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ネオンの島の100億$$$ Story2

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最終更新者:にゃん

ストーリーまとめ


story



 ブラッド 

おっしゃー! ついに貯まったぜ。

100億$$$ゥー!!!


 キャトラ 

ハァ……ハァ……! どーよ!?

アタシらにかかれば、こんなモンなのよ!


 ブラッド 

ありがとよキャトラ!

ありがとよアイリス!

ありがとよ主人公!


これで俺も、ようやく自由に……!

ちょっと行ってくらァ!


 キャトラ 

いってらっしゃ~い♪




 ***




ファルファラ

ティナちゃんは、ここで大人しくしててね?


 ティナ  

お仕事ですか?


ファルファラ

ええ。


 ティナ  

何をやってるんですか?


ファルファラ

歌を歌っているの。

これでも、世界中にファンがいるんだから。


 ティナ  

それは……表の顔、ってことですか?


ファルファラ

あら、どうしてそう思うの?


 ティナ  

なんとなく……

ファルファラさん、とっても熱い、から……


ファルファラ

……ふふ。ありがと。

でもね、歌にだって情熱を込めてるわ。


――夜の蝶、クプクプマラム……

私の声は、日常に疲れた人々に、

夜という安息を与える……ついたあだ名が。

『100億$$$の歌姫』よ。


 ティナ  

……!


ファルファラ

ふふ。いい子でいるのよ♪



 ***




 ティナ  

はぁ~~~……!

カッコイイ~~~……!


……それにしても……この島……

不思議と懐かしい感じがする……


どうしてだろ……? 血、的なあれかな……? 

体の奥が、うずいてる……?


…………ちょっとくらいなら、いいよね……

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 ブラッド 

ニイさん!


ヴィンセント

あン?

意気揚々と、なんなワケ?


 ブラッド 

こんなワケよ!


ヴィンセント

……………


 ブラッド 

20年前……ねえちゃんが壊しに壊した

島の施設、復興費用と諸々合わせ、

積もりに積もった100億$$$!

これで文句はねェよなァ!?


ヴィンセント

やるじゃない、ブラッドちゃん。


 ブラッド 

これで俺も、ジェノー家からおさらば――


ヴィンセント

もう100億おねがいね~ん。


 ブラッド 

……………………は?

ぐぅ!?


ヴィンセント

想像力ってあるか? おお?

20年前の借金がよ、

そのまんまなワケねーだろが?


ヴィンセント

……!? いや、それは、元金は

増えねーよーにって、おやっさんが……!


ヴィンセント

もう死んだ奴がなんか言ってたか?

それ嘘だぜ?


 ブラッド 

なん……だっ……って……!?


ヴィンセント

まー頼むわブラッドちゃん。

100億稼げたんだ、

200億だって同じだろ?


 ブラッド 

ふざけんな……!

かはっ……!


ヴィンセント

どっちがだ!? アァ!?

オメーとオレのよ、どっちがフザケてんだ!?


 ブラッド 

利息分は……!

返し続けてたはずだ……!


ヴィンセント

寝言ほざいてんじゃねえぞ。テメーの五体を

売りさばかなかっただけありがたく思えや。

アァン!?


 ブラッド 

……それは……わかってる……

感謝だって……してる……!


ヴィンセント

足りねぇ。もう100億だ。


 ブラッド 

……………………!



ヴィンセント

お~こわ。噛み殺されそうな

目つきだわぁ~~~ン♪


 ブラッド 

…………


ヴィンセント

行け。

行けっつってんだ!!!


 ブラッド 

…………


ヴィンセント

…………

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ファルファラ

――天地のはじめから、

男と女は、恋をしていた……


いま聞いてもらったのは、そんな歌……


永遠に続く夜に、情熱的な愛のあらんことを。

――また会いましょう♪



 ***


ファルファラ

ふうっ……


ヴィンセント

ファラちゃん、おつかれさまぁ~ん。


ファルファラ

……フロアマスター、お疲れ様。何か?


ヴィンセント

ああ、身構えないで。

あたし別に、あんたに興味があるとかじゃないし。むしろないし。


ファルファラ

……何の用ですか?


ヴィンセント

明日からのステージ、二倍に増やしたけど、

いいわよね?


ファルファラ

あら乱暴ね。ギャラはどうなるの?


ヴィンセント

おサムイことに、あたしらもカツカツで……


ファルファラ

私は夜の蝶、クプクプマラムよ?

安く見られちゃ――


ヴィンセント

ガキが一人逃げた。あんた知らない?


ファルファラ

……ガキ? 一人? 何を言ってるの?


ヴィンセント

知らねェならいーや。


ファルファラ

一人って、どういうこと?

他にも――


ヴィンセント

知らねェんだよなァ!?


ファルファラ

…………


ヴィンセント

あんまりウチを――や、あたしを。

なめんじゃねェぞ♪


ファルファラ

…………


ヴィンセント

……その子供がねぇ。

いなくなったおかげで、大損害なのよ。


だから、ね♪ こころぐるしーんだけど、

わかってちょうだいね♪


ファルファラ

……わかりました。


ヴィンセント

うん♪




ファルファラ

(……クッ……!)

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 コステロ 

……ッフー……


ヴィンセント

…………


 コステロ 

おい。


ヴィンセント

…………


 コステロは、吸っていた葉巻を

 ヴィンセントの頭頂で押し潰した……


 コステロ 

……100億$$$か。


ヴィンセント

……はい。


 コステロ 

こんなモン――


ヴィンセント

ぐっ……!


 コステロ 

ヨソの島じゃあ、

100分の1の価値もねぇんだぞ!?

ナメてやがんのか、ヴィンセントォ!?


ヴィンセント

……ビジネスは島の中でやってますから。


 コステロ 

そこをテメーで考えろや。

あぐらかいてんじゃねーぞ、おぅ?


ファルファラやブラッドじゃねーんだ

テメーは。代わりなんざいくらでもいる。

もっと危機感持てや?


ヴィンセント

……はい。



 ???  

うふふふ……♪

いいこと言ってるじゃないか……


 コステロ 

!! ミ、ミスターナーペル……!


 ナーペル 

やあ……コステロ……

ボクの可愛い精霊たちは元気かい……?


 コステロ 

そ、そりゃあもう……!


 ナーペル 

うふふふふ……♪

せっかく貸してあげてるんだ……

上手に使って稼ぎなよ……


 コステロ 

ありがとうございます……

(どの口が……!

法外な貸付料を要求してンだろーが……!)


 ナーペル 

本物……だったそうだね……?


 コステロ 

は、はい!

一瞬の隙に逃げられちまったが、なあに、

この島はウチの庭だ、すぐに居場所を――


 ナーペル 

100億、出そうか……


 コステロ 

!?


 ナーペル 

$$$じゃないよ……ゴールドで、さ……?


 コステロ 

ひゃ、100億ゴールド……!


 ナーペル 

少しはやる気になってくれる……?


 コステロ 

そりゃもう!


 ナーペル 

次は……ないけどね……?


 コステロ 

……ヘヘ……そんくれぇ、上等だぜ……

オレはコステロ様だ……!


 ナーペル 

頼もしいね……♪


 コステロ 

ヴィンセント! いますぐガキを連れてこい!

テメーの言うことしか聞かねぇ、あの狂犬も必ず使え!


ヴィンセント

はい……!




 コステロ 

あとは時間の問題よ……!


 ナーペル 

ふふふ……ならいいけどね……

覚えているかい……?

力の残滓が……教えてくれる……

その子供……あの、<拳の女>の……

娘、だよ……?


 コステロ 

――!?

な……ンだって……!


――ヴィンセントォ!!!

絶対ェに連れてこい!!!

絶対ェだかんなァアア!!!


 ナーペル 

うふふふふ……♪

聞こえてるかなぁ……?

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 ブラッド 

……はぁ……



 キャトラ 

いや~、ほんじつもじゃんじゃん稼いだわ~♪

じゃぶじゃぶ使ったけども~♪


 ブラッド 

キャトラは相変わらずツイてやがるし……


 キャトラ 

ム!? 通りすがりのブラッド!

ツイてやがるとはごあいさつね!

アタシがツイてて悪いの!?


 ブラッド 

悪かねえよ……ただ、

人間て不公平だな、って思ってよ……


 キャトラ 

アタシは猫よ!!


 ブラッド 

猫もだよ……


 キャトラ 

……どしたの?

元気ないじゃない?


 ブラッド 

言えねえよ……

あんだけ世話になったオメーらに、

全部無駄だったなんて……


 キャトラ 

ほぼ言われたような気もするけど……

なになに? 詳しく話してごらんなさいよ?


 ブラッド 

優しいなァ、オメーらは……

それがよお……




 ティナ  

きゃっ!?


 ブラッド 

おっと、悪い。

意気消沈して下向いてたわ。


 ティナ  

はあ? それが理由?

謝罪になってなくない?


 ブラッド 

お……? おお……?


 キャトラ 

アララ、なんだかちびっこいのに威勢が

いいのにぶつかったわね。


 ティナ  

……え、しゃべる猫ちゃん???


 キャトラ 

アタシはキャトラよ~♪


 ブラッド 

この猫しゃべるんだよ。


 ティナ  

はあ? あなた受け容れてるの?

こんな不可思議な事象を?

そんな見た目なのに?


 ブラッド 

受け容れちまった。結構不思議なのに。

見た目は職業柄、だな。


 アイリス 

(律儀な人だわ……!)


 ブラッド 

…………?


 ティナ  

? どうしたんですか?

私か、なにか……?


!!


 ギャング 

ちっ! 逃がすな!!!



 アイリス 

!! あの子、追われてる!?



ヴィンセント

ブラッド!


 ブラッド 

ニイさんかよ……

なんだよ、殴り足りねえのか?


ヴィンセント

いまのガキを追え!


 ブラッド 

は?


ヴィンセント

あのガキ、100億だ!

100億『ゴールド』だぞ!


 ブラッド 

――!!

なァおい、そんなの、捕まえたらよォ!?


ヴィンセント

ああ、好きにしろ!


 ブラッド 

――へっ!


 キャトラ 

ブラッド!?

ちょっとアンタ、どういうこと!?



ヴィンセント

お客様、ご容赦ください。

我々にも事情がありまして。


 キャトラ 

子供には未来があるわ!


ヴィンセント

……はあ?


 キャトラ 

あの子の価値が100億ゴールドだから、

いま捕まえたいのか知らないけどね!

成長したら1000億ゴールド使って

くれるかもしれないわ!


その可能性を摘むの!?


ヴィンセント

――!?

なんだ、この説得力……!?


 キャトラ 

そうでしょ!?


ヴィンセント

……ですが、申し訳ありません。

我々に重要なのは、未来ではないのです。

明日の生活。それを掴むだけで精一杯

なのですよ。


 キャトラ 

ほーべんだわ!


ヴィンセント

オレもそう思うが――

――失礼。




 キャトラ 

あーっ!!

接客業にあるまじきだわ!!

なんだってのかしらもう!

追っかけて言ってやりましょう!


 アイリス 

ええ……! そうね……!

感じるの……! さっきの女の子から……!

<なにか>を……!

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 ティナ  

――はぁ、はぁ……!

……なんで私を狙うのよ……!



 ブラッド 

すまねェなァ……


 ティナ  


 ブラッド 

この島は、ネオンに彩られた虚飾の楽園よ……

見てくれは良くても、中身はカラッケツだ。

ギャングがひぃひぃ言って、小銭を稼いで

るのが実情よ。――ンなところに――


 ティナ  

!?


 ブラッド 

舞い降りた宝石箱!

その価値なんと100億ゴールド!

のどから手が出ちまうだろォ?


 ティナ  

100億ゴールド……?


 ブラッド 

恨みはねェんだ……!

すまねェ!



 ブラッド 

!!


 ティナ  

――!?


 ブラッド 

狙撃……!?



 キャトラ 

おいついた!

ブラッド! そんなことおやめなさい!

りんりにもとるわ!


 ブラッド 

キャトラ……わかってくれ……

俺も辛ェんだ……


 キャトラ 

いいえわからないわ!

なら……そっちの子! 逃げて!

ここはアタシたちが――


 ティナ  

100億ゴールドってなんのこと!? 懸賞金ってこと?

私、何も悪いことしてないし。いきなりポエム聞かされて、状況が全くわかんないんだけど?

私を高く買うのはもしかすると無理ないんだけど、追われる理由が知りたい。


 キャトラ 

……芯のしっかりした子だわ……!


 ティナ  

あなた、猫ちゃんが好きなんでしょう? 悪い人とは思えないし。

嫌々私を捕まえるくらいなら、わかるように事情を話してよ。

私にできることあれば、するよ?


 ブラッド 


 キャトラ 

どーしたのブラッド?


 ブラッド 

……いや……なンか……


 ティナ  

ブラッ……ド……?



 光輝く蝶が、いつの間にか

 あたりを取り巻いている……!



ファルファラ

鱗光蝶よ――輝け!


 ブラッド 

うぉっ!?


ファルファラ

いまよ! 蝶を追って!


 ティナ  

あっ……! はい……!



 キャトラ 

ぬっふっふっふ……!

このキャトラさんには見えていたわ!

あの子、無事に逃げたわよ!


 アイリス 

(キャトラ……! 脈絡って知ってる……!?)



 ブラッド 

…………


ヴィンセント

……ブラッドォおおお~……?


 ブラッド 

…………


ヴィンセント

なにボサっとしてやがる、アァ!?

どんだけデケぇヤマかわかってんのか、

ボケがァ!!


 ブラッド 

……だな、ニイさん……

想像以上に……デケえかもしれねェ……!


ヴィンセント

寝言は寝て言えェ! いくぞオラァ!!



 キャトラ 

あ~も~! なんなのかしら!

おっかけましょう! やめさせなくちゃ!

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 ティナ  

……はぁ……はぁ……!

…………あっ! ファルファラさん!


jpg


ファルファラ

ティナちゃん……どうして言うことを

聞いてくれなかったの!?

あなたは狙われているのよ!?


 ティナ  

……ごめんなさい……


ファルファラ

――心配したわ……!

子供が危険にさらされるのは、

もう、たくさん……


ファルファラさん……

なんだか懐かしい気がして、思わず外に出ちゃったの……ごめんね……

……ねえ、ファルファラさん。私を狙ってるのって、<闇>だと思ってたんだけど……


ファルファラ

!!


 ティナ  

人間も追ってくるの。これって……?


ファルファラ

……賢い子ね……


 ティナ  

もしかすると、この島のギャングたちって……!


ファルファラ

おそらく、ね。でもまだ、尻尾はつかめて

いない。組織を連れてはこれないわ。


 ティナ  

ファルファラさんってスパイ?


ファルファラ

……ふふふ、夜の蝶よ?





 ブラッド 

衝撃的なあいびきを目撃しちまったぜ……


ティナ&ファルファラ

!!



 ブラッド 

あんた、ちィと前にきた、ファルファラ、

だよな。100億$$$の歌姫の。


ファルファラ

そういうあんたは100億$$$の男よね、

ブラッド?


 ブラッド 

そりゃ借金がだ! 呼ばねーでくれェ!


 ティナ  

借金? で、私を?

それは、ちょっとなんか


 ブラッド 

ちっせェよなァ……

わかっちゃいるんだ……


 ティナ  

だったら――



ヴィンセント

なァ~に仲良くくっちゃべってんだァ?

おオ!? ブラッドォ!?



 ブラッド 

ニイさん――!



ヴィンセント

――教えたよな?

いや教えちゃいねぇ。とにかく――


――ターゲットの前で……

……躊躇すんじゃねェ!!



 ブラッド 

!!


ヴィンセント

仕事ってなァこーやンだァ!


 ティナ  

はあああああっ!!


ヴィンセント

!?


 ティナ  

――見ろ、私の、この細腕を――


ヴィンセント

まさか……!?


 ティナ  

――てめェを彼方にぶっ飛ばす腕だァァア!!!


ヴィンセント

(嗚呼……♪ このパワー……♪)


 ヴィンセントは星になった。

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 キャトラ 

な、なんじゃ、いまのは……?


ファルファラ

ティナちゃん、あなた……?


 ティナ  

隠すつもりはなかったんです。

ごめんなさい。


さっきの光は、父の力……七色の波動……

思い通りに周囲の現象を操る能力……



ファルファラ

……!


 ティナ  

そして、最後の一撃は――


 ブラッド 

――母の力、だろ?


え!?


 ティナ  

うん。


 ブラッド 

やっぱり、な。

ティナ。会えて良かった。

俺はお前の母ちゃんの弟だ。


 ティナ  

だと思ったよ、ブラッドおじさん。


 ブラッド 

さっきは……悪い……


 ティナ  

償う機会はすぐ来るよ。


<闇>の魔物たち!!


 ブラッド 

だな。戦わせてくれ、ティナ。

おめェを守るために!!


ファルファラ

ティナちゃん、私の後ろに!


 ブラッド 

あン? おめェ、やれンのか?


ファルファラ

さっきの狙撃を忘れたの?

当てちゃえばよかったかしら?


 ブラッド 

……へっ……!


 ティナ  

二人とも、心配いらないよ。私には――


――最強の父と、最強の母の

血が流れてるから――!!!

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『バトゥール、フィニーッシュ!!』


 ブラッド 

へっ。


ファルファラ

やるじゃない、あなた。

その銃やたらうるさいけど。


 ブラッド 

ホントだよなあ。

これ、ニイさんの声なんだぜ?


ファルファラ

ニイさん……? って、ヴィンセントの!?

なんでそんなことを!?


 ブラッド 

嫌がらせに決まってるぜ。

この機能が五千万とかワケがわからねェ。


 ティナ  

案外、おもしろおじさんなのかな?


ファルファラ

ケガはなかった? ティナちゃん?


 ティナ  

大丈夫です、ファルファラさん♪


 ブラッド 

よかったぜ。なんかあったらねえちゃんに

会わす顔がねえ。


 ティナ  

わかってんなら、この先も死ぬ気で守れよ

おじさん。


 ブラッド 

身内には厳しい子だ。


 ティナ  

だってファルファラさんはカッコイイけど、

おじさんは……


 アイリス 

頼りになると思いますよ?


 ティナ  

う……身内をほめられると、その……

テレちゃいます……


ファルファラ

これで、ジェノ一家を裏切った形ね、

あんたも。後悔してないでしょうね?


 ブラッド 

一家の連中が追ってくるのはいい。コステロの命令だろ。

いつかはやらかしてたことだぜ。

……で、一つ疑問がある。


だが、どうして、魔物までティナを追うんだ?



 夜に溶けるような黒い蝶々が、

 ヒラヒラと近づいてくる……



ファルファラ

!! この気配は!


 黒い蝶が、人の姿へと変わる!



 ナーペル 

うふふふふ……ハジメマシテ。

ボクはナーペル

愉快な道化の影芝居

シャッテンシュピールの一人だよ。


 アイリス 

シャッテンシュピール……!


 ナーペル 

身構えないでよ白の巫女……

用があるのはキミタチじゃない。

そっちの女の子さ……♪


ティナのこと……?


 ナーペル 

ようこそ、プレシャス・チルドレン。

転生せし、霊神の欠片……


 ティナ  

霊神の……欠片……?


 ナーペル 

キミは破壊の申し子だ……♪

箱の中は……狭いたろう……?

ボクの元に来ないかい……


 ティナ  

は? 行くわけないんですけど?


 ナーペル 

予言しよう……♪

キミは世界に、すぐ飽きる……♪


 ティナ  

…………


 ナーペル 

光と闇のストラテジー……

一見壮大に見えても、

理論としての答えは出てる……


大地も、空も、海の、底も……

バランスを取ろうとして必死だ……

馬鹿みたいにね……


本当に楽しいのは、

それら全てを壊すことさ……♪


 ティナ  

意味わかんないんですけど?


 ナーペル 

ウソはいけないね……

キミのお母さんはもうトシだけど、

キミなら理解出来るはずさ……


 ティナ  

!! ……お母さんを――

バカにするなあーーーっ!!!


 ナーペル 

怖い怖い……♪

だれか、助けて……♪



 ブラッド 

なんなんだ!? シャッテン

なんとかってなんのことなんだよ!?


 キャトラ 

あたまのおかしな奴らの総称!

だいたい魔物呼ぶ!


 ブラッド 

だいたいわかった!

ティナ! 逃げるぞ!


 ナーペル 

逃がすとおも――!?


ふっ!!


はあっ!!


うっ……!


いまよ!


でも、仕留めて……!?


ファルファラ

このくらいで済むなら、

とっくに始末していた!


早く!!




 ナーペル 

……残念だなぁ……


ボクならキミの封印を……胸の錠前を……

開けてあげられるのに……


キミの……お母さんみたいに――

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うらァァァァァーッ!!!


はぁぁぁぁぁぁーっ!!!


てやぁぁぁぁぁーっ!!!



 キャトラ 

アンタらむちゃくちゃねえ……


 ブラッド 

押すトキと退くトキは問答無用に限るぜ!


 キャトラ 

いつもじゃないのよさ!


ティナちゃん、大丈夫?


 ティナ  

おなかが……


 ブラッド 

痛えのか!?


 ティナ  

減ってきた……


ファルファラ

……ふふふ。もう少しの辛抱よ♪




ヴィンセント

辛抱たまらねェわアア~ン!!!


 ブラッド 

ニイさん!?

どうやって戻ってきた!?


ヴィンセント

不可能を可能にすンのは、

いつの時代もタダ一つ!


<……あああ愛ッッッ!!!>

でしょォがぁぁアアアッ!?!?


 ブラッド 

やべえ、ワケわかんねえ!?!?


ヴィンセント

らぁぁああああああああっぶ!!!


ふんっ!!



ええっ!?


ヴィンセント

違うのいまは違うのいま欲しいのは

そういうことじゃないのよォオ!?


ファルファラ

欲しいものがもらえるとは

限らないと思うけどッ!?


!?


ヴィンセント

それが違うと知ってるのォ~!!!

世界にはあるの!

もっと大きな、大きなラヴがっ!!


 ブラッド 

ダメだキメぇ!!

ニイさん、悪ィ、散ってくれ!

うぉぉぉぉおおおおおお!!!


ヴィンセント

当たるかよバァ~力!?

誰が仕込んだワザだァ~ア!?


 ブラッド 

ウソだろ!?

なんで空中でよけられるんだよ!?


 ティナ  

き、キモイ……!!!


ヴィンセント

ティ~ッヌゥワ、ちゅわぁ~ん!!!


 ティナ  

――見ろ、私の、このか細い脚を――

――てめぇを虚空に蹴り飛ばす脚だァァア!!!


ササっ!


はああああああああああ!!!


ヴィンセント

あっはアアア~~~~~ン♪



 ヴィンセントは星になった。



はぁ……はぁ……


 キャトラ 

ぎにゃー!? もうつかれたー!


 ブラッド 

しめた! 乗るぞ!


ファルファラ

了解!


 キャトラ 

乗るってなにに!?


ファルファラ

<ルーントレイン>よ!


 ブラッド 

変態が戻って来る前に距離を稼ぐッ!!

いくぞ、ティナ!


 ティナ  

はぁ……はぁ……!


 ブラッド 

……もう少しだからな……!


ファルファラ

力ーブのときに速度が落ちるわ!

……いまよ!


 キャトラ 

いまといわれましてもおー!?!?

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 ブラッド 

しっけえ連中だ!


『工~ルウィイミイネ~イトオーーウ!!!』


 ブラッド 

るっせェ!



 キャトラ 

……なんとか乗れば乗ったで、

聞いてもいいかしらブラッド!?

このルーントレイン、どこ向かってんの!?


 ブラッド 

こいつはスラム街を抜け、観光客たちを

この島の中心へと運ぶ列車だ。


となりや終点はモチロン、ジェノ一家が

仕切ってる、メインホテルにならアなア。


 キャトラ 

えーっ!?

敵の本拠地じゃないのー!!


ファルファラ

あら、丁度いいわね。

今日はこのまま出勤しようかしら?


 キャトラ 

そーゆーよゆーはよくてぇー!


ファルファラ

ふふ、そうね。

準備をしに一度帰らなきや。


 ブラッド 

アテがあんのか?


ファルファラ

隠れ家があるわ。ティナちゃんも

もう限界が近いみたいだし……


 ティナ  

……平気……ですよ……?


ファルファラ

いいのよ無理しないで。

さ、少し先で降りましょう。


でも、目立つんじゃ……?

きっと、そこら中に追手がいますよね?


ファルファラ

ふふふ……♪

夜の蝶は、燦然と輝いて注目を集めるわ……



 ファルファラが手をかざすと、

 光の蝶々たちが群れをなして飛んで行く――



ファルファラ

――その影に隠れて、人知れず仕事をするの。

女スナイパー、クプクプマラムはね……!


へえ……♪


ファルファラ

目立つからこそ目立たない……

それが私のスタイルよ♪


――ついてきて。

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 キャトラ 

わあ~……! ナンもなあ~い!


これがいいのよキャトラ。

ざ・隠れ家って感じの部屋ですね♪


ファルファラ

仕事柄、こういうアジトがいくつかあるのよ♪


しごとがら……?


ファルファラ

その前に、ちょっと待ってね。

ごはんの準備するから。


 ティナ  

あっ……すいません……



 ブラッド 

……さて、っと…………にしても……


 ティナ  

わあ!?


 ブラッド 

よく見りゃねえちゃんにそっくりだなア!

よく来たなあ、どうして来たんだ?

ねえちゃんいまどこでなにやってんだ?


 ティナ  

ま、待って待って! 落ち着いて!


 ブラッド 

おお、悪い悪い。

――いやあ……でも、会えて嬉しいぜ……!


ブラッドったら♪


ふふふ……♪


 ティナ  

お母さんとお父さんなら新婚旅行中だよ。


ええ~!?

それって、おかしくな~~~い!?


 ティナ  

二十年目突入だって。


 ブラッド 

はは、ねえちゃんらしいや。

旦那さんとは仲良くしてるか?


 ティナ  

らぶらぶ。

『怒んないでよ~、ダンナさま~』

とか、冗談言うくらいらぶらぶ。


 ブラッド 

……あれから、暴れてねえか?


 ティナ  

二十年前に、この島でやらかしたっていう

惨劇ね。ううん、いまは落ち着いてるよ。


……たまにゴチンとやられると、

頭が割れそうなくらい痛いけどね。


 キャトラ 

おおげさねえ~。


 ブラッド 

だ、大丈夫か!? ねえちゃん、その拳で、

この島のビルをあらかた破壊したんだぞ!?


 ティナ  

らしいね。……お母さん、

おじさんのこともたまに言うよ。

『あいつ、まだやってんのかなぁ』って。


 ブラッド 

……やってるも何も、大変だったぜ。


この島の壊滅は、ねえちゃんがやったことだ。

俺にも責任がある。復興のために借金を

背負って、ギャングにもなっちまって――


 ティナ  

え? それ違くない?


 ブラッド 

あ?


 ティナ  

お母さんとおじさんは別人でしょ?

血もつながってないって。


 ブラッド 

たとえそうでも家族だぞ?


 ティナ  

わかってないなあ。


 ブラッド 

なにがだよ?


 ティナ  

お母さんの言ってた通りだ。

『罪深さは、己の魅力

 自然と周囲を魅了してしまう

 己の力と美しさが恨めしい』って。


 ブラッド 

何を言ってんだねえちゃんは……


 ティナ  

『身内がしたことだから』を言いわけに

しなくていいよ、ブラッドおじさん。

お母さんも、そんなことは望んでないと思う。


 ブラッド 

似てンなア、ほんとに……

ねえちゃんのお説教みてェだ……


 ティナ  

わかってくれた?


 ブラッド 

わかったもなにも、いまのは過去の話だ。


勢いとはいえ、今の俺はジェノ一家に

弓引いちまった後だからな。


島も、もう十分復興したろ……

借金に縛られるのは、もうヤメだ。


 ティナ  

じゃ、ぶっ壊そう。


 ブラッド 

あアッ!?


 ティナ  

だってこの島、おかしいよ。

ギャングと<闇>が手を組んでる。

潰すしかないっしょ。


『私の思考回路は自然の摂理、

神が定めた運命だと思え』


 キャトラ 

なにそれ?


 ブラッド 

ねえちゃんの言葉さ。

よし、そんじゃア……!


 ぐぅぅ~……


 ティナ  

あっ……!


 ブラッド 

俺ァ腹が減った! おっせェなアあいつ!

早く腹ごしらえしてぇぜ!


 ティナ  

……おじさん、ありがと……

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