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【白猫】マイ・思い出

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最終更新者:にゃん
お米の守護者
マイ・ヒカリネ cv.照井春佳
お米を愛する少女。
お米の繁栄を信じて、戦い続ける。
2014/09/24




思い出1



炊けた……炊けました!

この色つや、食欲をそそる匂い……完璧です!

<不思議な格好をした少女が、釜を見つめて笑っている>

こんなところで火遊び~?火事にならないようにしてよね。

違います!お米を炊いていたのです!薪はちゃんと片づけます!

変わった人ね……。どこから来たの~?

マイと申します。東の国から、お米の素晴らしさを伝えるために参りました。

<大きなシャモジを釜に突っ込み慣れた手つきでお米を茶碗によそう>

お米いかがですか? 炊きたてホッカホカですよ~。

たーんと、召し上がれ!

う~ん、アタシ猫舌だから熱いのはちょっと……。

そんな……。

もしかして、かつお節があれば食べてくれました?

そういう問題じゃないわよ。

主人公、代わりに食べてよ。

みんな~。バロンさんがパンを買ってきてくれたから一緒に食べましょう。

いいわね~。

アタシはどっちかというと、お米よりもパンの方が――。

パン……そう……

あなたもパンを選ぶのですね……

うっ、後ろから殺気が……

<マイが鬼の形相でオニギリを握っている>

憎い……憎たらしい……熱っ……

あんなパサパサしたもののどこが、くうう……憎い……熱っ!

怖い、怖い!怒りながら、オニギリつくるのやめてぇ……




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思い出2



天よ……乾いた水田に慈悲深き恵みを……

へっぽこな踊りね~。なんか意味あるの?

雨乞いです。日照り続きのとき、よくやっていたんです。

気がつけば習慣になってまして……

そのときにパ……がやってきて……お米の地位が……ぐうう……

お米づくりって大変そうねぇ。

そうなんです!

戦いはお米を釜に入れる前から始まっているのです!

そう、まずは土づくりから!

土壌の栄養を一定のバランスで保つのが大切です。肥料選びは慎重に!

土を掘り返してミミ、オエッ。ミミズがたくさんいればその土はよいとされ――オエッ。

よくわかんないけど、お米が好きなのとミミズが嫌いなのはわかったわ。

ねぇ、みんな~。フライパンどこ置いたか知らない?

フライ……<パン>……

せっかく、パンプキンスープに挑戦しようと思って材料そろえたのに……

それって普通、お鍋で作るものじゃないの?

そうなの?

<パン>……プキン……パン……忌々しい……


 マイが怨念を込めながら、力強くお米を握っている。

そのお米どこから出したの!?


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思い出3



ざるの上に、赤い木の実がたくさんあるよ~。

1個くらい食べてもいいよね。

すっぱ! うう……にゃにこで~。

ふふ、梅干しは初めてですか?

ウメボシ?

私の国で、お米のお供として古くから親しまれている漬物です。

酸味があって人によって好き嫌いはありますが……。

すっぱいのやだ~。

根気よく漬け込んでいけば、そのうち味がまろやかになりますよ~。

この後、壺の中に梅干しを戻すのですが、道具や手を清潔に保つことでより味が整います。

だから私は髪の毛や、服にも気を配っていて――

むっ! 主人公さん!その服についたシミはなんなんですか!

ほんとだ。何のシミだろう……。

ここのところ、冒険続きだったからね……

なんと!? それはいけません。いけませんよ!

洗濯は1日2回が基本です! 私に近寄らないでください!

アタシは綺麗にしてるよ~。

白いから汚れも目立つしね。

キャトラさん! 尻尾の先が汚れていますよ!

洗って差し上げます!

え、ちょ、――それは?

洗濯用の釜です。

ねえ? なんでアタシ、釜の中に入ってるの?

5回ってとこですね。

とがないで~!



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思い出4



マイに教わったとおり、ふっくら炊けたんじゃないかしら?

うーん、でもちょっと水っぽいね……ベトベトするし。

水の量を間違えたのかなぁ……。

アイリス、ドンマイだよ。これでも十分、美味しいよ。

ドンマイ?……なんか、元気が出る言葉だね。

みなさ~ん。上手く炊けましたか~?

おや? それは<もち米>なので<うるち米>の水量より、やや少なめにしないと…

お米にも色んな種類があるんですね。

はい。他にも緑のお米や黒いお米、

発芽玄米に酒米なんていうのもあるんですよ~。

へえ~。全部食べてみたいわね~。

ふふ、我が一族に代々伝わるとっておきのお米も――

おっと、秘策なので内緒でした。

秘策?

これを使えば誰もがお米の虜に……ふふふ……


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思い出5



お米が光ってる!?

………。

これは<お米のルーン>です……

すごく小さいんですね……

本当は漬物石くらいの大きさだったんですけどね……

もしかして、秘策って……

はい……。

この光を見た者はお米のありがたみを思い出し、お米を口にしたくなるのです……

しかし、今では見てのとおり微かな光……

かつてほどの力はありません……


<マイが物憂げに空を見つめる>


昨年、私の国は天候に恵まれず、干害に見舞われました。

人々の主食であったお米は収穫困難になり、他国に援助を求めるしかありませんでした。

他国からパンが配給され、食卓に並んだとき、人々は戸惑いました。


けれど、それはほんの束の間。

パンを一口食べれば人々は感動し、あれよあれよと大流行……


今ではパンづくりを生業とするものも増え、お米の存在価値が薄れています……

一時の流行だと思いますよ。

そのうちみんな、パンに飽きてお米を……

アタシはマイの炊くお米好きだよ。

ほら、今日もホッカホカで美味しそう。


――って、マイ!? お米になに塗ってるの!

チョコレートを塗ると美味しいらしいですよ……

手づくりの梅ジャムなんかもどうですかね……

こんなことして……。

お米の美味しさを伝えるんじゃなかったの?

マイさん……

もういいんです……。

パンさえあれば、みんな幸せなんですよ……



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思い出6 (友情覚醒)



この光……ホッカホカ……炊き立てのお米のような……

悩むことなんて……ありませんでしたね……


主人公さん。そのパンを私に!


 マイが迷いを断ち切るようにパンを豪快にかじった。

マイ!?

外はカリッとした食感なのに中はもっちりとしていて……美味しい!


最初から……

パンを食べてる人たちの笑顔を見て分かってはいたんです……

パンに嫉妬していただけなんです。素直に認め合えばよかったのに……

マイさん――ドンマイですよ!

丼……米……? 初めて聞くお米ですね……

ええっ! えっと……

そうか…。

どんな味でも噛みしめて、大きな器で包み込む。

私にはそれが足りなかった……。

<丼米>とはそういうことなのですね!

キャトラ、そうなの?

そういうことにしときましょ。

あら? 主人公、そのパンに塗ってるのって梅ジャム?

美味しそうね~。アタシも塗る~。

はっ! パン生地に米粉を練り混ぜると、よりもっちりとした弾力になりそうですね……

ああ、それも美味しそう! 発想が無限に広がるわね~。

お米とパン……仲良くやっていけそうですね!

はい! フワフワのパンに負けないようにホッカホカのお米を炊き続けます!

<マイが嬉しそうにお米を茶碗によそう>

さあ、みなさん。

た~~~~んと、召し上がれ!



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思い出7


ふふふ、もう少しで完成ですよ~!

マイ~、なに作って――ひぇ! なにその真っ黒いの!?

ジャム……かしら? でも甘いというよりは、美味しそうなニオイがしますね。

これはですね、お米とパンを結ぶ新たな絆なんです!

ふ~ん?

きっと驚きますよ~。待っててくださいね!


思い出8 (神気解放)


できました! 特製! 海苔佃煮ジャムです!

では早速、炊き立てのお米と一緒に召し上がれ♪


美味しいでしょう! では今度は、焼きたてのパンと一緒に召し上がれ♪


いかがです、この佃煮ジャムは! お米にもパンにも合うでしょう!

まさにお米とパンを結ぶ絆!

私もこのジャムのように、お米とパンの架け橋になってみせますよ~!




炊き立て守護戦士


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