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共鳴 クロスディライヴⅡ Story【黒猫のウィズ】

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最終更新者:にゃん

白猫ストーリー

黒猫ストーリー


2017/00/00

目次


Story1

Story2

Story3

Story4

Story5

最終話





story0 プロローグ



君は難しい顔をしていた。

頭がもやもやして、気分がすっきりしない。


「キミ、どうしたにゃ?悩みでもあるのかにゃ?」

どうやら師匠に隠し事はできないようだ。


君は頭がもやもやして落ち着かないということをウィズに伝えた。


「そういうときは整理整頓をするといいにゃ。」

ウィズは顔をしかめて部屋の中を見回す。

「ついでに掃除もしてほしいにゃ。この部屋は少しほこりっぽいにゃ。」


単に掃除をさせたかっただけかもしれない。

とはいえ、ちょうどいい気分転換になりそうだと思い、君は荷物を解いて整理整頓を始める。


クエス=アリアスで、あるいは別の異界での冒険で手に入れた品々。

そのひとつひとつに、思い出が詰まっている。


そんな中にあって、ひと際異彩を放つ腕輪のような機械に触れる。

ディライバーだ。


「懐かしいにゃ。接近戦にゃ!了解にゃ!」

ウィズはひとりでクラックハンド隊ごっこをしている。


君も懐かしい気持ちに浸る。それがいい気分転換になって頭もすっきりした……かと思いきや、もやもやは治まらない。

それどころか、もやもやとした違和感は増していき、思いが募っていく様はまるで誰かと響き合っているようで……。


「キミ、あれを見るにゃ!」

ウィズの手が指し示す先には、強い魔力を放つ虹色の光が見える。

「これは、あのときの……。」


心の準備をする間もなく、君とウィズは謎の光に飲み込まれた。



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story1



君は目の前に広がる奇妙な街並みを眺める。


ここは、あの異界……にゃ?

ウィズが自信なさげなのも無理はない。


君も違和感を抱いた。

なんとも形容しがたい奇抜な街並みは、あの異界のものだ。しかしどこか雰囲気が違う。

以前訪れたときは、フィーンドという怪物こそ出現するものの、都市は整備され、洗練された高度文明の片鱗が見て取れた。


しかし今目の前に広がるこの街は、どことなく粗野で複雑な印象がある。


わかったにゃ!ここは前に来たシェルとは別のシェルにゃ。


シェルアークと呼ばれる都市は、かつて地表の結晶化という大災害が起きた際に人々が避難したシェルターを基にして作られたのだという。


そんなシェルアークが、この異界には点在していると聞いた。

トルリッカとウィリトナの街並みが違うように、シェルによっても街並みは違うのだろう。

さて、これからどうすべきか。君が思案しているとー―


「邪魔っ!」


鋭く責め立てるような声音と共に、少女がぶつかってきた。

君と少女はもつれあうようにして転ぶ。


すいません、と君は頭を下げた。

少女は値踏みするように君のことをじろじろと見る。


お前、ヨソモンか?妙な格好して、ぼーっと突っ立って。

ちょうど困ってたにゃ。助けてくれるにゃ?

しゃべる猫……珍しいドローン連れてるな。

ドローンじゃなくて本物の猫だよと君は言う。

……本物の猫と言われると、どうも引っかかるにゃ。


君とウィズのやりとりを、少女は怪冴そうに見つめている。


なにからなにまで変なやつらだな……。

ぼーっとしてると危ない。物だけで済むと思うな。命持ってかれるぞ。


少女は吐き捨てるように言って、走り去っていった。


よくわからない女の子にゃ……。

荒っばい言動だったが、危なっかしい余所者を放っておけず、忠告してくれたのかもしれない。

キミ、ディライバーは持ってきたにゃ?とりあえずグリットたちと連絡をとるにゃ。


君は鞄からディライバーを取り出そうとするが……ない。

光に飲まれる前、咄嵯にディライバーを鞄に詰め込んだはずだ。


……もしかして、さっきの子にゃ?ディライバーを盗られたにゃ!

ウィズは毛を逆立てて感情をあらわにするが、すぐに深い息を吐いた。



 ***



んんんん……。


エニィは難しい顔をしていた。

頭がもやもやして、気分がすっきりしない。

近頃頻発するなんともいえないこの妙な感覚は、唐突にやってきたかと思えばいつの間にか治まる。


なんだろ……変なの。


奇妙なもやもやは、この文明にやってきて間もない頃の感覚に似ていた。

不慣れな環境における不安や心細さとは別の、なにかがおかしくてしっくりこない感覚。

不快には違いないが、懐かしいといえば懐かしい。


あの頃と比べてみれば、今は生活に慣れたどころか、飽きさえ感じる。

もっともそれは、いつまでもアセンシブ社に居候、時たま研究員から質問やら検査やらをされるばかりの単調な日々のせいだろう。

レソネイト技術について、アセンシブ社は未だ解明できずにいる。


私は、黙って見守る。そういう、責任がある。

レソネイト技術を広めることがこの文明のためになるとは思えなかった。

そんな想いをグリッドが酌み、エニィに前文明の記憶があることを社の上層部には知らせなかったのだ。


一向に進まない研究を傍から見ていると、ちょっと申し訳ない気持ちになる。といって、技術を明かすわけにはいかない。

研究してもわからないからもういいよと解放される身でもないので、おとなしく研究対象となる日々を送るのみ。

ならば味気ないなりに日々を快適に過ごしたいものだが、この奇妙なもやもやである。


むう……。

この文明に来たはIかりの頃に経、験したもやもやと、似ている感覚。

なぜ、生活に慣れた今になって、改めて感じるようになったのだろう……。


……もしかして、共鳴?

エニィの中で、ひとつの仮説が思い浮かぶ。

どこかの誰かが、自分と同じように歪曲空間を経て、この時代にやってきたのではないか。


誰かのもやもやが、共鳴してるのかな。

それは決して完全な共鳴ではなかった。微かな共鳴、あるいは共鳴しそうな予感。

エニィは集中力を高める。感情を通して相手との距離を縮めようとして――


肌に触れる空気が変わった。

目を開けると、見知らぬ世界が広がっていた。


え……ここ、どこ?

どうやら空間移動をしてしまったようだ。


現代の人間がワープだテレポートだと騒ぐこの技術は、エネルギーの消費が激しい。

エニィは立ちくらみをやり過ごし、辺りを見回す。

なにかに引き寄せられるかのごとく、無意識のうちに移動したものだから、空間座標もなにもわかったものではない。即ち、迷子である。


ちがうシェルなのかな。

本社に戻るという選択肢もあった。しかし、見知らぬ誰かに引き寄せられるようにここまで移動してきたのだ。

ならば、その誰かと会うべきだ。


こういう感覚、結構大事だよね。誰かを……探さなくちゃ。

大きくうなずいて、歩き出す。すると――


「どこにいきますか?」

背後から声をかけられる。振り返ってみると人型のドローンがいた。



あなたは……道案内ドローン?

荒れた街並みとは裏腹に、こんな親切な設備があるのかとエニィは感心する。しかし一一

わたし、どこにいきますか?

え? あなたが道を聞いてるの?

ドローンはガクガクとうなずいてみせる。

んとね、わかんない。

どうして、わからないのですか?

え? だって……わかんないよ?

それはこっちのセリフですよ!


突如、ドローンは頭部のアイセンサーを狂ったように明滅させ、攻撃を仕掛ける。


エニィはドローンの攻撃を倒れるようにかわし――〈腕〉で迫りくるドローンを払いのけた。

そのー撃はドローンの機能を停止させるに十分だった。


なんだろ……怖いところなのかな、ここ。


 ***



おしゃべりするドローンって、開発していいんだっけ?

襲い掛かってくるドローンたちを倒しながら、エニィは不思議に思っていた。

シェルでは、高度な人工知能の開発は禁止されている。

話がかみ合わないドローンたちが搭載している人工知能が高度なのかどうかは怪しいところだが、自律思考型のドローン自体、開発禁止のはず。

このシェルでは、そんな常識が通用しないのだろうか。


でも、人を襲うドローンの開発は……絶対ダメだよね。

敵が襲い掛かってくるたびに〈腕〉を振るう。技術も戦術もない単調な攻撃だが、―その力は圧倒的だった。

状況を打破し続けながら、エニィは共鳴相手に近づいていることを感じる。


目を閉じる。

本来の共鳴であれば――といってもエニィの場合その相手は両親のみだったが――特別な意識を向けなくても情報も感情も、すべて共有できた。

この文明に来てからは、特別な条件が重ならない限り、共鳴は起こらない。

だからこそ、この微かな共鳴を手繰り寄せて育みたいと思う。


目を開く。


確信に近い予感を胸に裏路地に入ると、ドローンに囲まれた少女がいた。

鋭い視線と小振りの電磁カッターで、必死に相手をけん制している。



あなたなの?いま助け……たいけど………眠い。

ここへ来るまでに〈腕〉を使い過ぎた。エニィはへろへろと力なく横たわる。

なんとか目を開けているのが精一杯という状態だ。


突然助けに現れたかと思えば眠気をこらえているエニィを見て、少女は困惑しているようだ。

ごめん、眠い……。

かろうじて残っている力を振り絞れば、空間移動でこの場を脱することができるかもしれない。

だけど逃げたらこの子はどうなるのだろう。

かといって、ドローンたちと戦う体力も残っていない。      

困った……。


恐れ、焦り、戸惑い――目の前の少女の感情がエニィの中に流れ込んでくる。

……あ。

エニィはそんな負の感情とは別の感情に気づく。



突然湧いた、穏やかでありながらも、芯の通った強い想い。

この感じ……また、来てくれたんだ。


唐突に現れ力なく横たわったかと思えば、穏やかな表情を浮かべているエニィを見て、少女はうろたえる。


お前、なにがしたいんだよ!そんなとこで寝てたら死ぬぞ!


だいじょぶ……助けにきてくれるから。



 ***



キミ、本当にこっちにエニィがいるのかにゃ?

そんな気がする、と君は駆けながら答えた。

手に取るようにわかる、というほどではないが、どこか懐かしい、共鳴の残滓のようなものを感じたのだ。

そしてエニィは今、不安を抱えている。そんな気配がする。


君は入り組んだ複雑な路地を走り抜ける。そして――


にゃにゃ!? ほんとにエニィがいたにゃ!

エニィが地面に横たわっていた。

敵に致命傷を負わされて倒れているわけではないということは、共鳴の残滓と、穏やかな表情からわかった。


久しぶり。

久しぶり、と君は軽く手をあげる。

のんきに挨拶してる場合じゃないにゃ!ドローンが人を襲って……って、あの子!

ディライバー泥棒にゃ!

げっ! さっきのヨソモノ!

エニィが横たわるその向こう、ドローンに囲まれた少女がいる。先ほど、君にぶつかってきた少女だ。

ディライバーを返すにゃ!あれは私たちのものにゃ!

それはあとでいいよ、と君はつぶやき、少女をかばうようにドローンとの間に立つ。

まったく……キミはお人好しすぎるにゃ。

まあ、弟子のそんな態度を改めさせない私もお人好しかもしれないにゃ。

ウィズはにゃははと笑った後、きりりと表情を引き締めた。

飛ばしていくにゃ。接近戦〈ハンド・トゥ・ハンド〉にゃ!


了解〈ガディ〉、と君は答え、力―ドに魔力をこめた。


 ***


君は防御障壁を展開してエニィと少女を守りながら、攻撃魔法でドローンを1体ずつ片づけていった。

最後の1体となったドローンが抑揚のない調子で言う。


待ってくれ。これには、深い事情がある。

それはどんな事情だ、と君は詰問する。

それはまだ考えていない。これから考える。だから時間をくれ。必ず、思いついてみせる。

……にゃ?このドローン、頭がおかしいのかにゃ?

……思いつかない。これより攻撃を開始する。

最後の1体となったドローンは命乞いをしたかと思えば一転、攻撃に出る。

君はあらかじめカードに込めていた魔力を解き放ち、斬りかかってきたドローンを返り討ちにした。

動かなくなったドローンをー瞥し、これはフィーンドじゃないんだね、とエニィに確認する。

人とデータの融合体であるフィーンドであるなら致命傷を与えれば人の姿に戻るはずだ。

そう。これは、人工知能を搭載したドローンみたい。

人工知能を搭載したドローンは開発が解禁されたのかにゃ?

案の定暴走してるにゃ。危ないにゃ。

開発しちゃダメだと思う。これは、おかしい。

君とエニィが首をひねるその傍らで、ドローンに囲まれていた少女は警戒心をむき出しにしている。

大丈夫、敵じゃないよと君は微笑んだ。

しかし少女は一歩退き、刃物を構え直す。

そんなの、信用できるわけない!お前……なにが目的だ。

失礼な子にゃ。

少女は君とエニィをにらみつけたまま、ディライバーを操作する。

にゃっ! まぶしいにゃ!

わっ!

わあっ!

ウィズ、エニィ、そして少女の悲鳴も聞こえる。

君も光で目をやられてしまう。くらんだ目が元に戻ると、既に少女はいなくなっていた。


あの子、自分でも悲鳴あげてたにゃ。かなりのドジにゃ。

少女が逃げていったであろう大通りのほうをながめるウィズは、エニィに向き直る。

ここはどこにゃ?前にいたシェルとは明らかに雰囲気が違うにゃ。

んとね、わかんない。

これからどうしよう。君とウィズ、エニィは顔を合わせて途方に暮れる。

とりあえず、アセンシブ社にいこう。

にゃにゃ?あの大きい建物は見当たらないにゃ。

支社がね、あるはずだよ。どこのシェルにもあるんだって。

それなら安心にゃ。この街はちょっと危険な香りがするにゃ。

おウィズ、鼻がいいの?

エニィは君の肩に乗るウィズの鼻先をつついた。

そういう意味じゃないにゃ。

とりあえず、いこっか。

エニィはウィズを抱き上げて、歩き出した。

なんとも言えない表情のウィズを横目で見ながら君も続く。


 ***


アセンシブ社の支社だという建物は、君の予想をはるかに下回った。

さすがに本社ほど立派な建物とは思っていなかったが、政府に近い機能を持つ大企業とは思えない、荒んだ雰囲気を放つ社屋。

そしてなにより――



「うひひひ、アセンシブ社へっ!

「……あー、ようこそ。まったくなんの用だよ。

出迎えの、双子とおぼしき少女。

君は面食らいながら、どうも、と軽く会釈した。

「ご用件はわたしぃー、ラリイとぉー。

「ダリイがお伺いします。 帰れ


「外とあんまり変わらないね。なんか……ええと、そう、あぶない感じ。

「なんのごよーでしょーかあー。

「なんかスラムの人っぽくない。

ラリイは興味津々といった様子で、ダリイは心底面倒そうな様子で、君たちを無遠慮に見つめる。

このシェルのひとじゃないです。アセンシブ社の本社からきました。

「本社ぁ!? 偉いひとー?うへへ、そんな話聞いてないよー。

「あれ、そんな話きてたかも……。いや、きてなかったかな。ま、いいや。

「お茶飲むー? あんまりおいしくないよー。

「いらないでしょ? おかまいなくって言って。

おかまいなく、と君は言って、双子の前から引き上げる。

ここに来たのが、間違いであるような気がした。かといって、どこか行くあてがあるわけでもない。


君はふと、不安と心細さを感じる。


それは自分が感じているのではなく、エニィが感じているようだ。

はっきりわかるというより、微かに漏れ伝わってくるような感覚だった。

大丈夫? と君はエニィに声をかける。

私はね、大丈夫だよ。

エニィは胸に手をあて、目を閉じる。

この気持ちは、たぶん、さっきのあの子。

君はエニィと微かに共鳴している。先ほどの少女もエニィと共鳴しているのだろう。それが君にまで伝わってきたのだ。

……やっぱりあの子、探しにいく。

ここにいても仕方ないしね、と君はエニィに同調する。

あ……。

どうしたにゃ?

……クラン。

……くらん……ってなんにゃ?

伝わってきた。



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story2



Aはぁ……すごい……。

うっとりしつつ、自分は単純な女だとアライナは思う。

ドローンは素晴らしい。

消防ドローン、都市警備ドローン、清掃ドローンに高所作業用ドローン。どれも甲乙つけがたく素晴らしい。

ひたむきに任務を遂行する様は頼もしく、それでいてどこかかわいらしい。片つ端からメンテナンスをしてやりたくなる。

しかし結局のところ、1体選べと言われたら決め手は火力なのだ。

あっさり甲乙つけられるのだ。

Aすこい……すごすぎる……。

アセンシブ社が開発中だという、複座式の強襲型ドローン。

〈オールド・ワン〉事件を受け、特殊な外敵との戦闘を想定して開発しているのだという。

火力、機動力は既存の都市防衛型ドローンとは比べ物にならない。しかも、搭載兵装はすべて実弾。

スペックを見ただけで、もう夢中になった。

テストパイロットの外部採用も考えていると聞いたからには、なにがなんでもプロジェクトに参加したい。

関連会社でテストパイロットとしてしっかり勤務しているし、バトルワイザーでフィーンドとやり合つたのだから実戦経験も申し分ない。

そこにアセンシブ社の人間の後押しが加われば……。

A頼るべきは……元上司!

グリッドに推薦状を書いてもらおう。

A……鬼に金棒、虎に翼、バトルワイザーにグレネードランチャー!

アライナは意気揚々とディライバーを操作し、グリッドに連絡をとる。



 ***


アセンシブ社に来るのは3か月ぶりになる。

果たして首尾よく採用されるだろうか。

この緊張感、レリッシユはクラックハンド隊の選抜試験を思い出す。

人生には、こういうスパイスが必要ですね。

野性昧あふれる笑みが自然と浮かんだ。

捧猛な笑顔を爽やかな微笑みに切り瞥え、受付を済ませる。

通された応接室にいたのは――

Aレリッシュ!?

クラックハンド隊の元同僚、アライナだった。

Lアライナさん! どうしてここに。

言いつつ、落ち着きなく足をぱたぱたとさせているアライナを見て、おおよその察しがついた。

はやる気持ちを抑えようにもどうにも抑えきれないといったこの様子。

自分と同じく、アライナも例の新型マシンに乗りたくてしようがないのだ。

Aあたしはグリッドさんに用があってきたんだー。

L奇遇ですね、僕もですよ。

なるほど、あの人も忙しいですからね。まとめて要件を片づけようといったところでしょう。

僕の要件もおそらくアライナさんと一緒ですよ。例の新型のテストパイロットです。

そう伝えると、アライナは椅子から転がり落ちそうなほど驚いた。

Aええっ!?レリッシュ、レーサーやめちゃうの?この前復帰したばっかりじゃん。

久しぶりのレースに臨み、いい意味でピリピリとした緊張を味わえた。しかし――

Lクラックハンド隊で味わった戦闘に比べると、どうも刺激不足で……。

ひりつくような戦闘の場に身を置いて以降、その高揚感を忘れられずにいた。

Aあー、レリッシュってスリルを追い求めて身を滅ぼすタイプだもんねー。

L身も蓋もない言い方ですね……。

しかし、内容自体は否定できない。

Aそうそう!この前のレース、レリッシユに賭けたんだよ!おかげでバトルワイザーのパーツ新調できた!

Lそれはどうも。と、言いたいところですが、アライナさん、ギャンブルやっていい年齢じゃないですよね?

Aえへへ……ほんとーはダメなんだけどね、代理でウィジェッタに買ってもらったんだ。

Lなるほど………って、ウィジェッタさんも賭けられる年齢じゃなかったような。

Aあはは……。

L……今回は聞かなかったことにしましょう。

ふたりで苦笑いを浮かべていると、グリッドがやってくる。

Gこんなときばっかり頼りやがって。お前ら、ほんとちゃっかりしてるよな。

しかし、アライナはともかくレリッシユまでテストパイロットに志願するとはな。

この前復帰したばかりだろ?すごい走りだったな。

そんな祝福の言葉とは裏腹に、グリッドは大げさにため息をついてみせる。

……復帰後の初レースであそこまで走るのは想定外だったな。いろいろと、欲しいものがあったんだが。

Aグリッドさん見る目なーい。

L元部下の実力を見誤るとは。管理職としてどうなんですか。

Gなんだお前ら。元上司をなじりにきたのか?俺の推薦が欲しいという話たった気がするが……そんな態度でいいのか?

Lやだなあ、グリッドさん。見る目のあるグリッドさんだからこそ、推薦をお願いしにきたわけですよ。

Gただの冗談だ。ちょうど複座式だからな、お前らセットで推薦しとく。

Aやったー! さっすがグリッドさん!

Lありがとうございます!精一杯やらせていただきます!





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