの。」

「―つ、言いたい。」

「どうぞ。」

「学級長とは、このイクラ組の中核となる、非常に大事な存在。」

「そうだな。」

「それが、会ったばかりで、互いに名も知らぬ我々に――――すぐに決められるものか!」

「た、たしかに……!」

「自己紹介の場を要求する!」

「それはもっともだ……わかった。好きにしてくれ。」

「恩に着る。では、みな、準備してくれ。」


「…………」

 (もっと面白くなってきやがった……!)


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story3-3 折り目正しく自己紹介


「自分はゲオルグ。<竜の国>の竜騎士団で団長をしている。

 この度は、竜の国の威信を広め、また、己も見聞を広め、鍛錬するために参った。

 依然若輩者ゆえ、至らぬところもあるかと思うが、粉骨砕身、まいしんする所存だ。

 よろしくお願いする。


「では、ソウマ殿。」

「お、おう。じゃあ、え~っと、次の人。」

「「「「…………」」」」


「……ふむ。では姫様、お願いいたします。

「私?

「竜の国で続けた方が、解し易いでしょう。

「それもそうね。私はエクセリア。ゲオルクと同じく竜の国から参りました。

 好きなのはラピュセル♪それにフィーユです♪みなさんもかわいがってあげてくださいね~♪


「……姫、か……あいつが聞いたらどうなるか……

「ソウマ殿。

「あ、次を頼む。


「じゃあ私が!白魔術士のハルカよ!以前は魔法学園にいたわ!

「……白魔術士?

「魔法だけじゃなく、薬草なんかも利用して人を癒す魔術士よ。

 前の学校ではずーっと二番手だったの。ここではー番目指してがんばるわ!

 なんでもするから!よろしく!


「次は君にお願いする。

「あっ……


「あたしは天使のマール!ラッキー足りてない人いない?あげるよ~♪ どぉ~?

「ああ、いざというときはお願いしよう。

「は一い! あ、あたしね、バスケ部に入ったの!よろしくね~!

「ああ、こちらこそ。次は……そ、そちらの……


「? 私ですか?私はシズクと申します。

 <鬼退治>のー族の末裔です。生業は<悪しき鬼>の討伐にございます。

 ビーチバレー部に入部しました。それに伴い、水練も行い、己を鍛えようと存じます。

「な、なるほど……戦士か……それならば……」

「?」

「私はイサミ。同じく<鬼退治>の一族の者です。

 宗家の主に仕えております。皆さま、以後よしなに。」

「……む……!よろしく頼む……」

「ええ。」


「私はツキミです。おだんご屋をやってるよ~。甘くておいしいおだんごだよー。

 購買部にも置いてもらってるから、みんな食べに来てね~♪」

「あ、ああ、折を見て、な……


「……バイパーだ……」

「……!(この男、まるで気配を感じさせないだと……!?)

「……この場では特にない。

「……そうか。おいおい、教えてくれ。」

「いいだろう。」


「これで全員だな。よし、じゃあ投票で――」

「それは気が早いだろう、ソウマ殿。」

「え?」

「まだ互いに名を知っただけに過ぎない。交流を深める時間を頂きたい。」

「お、おお……それもそうだな。」

「よし、では……席を丸く並べてみないか?みな、協力してくれ。」


 (こういうやり方もあるのか……またーつ、勉強になったぜ……)


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story3-4 学級長はだれだ


「では改めて、学級長選出会議を行う。だれか、意見はないか。」

「…………」

「……自分としては、やはり姫様こそ相応しいと思うが、どうか?」

「ええっ!? 私が!?やめてください、ゲオルグ。」

「なぜです。姫様はいずれ、竜の国を統べるお方ではありませんか。」

「なるほど。なら決まりだ。」


「あのさ……聞いていいかな?」

「ど、どうぞ。」

「……?」

「学級長って、どのくらい忙しいのかなあ?

私、他にやることもあるんだけど……両立できそうなら、って、少し興味もあって。」

「ふむ。ソウマ殿、どうだろうか?」

「知っての通り、この学校はまだまだ歴史が浅い。

だから、その気になれば仕事は尽きないと思う。忙しいんじゃないかな。」

「放課後全部返上とか?」

「たぶんな。」

「そっか~……じゃあ、厳しいなあ~……」


「それでしたら、私も放課後は新体操部の練習がありますので……」

「そういえばそうでしたな……」

「あたしもバスケ部の練習があるよ。」

「私はビーチバレー部が。」

「私は剣道部が。」

「私はねー、放課後は購買部で働いてるんだよ~……」


「なんと……では、このクラスには、学級長は不在ということに……!

「――! 持て!君は……バイパー殿と言ったな。

 君のことは良くは知らないが……その身のこなしといい、数々の修羅場をくぐり抜けてきたことはわかる。

 君にお願いできないだろうか?

「……いや。

「何故だ?

「俺は……新聞部だ。

「なんと!?

「え~、おどろくとこ~?ルーンカメラ持ってるの見ればわかるじゃない~?

「るーん……かめら?竜の国にはないものですね。

「あ、そうなんだね。結構いろんな島で流行してるんだよ~。

「放課後は、獲物が最も活発な時間。毒蛇は物陰に潜み――スクープを狙う――!

「…………」

「……わかった。無理強いはすまい。」


「すまない、ソウマ殿。」

「え?」

「イクラ組には、学級長を務められる者は不在だ。学長殿にお伝え願えるか?」

「―人、いるでしょ~?」

「な、なんですと?……しかし既に全員に話を聞いたはずでは……?」

「あなただよ♪ 団長さん♪」

「なっ……!」

「適任でしょう。」

「し、シズク殿!?」

「同意見です。」

「あなただったらついていきたいと思うわ。」

「うん♪ だってさ、みんなをまとめるのとっても上手だったもん♪」

「学級長は君だ!」

「……!」


「……ゲオルグ。みなさん、こういっておられますし……

私からもお願いします。あなただったら、クラスを一つに出来ると思うわ。」

「……は。――不肖、このゲオルグ――

学級長の任、謹んでお受けいたします……!」


 (……やれやれ。一時はどうなることかと思ったが、なんとかなりそうだな……)


…………

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story4-1 対面式


ぴんぽんぱんぽーん♪学長のカムイでーす。

これから対面式を行いますので、新入生のみなさんは、

体育館にお集まりくださーい。ぴんぽんぱんぽん♪



「……対面式?

「ではみんな、体育館へ移動してくれ。


 ***


「あ~! ガレア~!ひっさしっぶり~♪

「入学式まで一緒だっただろう。


「あ! バイパーさん!

「よう。ヨシュア、ミレイユ、メアはそっちか。

「はい、お兄ちゃんと同じクラスで嬉しいです!

「バイパーさんは別のクラスね。そっちはどんなかんじ?

「面白いヤツが多い。


「あっ、ごめんなさい。

「ううん、こちらこそ。


…………

…………


(ここには……<あいつら>の気配はないわね……今は……)


「みなさん、学長先生がいらっしゃいました。

クラスごとにわかれ、整列いたしましょう。


……へっ……

…………

お待たせいたしました。

ただいまより、対面式を執り行います。


「まずは、上級生による部活動紹介です。入部がまだの方は、ぜひ参考にしてみてください。

では、裁縫部、アイリスさん。」


「みなさん、入学おめでとうございます。お裁縫部で部長をしています、アイリスです。」

「へぇ~……お裁縫部の部長さんなんだ、アイリスさん……」

「お裁縫部は、初心者大歓迎です。一から丁寧にお教えします。

自分が縫った作品が出来上がると、とても嬉しくて――」


裁縫部のアイリスを皮切りに、各部の部長による説明が続いていく。

そして、大トリは――


「……ククク……」

我こそは、落研の帝王――――ヴィルフリートである――!


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story4-2 帝王の新作


「落語には、様々にオチ、『サゲ』とも言いますが、種類があります。


さかさ落ち、まぬけ落ち、楽屋落ち……

中でも、『考え落ち』なんてものは、あとになってきますから。

帰りしな、市場に寄ったときなんかに。


今日の帝王の落語は……

……ああそうか、なるほどなるほど、あれがオチだったのか

「ウフ。」

「アハハハハ!!」


……なんて。周りの人がたいそう驚いてしまうようでございます。


珍しいところでは。『見立て落ち』なんてのもございます。

これは見てなきゃオチがわからない。

こんなのがあります。


「ねぇご隠居!なんか面白いことないかい!?」

「ふむ、あるにはある。人間というのは不思議なもんでな。」

「へぇへぇ。」

「両手を広げた大きさと、背えの大きさが。こりゃー緒だ。顔もそうだよ。

計ってごらん。そう、指で、開いた幅で。」

「ええと、横が、―つ、半。縦が……一つ、半だ。みんなそうなのかい?面白いねぇ!」

「ところがあたしの顔が不思議だよ。」

「見りゃわかるよ。」

「茶化すんじゃないよ。横が一つ半で、縦がふたぁーつ、ある。」

「ほんとかい?」

「見ててごらん。横が、―つ……半だ。で、縦が、一つ――」


そう言うとヴィルフリートは口を縦に大きく開けた!


「ほら……二つだ。」

「へぇ! 顔なんてな、伸ばせば伸びるもんだね俺にもやらせとくれ!」

「横が、―つ、半。縦が、一つ――アァ。」

「なにやってんだい、通り過ぎた後に口を開けたってしょうがないだろ!」


おあとがよろしいようで。



「あはは! 面白いね、お兄ちゃん!」

「すごいな~!」

「これが、話芸……なの、か……?」

「…………」


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story4-3 さてここでみなさんに


各部活の紹介が、一通り終わった――


「……う~ん……お兄ちゃんは部活まだだったよね?いいのあった?」

「どこも楽しそうだったけど、……どうしようかなぁ……?ミレイユは?」

「あたしは……もうちょっと、考えてみようかなって。」


「……ふわぁ……」

「ん?」

「…………」


「さて、ここでですね。

新入生のみなさんに、大事なお知らせがあります。

みなさんには、これから文化祭をやってもらいます。では、解散。」

「…………」


――突然の学園長の言葉に、新入生たちは困惑した。

果たしてこの言葉の真意は、どこにあるのか――


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story5-1 マリ:初日を終えて


茶熊学園、見学初日。なんとも、呆れたものだ。


<マリが日記をつけている。>


自由な校風と言えば聞こえはいいが、生徒に丸投げの教師陣。


生徒も生徒で頼りない。

名うての冒険家だったのなら、もう少しやりようはないのか?


冒険の基礎をーから学ぶ、それもいいかもしれないが、

そのために己のレベルを下げてどうする。


きわめつけは、突然の文化祭の開催だ。

戸惑うだけの新入生たちなんかには、何も出来やしないだろう。


全く、考えが浅い。腹が立つ。

どうして私が、こんなところに。


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